カメラあれこれ

はじめに

最近数年ぶりにカメラを買い換えました。最近は実に多種多様なカメラが市販されていてどれを買うのが良いのか迷ってしまうほどです。

この記事では、まず昔のカメラ事情を振り返り、写真撮影のそもそもの目的とは何かを考え、最後に私の新旧のカメラをご紹介したいと思います。

フィルムカメラ

一昔前まではカメラはとても手間がかかるものでした。

デジタルカメラが出回る前は毎度フィルムを入れ替えて使ういわゆるアナログのフィルムカメラでした。24枚取りや36枚取りのロールフィルムをカメラの背面から入れて、一枚写すたびに一枚分手動や自動で巻き取っていました。

1本のロールフィルムを使い切るとそのたびにカメラの背面から撮影済みのロールフィルムを取り出して次の新しいロールフィルムと入れ替えていました。

このロールフィルムの入れ変え時は出来るだけ日陰ですばやく行いフィルムの無用な露光を極力避ける必要がありました。特に海外で観光スポットを撮影中に交換の必要に迫られたときにはいつも慌てて緊張したものです。

フィルムの場合は撮影した後も手間がかかりました。

どのように写ったかを確認するには現像とプリントの作業が必要で、自身でこれを行うには暗室や現像・プリントの装置、機材、薬品などを揃えるのがとても大変なので、普通は街の写真屋さんに有料でお願いしていました。

写真屋さんでは2段階の処理が行われます。まずフィルムを現像してネガを作成します。ネガの状態にしておけば露光することはないので長期間保存できます。ただしネガは光に透かして見ても写りをちゃんと確認することが困難です。

そこで普通はさらに印画紙へのプリントもお願いすることがほとんどです。これを「同時プリント」などと言っていました。ピンボケのような写りが極めて悪いものでもプリントされて戻ってきます。

そのため写りが確認できるのは早くても数日かかったものです。いつもプリントして上がってくる写真をとても待ち遠しく待っていました。

海外旅行へカメラを持参するときも一苦労でした。一回の旅行でフィルムロールを10~20本(36枚取りで360枚~720枚分)持っていきましたが、空港のX線検査でフィルムがだめにならないように、X線を遮断する鉛のシートがほどこされた特別な袋に入れていく必要がありました。

撮った写真を人に配るときも手間がかかりました。それぞれの写真を必要な分だけ後で「焼き増しプリント」して必要な数の写真を準備する必要がありました。

またロールフィルムの保管も気をつけなければなりませんでした。撮影済みフィルムは早急に現像に出す必要がありましたし、大安売りでまとめ買いしたフィルムは使用期限に十分に注意する必要がありました。

当時はロールフィルムは米国のコダック社や日本の富士フィルム社の製品にとても人気がありました。量販店に行けばこれらのロールフィルムが大量に山積みになっていてたびたび大安売りの特売が行われていました。

デジタルカメラ

デジタルカメラが出現してからは上のような苦労が一気に無くなり、だれにでもとても気楽に簡単に写真撮影が楽しめるようになりました。アナログカメラで苦労をしていた人々にとってはまさに夢のような技術革新でした。

ちなみに、このアナログカメラからデジタルカメラへの転換がとても速かったので、一時は大成功を収めたコダック社は2012年に倒産してしまいました。

現在は驚くほど多種多様なデジタルカメラが世の中に出回っています。

まず最もお手軽なものは、今やほとんどの携帯電話やスマートフォンに予め備わっているカメラです。超小型ではあるものの最近は複数個のカメラが内蔵され、画質も向上し、中には一眼レフカメラのように「ボケ」を表現できるものさえ出現しています。

インスタグラムのようなSNSへの写真の個人発信が極めて簡単にできる世の中になっています。

高い人気を誇っているのがコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)です。スマートフォンのカメラの機能・画質向上によって低機能のコンデジは淘汰されてきていますが、高機能のコンデジは勢いを増してきているようです。

最近は一眼レフと同じフルサイズのイメージセンサーを備えた高機能コンデジも出現し、価格もコンデジながら数十万円と高価です。場合によってはこのコンパクトで持ち運びが楽なコンデジで一眼レフ並みの高品質な写真を撮れるようになってきました。

プロカメラマンや写真マニアには相変わらず一眼レフカメラが大人気です。写真マニアとして最近では中高年の男性だけでなく、若い女性も大いに一眼レフを愛用するようになってきました。

一眼レフはやはりフルサイズのイメージセンサーや交換レンズが最大の魅力で、広角からズームによる望遠域まで、明るく、高精細で解像感溢れる写真が撮れるのが長所です。

近年デジタル一眼レフカメラにミラーレス一眼レフカメラがあらたなジャンルとして加わりました。

ミラーレスカメラの場合、ミラーやプリズムがなく、レンズが捉えた景色をイメージセンサーで捕らえ映像に変換し、電子ビューファインダーや液晶モニターに映します。そのため従来の一眼レフの光学系の一部が省略できその分カメラを軽量でコンパクトに仕上げることができます。

イメージセセンサーはスマホなどのものより大きいAPS-Cサイズが主流でしたが、最近はさらに大きなフルサイズを使ったカメラが販売されています。ミラーレス一眼は一眼レフの長所を生かしながら、軽量・コンパクトであるので気軽に一眼レフを楽しみたい人にはお勧めです。

また最近一つのジャンルとしてアクションカメラが人気を博しています。アウトドアスポーツの現場で使うことを想定した防水性、防塵性、堅牢性、耐久性を高めた小型カメラです。頭や体に取り付けて迫力ある画像(静止画・動画)が撮れるのが最大の魅力です。

写真を撮る目的は

芸術写真、報道写真、書籍・ディスプレイ・WEB用写真の撮影などを職業としているプロのカメラマン以外で、趣味などで写真撮影を楽しんでいる多くの人々はいったいどのような目的または用途のために撮影をしているのでしょうか。

色々と見たり聞いたりした限りでは以下のようなものが挙げられます。

  1. 家族、親戚、友人の運動会や旅行、パーティ、誕生・入学・卒業・就職など各種イベントの写真を撮り、配ったり、皆で見て楽しむ。その後人生記録として長期で保管する。
  2. 知人の結婚式や各種イベントに際してきれいな記念写真を撮影してあげる。
  3. 風景や花、人物などを撮影し、きれいに印刷したりして写真コンテストに出す。
  4. 趣味の写真を印刷して部屋に飾ったり、友人に進呈したりする。
  5. 写真をフォトショップなどで販売する。
  6. 写真をブログの記事で掲載する。
  7. 写真をインスタグラム、写真のポータルサイトなどSNSに投稿し、皆とのコミュニケーションを楽しむ。
  8. 撮りためた写真から気に入ったものを抜粋し、自分なりの写真集を作成する。友人に配ったり、自費出版したりする。
  9. 国内や海外旅行などで撮影した写真をもとにして絵を描く。
  10. テーマに沿ったお気に入りの写真を抜粋し写真のグループ展や個展を開く。
  11. 写真撮影の行動そのものが好きで、外出や旅行、被写体探しからシャッターを押す瞬間までを楽しむ。そのため撮影した写真は特に整理もせず保管したままにしている。
  12. カメラ自体が好きで収集している。撮影は二の次である。
  13. 特に目的は無いが気になったり、興味が湧いたのでとりあえずスマホなどで撮影しておく。

新しくカメラを買う場合は目的に合ったカメラを買うのが良いと思いますが、ついより高級なものを買ってしまい、宝の持ち腐れになっているケースもあるようです。

昔のフィルムカメラと違ってデジタルカメラの場合、お手軽であるために次から次へと撮影し、膨大な写真データを溜め込んでしまうことも多いようです。特に明確な目的が無い人はなかなか整理もしないでとりあえず保管するだけになっています。

撮影の目的や写真の用途は皆それぞれでしょうが、せっかく買った高価なカメラですので色々な楽しみ方で活用できると良いと思います。

私の場合は、長年撮りためてきた家族・親戚・知人の写真を米国millenniata社が開発した数百年にわたって保存できるというM-DISKへ移管し長期保存に耐えるようにしました。

昔のフィルムはすべてフィルムスキャナーで取り込み、印画紙の写真は紙スキャナーで読み込み、また近年のデジタル写真データはそのままコピーしました。全部で数万枚になりました。

後で検索が容易になるように一つひとつの写真データには、年月日、地名、人名、イベント名などのキーワードを付与しました。

私が買い換えてきたカメラ

かなり前デジタルカメラが出始めの頃、思い切ってデジタル一眼レフカメラを購入し、主に風景や花を撮影して楽しんでいましたが、やはりカメラとレンズが大きく重たいので1日中撮影を続けていると腰や腕が痛くなることもありました。

あるとき中国に旅行に行ったとき、黄山や九寨溝で一日中山の中を歩き回りながら写真を撮りましたがやはり重いカメラが体にかなり応えたので、出始めた軽量なミラーレス一眼カメラに買い換えました。

それがSONY製のミラーレス一眼レフデジタルカメラNEX-7です。 重量は350g、大きさは119.9 x 66.9 x 42.6mm、画素数は約2430万画素、イメージセンサーはAPS-Cサイズです。

荷物を少しでも軽くしたい旅行では近距離から遠距離まで1本ですませることができるズームレンズが良いと思い、同時にSONYデジタル一眼カメラ“α”[Eマウント]用レンズ SEL18200LE(18-200mm F3.5-6.3)を購入しました。重量は460gです。

NEX-7にSEL18200LEを装着した状態

このNEX-7+SEL18200LEを数年間愛用していましたが、最近になって何とフルサイズのイメージセンサー搭載のコンデジが発売されていることを知ってこれに強い興味を持ちました。

しかししっかりとした光学系ズームレンズと合わせて使えるということではやはりミラーレス一眼ということになり、結局SONYのα7RIII(重量:657g、大きさ:126.9x95.6x73.7mm、画素数:約4240万画素、センサー:フルサイズ)とやはりSONYのズームレンズSEL24105G(24-105mm F4 約663g)を購入しました。

α7RIIIにSEL24105Gを装着した状態

NEX-7とSEL18200LEの合計810gから、α7RIIIとSEL24105Gの合計1320gというように多少重量は増加しましたが、ミラーレスではない従来の一眼レフに比べればかなり軽くなっています。

SONYのα7RIIIとSEL24105Gの組み合わせは口コミの評判もなかなか良いものが多いのでしばらくはこれで旅行やイベントなどでの撮影を楽しみたいと思っています。

ちなみに使用しているSDカード(いずれもSanDisk製)は、SLOT1にはExtreme Pro SDXC 128GB カード UHS-II(300MB/s)、SLOT2にはExtreme Pro SDXC 128GB カード UHS-I (170MB/s)をセットしています。また予備にExtreme Pro SDXC 128GB カード UHS-II(300MB/s)を1枚携帯するようにしています。

撮影データはSLOT1にはRAWデータ、SLOT2にはJPEGデータ(エクストラファイン)を同時に記録する設定にしています。

このような準備をしておけば、RAWデータは最大2972枚、JPEGデータは最大4532枚まで撮影ができますので、1~2週間程度の撮影旅行でも十分な枚数を確保できると思っています。

最後に

カメラの進化はデジタルカメラになってから特に速くなったように思います。常にカメラの新製品発表に気をつけておく必要があると思いました。

ミラーレス一眼で本体はかなり軽量、コンパクトになったのですが、交換レンズの光学系部分がどうしてもそれなりの重さがあるので、将来これもどうにか軽量化できないものかと思います。

旅行では特にカメラが必須ですので、今後気軽に携帯できるさらに軽量、小型で高機能のカメラが出現することを期待したいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする