紫陽花(アジサイ)を見に鎌倉へ行きました

はじめに

梅雨の時期には紫陽花(アジサイ)が綺麗に開花します。今日の記事では鎌倉の長谷寺にアジサイを見に行ってきましたのでご紹介します。

アジサイは幼少の頃からよく見かけた花です。住んでいた町では幾つかの家の庭で紫陽花を植えており、梅雨時になるとあちらこちらで美しく豊かに咲いた花の姿を見かけたものです。

ところでアジサイについては幼い頃から不思議に思うことが2つありました。それは、①なぜ梅雨時という天候が悪い時期に咲くのか、②なぜ花の色が時間がたつにつれて大きく変化していくのかということです。

①なぜ梅雨時という天候が悪い時期に咲くのか

多くの花は気候がよい季節、たとえば春、夏、秋に花を咲かせます。梅雨時の雨の日は花粉を運んでくれる昆虫が外を飛び回れず、花にとっては非常に困ったことになるはずです。

アジサイは実際はこのような天候が不利であることを十分に承知で花を咲かせているのでしょうか。確かに梅雨時は他の花がとても少ないです。その少ない花の中でしっかりと存在をアッピールすることで、少ない昆虫を独占する作戦のように思えます。

日本原産であるガクアジサイを例にして花の仕組みを見てみましょう。

上の写真のように一般に花だと思われているところは実はガクが発達した装飾花です。おしべとめしべがある真花は装飾花が取り囲んでいる中心部にあり、たくさんの真花が真ん中に密集した構成になっています。

梅雨時に飛び回る昆虫が少ない中、装飾花で出来るだけ存在を目立たせて、さらに一旦とまった昆虫の体に出来るだけ多くの花粉をつけるように真花が密集しているのだということでしょうか。アジサイの素晴らしい戦略です。

②なぜ花の色が時間がたつにつれて大きく変化していくのか

アジサイは土壌が酸性かアルカリ性かによって青色になるか赤色になるかが決まるだけでなく、同じ花でも咲き始めから時間がたつにつれて色が変化(七変化)していくことはよく知られています。

これは花の老化現象だということですが、他の花ではあまり見かけない現象です。

花粉を運んでくれる昆虫にはそれぞれ見えやすい色が決まっていて、蜜や花粉を探すときに手がかりにしているそうです。アジサイは時間経過で花の色を変えることによって、より幅広く色々な昆虫を呼び寄せようとしているのではないでしょうか。

さて前置きはこのくらいにして、鎌倉の長谷寺で見たアジサイをご紹介します。

鎌倉の長谷寺のアジサイ

長谷寺は本尊が十一面観世音菩薩像で「長谷観音」の名で親しまれていて鎌倉でも有数の名勝地となっています。長谷観音は木彫仏としては日本最大級(高さ9.18m)の尊像だそうです。

観音山の裾野から中腹に広がる境内では、四季を通じて色々な花が咲き「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれ、特に梅雨時に映える40種類2500株のアジサイが毎年多くの参拝客を楽しませています。

アジサイのシーズンには境内の散策路は見物客で列を成すほどの相当な混雑になり、立ち止まってアジサイを撮影するにも容易ではない状況になります。

アジサイをゆっくり鑑賞するには、まず土曜日・日曜日・祝日を避け、平日のしかも午前中の早い時間に行くことをお勧めします。午前10~11時頃に行くと、散策路の入り口にたどり着くまでにもかなり待たされることになります。

私は午前中早めに参拝を済ませ散策路に入ったので比較的余裕を持ってアジサイの鑑賞や撮影ができました。そのときに撮った写真の一部を以下に種類と色で分類してご紹介します。

ガクアジサイ

ガクアジサイは日本原産で、これがヨーロッパなど外国で新種改良されて現在のような色々なアジサイが生まれてきたそうです。

赤・ピンク系のガクアジサイ

     

紫系のガクアジサイ

     

白系のガクアジサイ

     

アジサイ(ホンアジサイ)

一般によく見かける手まりのように丸く咲くアジサイです。外側から見るとほとんど装飾花ばかりになります。真花は奥の方に隠れているとのことです。これも綺麗な色々な色が楽しめます。

ピンク系のアジサイ

   

赤系のアジサイ

   

赤紫系のアジサイ

   

紫系のアジサイ

   

青紫系のアジサイ

   

青系のアジサイ

  

薄青系のアジサイ

  

白系のアジサイ(アナベル)

  

ウズアジサイ

これはガクの形が渦巻きのようになっている一般の家の庭ではあまり植えていない品種です。

最初に見たときは、SF映画の宇宙のどこかの星に繁殖している少し奇妙な植物という感じがしました。個人的にはあまり好みではありません。やはり艶やかで豪華なホンアジサイが最も好きです。

赤紫系のウズアジサイ

  

青紫系のウズアジサイ

  

以上種類と色で分類して掲載しましたが、これらはすべて鎌倉の長谷寺に一回だけ訪問して撮影したものです。

最後に

アジサイは種類も色もたくさんあり、一箇所の名所を訪れるだけでもバラエティ豊かな色とりどりのアジサイが十分に楽しめるとても有難いお花です。

まさに日本人にとっては気分が落ち込みがちな梅雨の季節に、自然からいただいたはなやかなプレゼントだと言えるのではないでしょうか。

最後に今回私が撮影したアジサイの風景で特に気に入っているものを3点掲載しておきます。

また機会があれば、鎌倉の長谷寺以外のアジサイの名所にもカメラを持って訪れてみたいと思っています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする