中国・雲南省に菜の花を見に行く

今回の中国観光旅行のポイント

中国の雲南省では2月の後半になると早くも菜の花が一斉に咲き始めます。菜の花が咲くのは日本では3~4月頃ですので雲南省に行けば一足早い春を楽しむことができます。

菜の花は昔は日本でも家の傍や近くの広場や畑であたり一面にたくさん咲いていたものです。菜種油を作ったりそのまま食用として親しまれていました。菜の花に集まる蝶や蜂を網で捕る子供の姿も多く見られました。

菜の花は日本では桜と並んで春の典型的な風物詩だったので昔から小説、俳句や歌にもよく登場してきました。これらを思い出すと習った当時の子供の頃の記憶がよみがえってきます。

「菜の花や月は東に日は西に」(俳句:与謝蕪村)

♪「菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし・・・」(歌唱:朧月夜)

最近では近くで菜の花畑を見かけることはめっきり少なくなりました。現在日本では千葉県や徳島県あたりで菜の花栽培が盛んなようです。

さて中国の雲南省の昆明から東へ約150km程離れた場所にある羅平という場所は菜の花の栽培で特に有名な農村地帯です。東京都の面積よりも広いところで菜の花を栽培しているので、見渡す限り黄色のじゅうたんを敷き詰めたような圧巻の風景に出会えます。

菜の花は菜種油の原料やそのまま食用などとして用いられるほか、羅平のカルスト地形に沿って広がる黄金色の菜の花畑は観光資源にもなっていて毎年2~3月になると中国国内や海外から多くの観光客を集めています。

今回の観光旅行のポイントは次のようです。

  • 中国で最も有名な菜の花の名産地である羅平でたっぷりと菜の花を見物
  • 10段の滝が連なる中国六大名滝の一つの九龍瀑布を観光
  • 奇岩が林立する世界遺産の石林を観光
  • 世界遺産の世界最大の元陽棚田を観光

それぞれの観光場所は下記の地図(google地図)に示したとおりです。すべて昆明からバスで行ける範囲に点在しています。

羅平で菜の花をたっぷりと見物

昆明のホテルを朝バスで出発し最初の菜の花鑑賞スポットである牛街へ向かいました。

羅平の菜の花地区に入るとバスの両側の窓から途切れることなく菜の花畑がずっと続いて見えていました。牛街へ着くと丘の上の広い道路の脇にある見晴らしスペースにバスを止めて下車し、丘の上から見下ろすように牛街の菜の花畑を鑑賞しました。

ここの菜の花畑は、平面ではなく立体的に段々に広がっていく渦巻き状の独特な形をしています。まるで競技場の段々になった観覧席が複雑に繋がっているような感じでとても面白い畑です。

この日の午前中は曇り空で少し靄がかかっていましたので、残念ながら黄金色に輝く菜の花畑の姿は見ることができませんでしたが、スケールの大きい十分美しい風景に出会えて感激しました。

菜の花畑や樹木の配置が絶妙で、まるで遠くから見たときに美しく見えるように考えられて設計されているようでした。

  

  

  

その日の昼食は少し田舎へ移動し、とてものどかな村にあるレストランへ行きました。

とても小さな村ですが、やはり菜の花の栽培をしていて、ぽかぽかと暖かい日差しに包まれてその田舎の村の道路をゆったりと散策しました。

車もまったく通らず、人もほとんど見かけない田舎道をそぞろ歩きしたのは何年ぶりでしょうか。たくさんの菜の花とその素敵なほのかな香りに包まれました。柔らかい早春の風が心地よくとても贅沢な時間を過ごしました。

下の写真はそのときの周りの景色を撮影したものです。昔は日本にもこのような風景が家の近くに広がっていました。

  

  

  

午後いよいよこの中国の菜の花鑑賞旅行のハイライトである金鶏峰へバスで向かいました。ここはカルストの特異な形をした山々と菜の花の黄色いじゅうたんが織り成す羅平で屈指の観賞スポットです。

大きな道路の向こう側にトイレやバスの駐車場があり、そこで下車して道路を横断し菜の花畑のエリアへ入ります。

菜の花畑の入り口付近は広場のようになっていて色々な屋台や観光用牛車・馬車が所狭しと並んでお客さんを待ち構えていました。その場所から先は赤土の地面がむき出して靴が汚れることを覚悟する必要があります。

ところで菜の花畑ではミツバチがたくさん飛び回っているので、蜂に狙われやすい黒髪を隠す白っぽい帽子があった方が安心です。

我々はまず菜の花畑の間の道を牛車に乗ってゆったりと観光しました。下の写真にその観光の道が写っています。

  

牛車の折り返し地点であえて下車し、帰りはのんびりと歩いて菜の花を眺めながら戻っていきました。太陽の光を浴びて黄金色に輝く菜の花を見ながら、あたり一面にただよう素敵な菜の花の香りに包まれ、日常なかなか味わえない素晴らしい体験でした。

当日は多くの観光客で混雑していましたが、われわれのツアーに参加した人以外に日本人に遭遇することはなく、周りはほぼ100%が中国人の観光客のようでした。

  

  

金鶏峰に行った帰りに、街中にある大きな蜂蜜専門店に立ち寄りました。羅平の菜の花畑で採れた蜂蜜ももちろんありました。

菜の花の蜂蜜が一番多く展示されていましたが、その他にも色々な種類の花から採れた蜂蜜が置いてあり、うれしことに自由に試食ができました。

帰りに立ち寄った菜の花のその他のスポット

金鶏峰からバスでホテルに帰る途中で、その他の菜の花の鑑賞スポットといわれている近郊の公園に立ち寄りました。

丘の上にある郊外の静かな公園で、遊歩道を散策しながら登っていき、丘の上から麓をみるときれいな菜の花畑が見えました。観光客にはほとんど知られていない穴場のようで我々のツアーの人以外には出会いませんでした。

  

  

  

九龍瀑布の観光

九龍瀑布は、約4kmの区間に渡って独特の地質構造と水の浸食によって作られた10段の滝からなっています。中国六大名滝のうち最も美しい瀑布といわれ、羅平の母なる河と称される九龍河の上流部分にあります。

麓からケーブルカーで約5分で展望台に着きます。展望台からは遠くにカルストの山々や菜の花畑も同時に眺めることができます。

最大の滝の下あたりまでは遊歩道が整備されていて徒歩で下っていけます。

  

  

石林の観光

太古の昔石林周辺は海底にあり、海洋生物の遺骸が堆積して石灰岩層が形成されました。その後の地殻変動で海底が隆起して陸地となり、長年の風雨によって石峰、石柱、石筍、石壁などの現在の奇観が作り出されました。

石林は2007年に貴州省茘波、重慶市武隆と並び「中国南方カルスト地」として世界遺産に登録されました。

広大な敷地内にはきれいな道路が整備されており、循環バスが走っていました。こちらも中国人観光客中心にたくさんの人が来ていました。

  

  

ほぼ中央にある広場には野外演芸場が整備されていて、当日もサニ族による民族舞踊の演舞がにぎやかに開催されていました。

  

元陽棚田の観光

元陽棚田は、最高高度2,000mにもなる約5,000段もの水田をもつ世界最大の棚田で、2013年に世界遺産に登録されています。およそ1200年前の唐の時代からハニ族によって作られてきたということです。

山の上にある見晴らし場所から眺めると大小無数の細長い棚田が一望でき素晴らしい景観でした。特に夕日が沈む時間帯は、棚田の水に夕日の光が反射して絶景となるとのことですが、夕日があたらなくてもその素晴らしさは十分に満喫できました。

  

  

  

バスから見た菜の花がある風景

最後に羅平でバスに乗っているときに窓から見た菜の花がある風景を2つご紹介します。

山の上の方まで菜の花畑が続いているのがよく分かります。

  

最後に

菜の花には子供の頃からの思い出が一杯詰まっています。

菜の花畑をゆったりと散歩しているとその懐かしい数々の思い出が走馬灯のようによみがえってきます。

花の香りはどのような花でもとても素敵な香りがします。菜の花は桜の花のようにほのかな香りですがとても癒されます。

今回の菜の花鑑賞旅行では、視覚・臭覚を中心にした五感が癒される旅になりました。

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