中国語は面白いー中国語の世界ランキング

中国に対する皆さんの印象は?

最初に日本の人々の中国に対する印象をみておきたいと思います。

中国といえば日本では過去からあまり人々に印象が良くないことは皆さんご存知のとおりです。言論NPOが中国国際出版集団と共同で実施してきたアンケートのデータで確認してみましょう。

左のグラフ(2018/10/12 毎日新聞 朝刊より)は中国に良い印象・悪い印象を持っている日本の人々の割合および日本に良い印象・悪い印象を持っている中国の人々の割合の変化を2005年~2018年で表したものです。

このグラフの数字に大きく影響を与えたと思われる出来事は、まず2005年4月に、日本の歴史教科書や靖国神社問題などをきっかけに中国各地で発生した大規模な反日デモでしょう。

次に考えられるのが2010年9月7日に尖閣諸島付近で中国漁船と取締り中の日本の海上保安庁の巡視船の間で発生したいわゆる尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに始まった10月の中国各地の大規模な反日デモでしょう。

このグラフを見て分かるように、尖閣諸島中国漁船衝突事件が特に大きな影響を与えているようです。このときは、日中両国の相手国に対して、悪い印象が急上昇し、かつ良い印象が急降下しています。

双方にとって最悪の時期は2013年頃で、お互いに悪い印象を持つ人の割合が90%を超え、かつ良い印象を持つ人の割合が10%を下回っています。

尖閣諸島中国漁船衝突事件のときはニュース番組で衝突時の生々しい様子が記録ビデオで何度も報道され両国の人々にそれなりに衝撃を与えたのではないかと思います。

ところが、2013年の最悪期以降、中国の人々の対日高感度が急に良くなってきています。日本の人々の対中高感度は良くないレベルのままですが、少しずつ上昇してきています。

中国の人々の対日高感度上昇の背景

最も大きな理由は、近年多くの中国人が日本を観光で訪れるようになり、日本の良さを自ら体験していることだと思います。

日本を訪れた中国人はSNSで情報発信したり、またたくさんの優良商品をお土産に買って帰り家族、親戚、友人に配り、その際のお土産話として日本の良さを大いに宣伝してくれているのでしょう。

ある中国人が、「日本の外務省が実施している中国人に対するビザの発給要件緩和の措置がとてもありがたく、近い将来家族・親族を引き連れて日本へ是非観光に行きたい!」と言っていました。

また最近は電気製品よりは身近で安価な日本の化粧品、お菓子などが中国のネットで販売されることが多くなり、より多くの中国人が気楽に日本の商品に触れる機会が増えてその良さを実感していることもその理由だと思います。

さらに豊富な中国マネーの行き先として、世界的に魅力的な日本の不動産が最近注目されています。中国の投資家が最近北海道や京都や東京などで今後不動産価格の上昇が大いに期待できる物件やホテル業に使える物件などを購入しているそうです。

このように中国資本の日本へのさらなる流入でビジネス上の日中交流が盛んになり、これも中国の人々の対日高感度上昇に役立つものと思います。

結局、日本で働いたり、勉強したり、研修したりする中国の人々、観光に来る中国の人々、さらなる中国資本の流入、ネットによる日本商品の販売の拡大などの多岐にわたる交流が功を奏しているのでしょう。

日本の人々の対中高感度が伸び悩んでいる背景

上で書いたように最近日中交流が増えてきて、それなりの恩恵もこうむり、日本で中国の人々と接する機会がさらに多くなってきているにも関わらず、日本の人々の対中高感度が伸び悩んでいるのは何故でしょうか。

中国人を雇っている日本の会社、中国の会社と提携・取引している日本企業、観光業に携わる日本の人々、中国の人に人気の商品を製造・販売している日本の業界などは確かにその恩恵に直接あずかっていると思います。

しかしそれ以外の日本の人々にとっては、中国の人々に関するテレビ番組、ニュース、WEBなどを見てほぼその印象が決まっているように思います。

たとえば、中国からの観光客が観光地で池にコインを投げ入れたり、人のお宅の庭などに勝手に足を踏み入れたりなどのような観光地でのマナー、不法な国際免許証でのレンタカーの運転など報道されています。

また福袋などをアルバイトを雇って大量に買ってネットで再販したり、東京湾や江戸川沿岸でカキや貝を取って砂浜に殻を大量に廃棄したり、空港で白タクのような商売をしたり、無資格で中国人ツアーの「闇ガイド」をしたりなども報道されています。

中国国内で発生した珍しい事故や事件もよくテレビで流されます。たとえば、こどもが壁や柵に挟まれたり、バイクや自動車に許容量をはるかに越える物資を載せていて事故にあったりなどです。

一方、日本から観光旅行などで中国へ行ったことがある人は気づいていますが、少し都市を離れるとトイレが清潔でないことや、写真撮影ポイントでは大勢の人々がより良い場所を争うのでなかなか落ち着いて写真が撮れない、レストランでは周りの人たちの話し声が相当に騒がしいなどということもあります。

日頃これらのような事を見たり聞いたりすると、ごく一部の中国人のマナー、モラルや行動ではあっても、どうしても日本の人々の中国の人々に対する一般的なイメージが損なわれてもしかたがない面もあります。

このようなマナーや行動の問題は中国がより近代化、国際化していく中で時間はかかるかもしれませんが少しずつ改善されていくでしょう。

そうなれば、中国語に興味を持ち、中国語を学んで見ようという日本人ももっと増えてくるかもしれません。

   

四川省北部の九寨溝の五彩池      五彩池(池の中)             黄龍の珍しい石灰棚

中国語とはどのような言語か?

まず中国語が世界で占める「位置」を見てみましょう。情報はEthnologueの2018年のデータです。

左のランキングはネイティブスピーカー(母国語を話す人)の人数の世界ランキングです。

1位は中国語で約9億人、2位はスペイン語で約4億4千万人、3位が英語で約3億8千万人となっています。

1位の中国はやはり約14億人という人口の多さが効いています。

なお、中国語のMandarin Chineseは標準中国語(普通語)のことです。

次に、母国語を話す人と外国語として習得した言語を話す人を合計した人数をランキングしたものを見てみます。

左のランキングはその言語を話す人数の世界でのランキングです。

さすがに長年国際語としての地位を築いてきた英語が約11億2千万人で1位です。

そして2位に約11億人で中国語がきています。英語をしゃべる人口とほぼ互角です。

英語と中国語はその他の言語を大きく引き離しているのが分かると思います。

中国語を学ぶメリット

上で書いたように中国語は英語とほぼ同じくらい世界で話されている言語になっています。台湾、マレーシア、シンガポール、香港・マカオや、世界各地のチャイナタウン、華僑、華人の活躍などがよく知られています。

中国の経済発展、「一帯一路」などによる経済圏・外交圏の世界的拡大に伴って中国語の重要性もますます高まってくると思われます。

たとえばロシア、オーストラリア、ニュージーランドなどでは最近中国語教育に力が入れられていると聞きます。特に「一帯一路」に関係する国々では今後もますます中国語教育が盛んになると予想されます。

日本人にとって中国語を学習し、修得するメリットの主なものは次のようでしょう。

  1. 提携・取引している中国企業とのビジネス上のコミュニケーション円滑化
  2. 日本に仕事、勉強、研修、観光で来る中国人とのコミュニケーション円滑化
  3. 中国に仕事、観光などで訪れる日本人と現地の人とのコミュニケーション円滑化
  4. ネットの世界での中国語を使ったコミュニケーション円滑化
  5. 中国語の学習に伴って中国の文化や風俗習慣、歴史、中国の人々の性格や考え方なども学べ、中国および中国人への理解が深まる

中国ビジネスではよく「コネ」、人脈、人間関係がとても重要だと言われます。相手といかに親密になれるかということでしょう。この場合、中国語が話せるということは大きな武器になると思います。

一般の生活面でも中国語が話せると中国の方々との心の距離が一気に縮まり、お互いの理解度が増すものと期待できます。また誤解なども生じにくく無用なトラブルも減ることでしょう。

日本ではビジネス上の必要性から中国語を一生懸命勉強しているサラリーマンをよく見かけます。

また中国語を熱心に学習しているシニアの方々も多くおられます。これはビジネス上の理由というより、日本と歴史上、言語や文化などつながりが深い中国に強い興味があるからだと聞いたことがあります。

最後に

中国は歴史上日本と深い関係があります。遠い昔言葉、文化、風習など色々なものが中国から伝わってきました。

現在は経済的な関係はもはや不可欠なものとなり、同じような漢字を使い、国の地理的距離も近く、もっと交流が広がっていっても不思議ではないと思います。

中国語を学べば、同時に中国の文化や風俗習慣、歴史、中国の人々の性格、考え方なども広く学べ、中国および中国人への理解が深まることでしょう。

ところで、日本の大学では、第一外国語として英語をとる人が多いと思います。第二外国語はスペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、韓国語などでしょうか。

いままでの話を念頭に置くと、第二外国語を中国語にするのも賢い選択だと思います。

英語と中国語という2つの主要外国語を学べば、世界で極めて多くの人々とコミュニケーションをとることができます。

もちろん英語と中国語を同時に話せるという人もいますので、上の言語の世界ランキングで挙げた数字を単純に足して、約22億3千万人というわけにはいきませんが、少なくともどちらかが話せるという人は世界に20億人程度いるのではないかと期待できます。

今世界の人口は約75億人と言われていますので、なんと約4人に1人とはお話ができることになります。これは考えただけでもすばらしいことだと思います。

最近私が台湾に観光旅行したときに、ホテルのフロントで日本語が分からない台湾人スタッフと会話することになりました。そのとき私のつたない中国語を交じえて英語で会話するとそのスタッフは人懐っこい笑顔でとても喜んでいました。

皆さんは中国語に興味がありますか?

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