紅葉(もみじ)狩り - 京都(2)

はじめに

先月秋の京都に3泊4日で紅葉を見に行ってきました。「紅葉(もみじ)狩り - 京都」ではその様子を詳しくご紹介しています。

1日目(午後)

この記事「紅葉(もみじ)狩り - 京都(2)」では、旅程1日目に訪問した圓光寺、光明院、建仁寺、高台寺、永観堂、南禅寺の6カ所のうち1日目の午後に訪問した高台寺、永観堂、南禅寺の紅葉の様子をご紹介します。

4.高台寺

場所:京都市東山区高台寺下河原町

アクセス:京都駅からJR奈良線で「東福寺」まで行き、京阪本線に乗換えて「祇園四条」駅下車、徒歩約10分

拝観時間:午前9時~午後5時、拝観料:大人600円

臨済宗建仁寺派の鷲峰山高台寺は正式には高台寿聖禅寺といい豊臣秀吉の菩提を弔うために夫人の北政所ねねが1606年に開創したお寺だそうです。

造営当時は徳川家康の多大な財政的援助により壮麗を極めたということですが、その後の数度の火災により現在はその一部の建物(国の重要文化財に指定)しか残っていないそうです。

   

左の写真のように道路の交差点付近の少し広い場所に高台寺の石看板がありました。右の写真は高台寺境内へ入っていく小道のアプローチですが両側の紅葉がとても素敵です。

   

アプローチの階段を登って行く途中には立派な門がありました(左)。門を入ってすぐのところには方丈前庭、向こうには方丈が見えます(右)。

       

小堀遠州作による桃山時代を代表する庭園へ向かいます(左)。右の写真には観月台の上部が見えています。

   

庭園の紅葉の風景です。

      

国の史跡・名勝に指定されている石組がみごとな庭園です。

           

左の写真は臥龍池とそこにかかる臥龍廊(がりょうろう)の紅葉です。

                      

庭園の至る所で紅葉を眺めることができました。

お座敷に座って紅葉のお庭を見た素敵な風景です。事前に調べた範囲では高台寺ではこのような景色については触れられていませんでしたのでちょっとしたうれしいサプライズでした。

ここでは皆さん特にお座敷の中ほどに固まって風景を鑑賞・撮影するなどの観光客としての暗黙の「お作法?」に従っていなくて、左下の写真のように多くの人が縁先へ行ってお庭を撮影していました。

たまたま人がほとんどいなくなったところで、お寺の係りの方がほんの少しの間お座敷の縁先へ出ないようにそれとなく他の観光客を促してくれたので、うまく上のような人が入っていない写真が撮れました。

お寺の係りの方の機転に感謝です。

その時お寺の方が「やはりお座敷の中ほどに座ってお庭を鑑賞するのが位置的にベストですよ。観光客の人はどうしても縁先ぎりぎりまで行ってお庭を見たくなりますが」とおっしゃっておられました。

そもそもお寺に招かれたお客さんがお座敷の中ほどに座ってゆっくりとお庭を愛でるという姿を想像すると、お庭も建物・内装もその目線の位置から最も美しく見えるように作ってあるということは納得できると思われます。

お庭の石組と覆いかぶさるように輝くモミジの紅葉のコラボが見事です。

   

高台寺のすばらしい紅葉の景色を満喫して外に出てきたところには、右の写真のように紅葉が美しいちょっとした広場がありました。写真にはたまたまうまく綺麗な和服を召されたご婦人が休憩している姿が入りました。京都らしい風景です。

高台寺は北政所ねね様が作られただけあって、紅葉の木も細やかにあちらこちらに配置されているようでお庭や境内をめぐる中で色々な紅葉の姿を楽しめるようになっていました。

この日に訪れていた観光客もかなりの数に上り、高台寺は評判通りの紅葉のスポットでした。

5.永観堂

場所:京都市左京区永観堂町

アクセス:京都駅から地下鉄烏丸線で「烏丸御池」まで行き、地下鉄東西線に乗換えて「蹴上」駅下車、徒歩約15分

拝観時間:午前9時~午後4時、拝観料:大人1,000円

浄土宗西山禅林寺派の総本山である永観堂 禅林寺は元々は「禅林寺」として弘法大師の高弟である真紹僧都(しんじょうそうず)が863年に真言密教の寺として建立したそうです。

その後永観律師の時代に境内に施設院を立てるなど恵まれない人々のために尽くしたので「永観堂」と呼ばれるようになったとのことです。

このお寺は「もみじの永観堂」とも呼ばれ全国的に有名で、京都紅葉ランキングで常に上位にくる紅葉スポットです。周りにいた観光客の何人かが永観堂の紅葉は日本一だと話していましたが、確かに紅葉の種類の豊富さ、変化に飛んだ美しさはトップレベルだと感じます。

   

左の写真は永観堂の門です。すでに人込みで向こうが良く見えないほどです。右の写真は門を入ってすぐの場所の紅葉の風景です。皆さんいきなりここで立ち止まって写真撮影がはじまります。

   

右の写真のモミジは本当に真っ赤な色を出していました。

門を入ってすぐの所ではとても艶やかな紅葉が迎えてくれます。

       

逆光の夕日をいっぱいに浴びて神々しく見事に輝く紅葉の風景です。敷紅葉も素敵です。

   

背景に放生池が見える少し高台の場所ですが、ここはまさにモミジの森の様相です。

   

放生池の水面を背景に夕日に映える赤色やオレンジ色の紅葉です。

   

モミジの木がどこまでも続いているとても壮観な紅葉風景です。

       

お庭の奥のほうにある鐘楼の屋根と赤く輝く紅葉の景色です。

   

放生池にかかる極楽橋の上から弁天社方向を見た風景です。

放生池の極楽橋を渡ったすぐの場所から見た周辺の紅葉と水面に映る紅葉の姿が素敵です。

   

夕日に美しく輝く真っ赤なモミジです。モミジに覆われた地面の苔の様子も風情があります。

   

赤いモミジの紅葉と黄色の敷紅葉のコラボが見事です。先に黄色の紅葉がピークを迎え、少し時間がたって地面に黄色の葉を散らし、そこへ遅れて赤色の紅葉がピークを迎えたということでしょうか。

この時間の差が作り上げた素晴らしい自然の芸術に感謝です。

   

緑色のモミジと赤色のモミジが不思議な感じで共存しています。ちょとした自然のいたずらでしょうか。

   

左の写真のように地面や石はすっかり苔で覆われていて落ち着いた風情を醸し出しています。

       

紅葉のピークを少し過ぎたモミジの葉が夕日の少し弱い光の中、幻想的な紫色やピンク色を放っていました。これはこれでまた異なる趣があると思います。

永観堂ではあまりにもたくさんの紅葉の絶景スポットがあり、思わずたくさんの写真を撮ってしまいました。

ここではかなりの数の写真をご紹介しましたがこれらは当日実際に撮影した写真のごく一部です。

境内は人込みが激しくて特に絶景の場所では、多くの人が入れ代わり立ち代わり記念撮影をしていたために、人が映り込まないように紅葉を撮影するのに一苦労でした。

色とりどりの紅葉、敷紅葉、苔むした石、池、お寺の建物などどこを切り取っても絵になります。これほど沢山の人を引き付ける魅力に溢れたもみじの永観堂は何度来ても飽きることはないと思いました。

6.南禅寺

場所:京都市左京区南禅寺福地町

アクセス:京都駅から地下鉄烏丸線で「烏丸御池」まで行き、地下鉄東西線に乗換えて「蹴上」駅下車、徒歩約10分

拝観時間:午前8:40~午後5時、拝観料:大人500円(方丈庭園)

南禅寺は、臨済宗南禅寺派の大本山の寺院で、1291年(正応4)亀山法皇の離宮を賜り、無関普門(大明国師)が開山したということです。京都五山および鎌倉五山の上におかれ、日本の全ての禅寺のなかで最も高い格式をもつとされています。

   

地下鉄東西線の「蹴上」駅を降りて左の写真のトンネル「ねじりまんぽ」を通って南禅寺まで歩きました。こちらが駅からの近道になります。

   

南禅寺の門です。右の出口専用門付近の紅葉が綺麗でした。

   

背景が暗いところで一眼レフで撮影すると背景が黒くなります。真っ赤な紅葉の葉が浮き上がって見えます。

   

お庭の奥のほうにあった大きなモミジの木の紅葉です。

   

少し歩いて行くと前方に有名な南禅寺の三門(重要文化財)が見えてきます(左の写真)。これは別名「天下竜門」とも呼ばれ、上層の楼を五鳳楼と呼び日本三大門の一つだということです。あいかわらず多くの参拝客・観光客で賑わっています。

      

山門の門柱から見た紅葉の風景です。

      

南禅寺法堂の「天井の龍」(左)。禅寺ではほとんどの法堂の天井には龍が描かれているとのことです。ここでは中に入れなかったので外側の格子の隙間から天井を撮影しました。

           

      

方丈庭園の秋の風景です、

   

方丈庭園(左上)と小方丈庭園(右上)です。

小方丈庭園は別名「如心庭」とも呼ばれ昭和41年に作庭されたそうです。「心」字形に庭石を配した枯山水の石庭で落ち着いた雰囲気の禅庭園となっています。

   

上のお庭の写真は「六道庭」です。この「六道庭」は六道輪廻の戒めの庭ということです。六道輪廻は天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六つの世界を人は生まれ変わり続けるという仏教の世界観のことだそうです。

       

疏水は琵琶湖から京都市内に向けて引かれた水路です。上の写真のように赤煉瓦のアーチを思わせる古びた水道橋は現在南禅寺の観光スポットの一つになっています。

南禅寺は一年中大人気の観光地です。もちろん今回のような紅葉の季節にもたくさんの参拝客・観光客が訪れていました。

私自身は南禅寺を訪れるのは紅葉の時期を含めて3~4回目になります。いつ来ても広い境内になぜか解放感と安心感を覚えます。特にあの大きな山門がお気に入りです。

紅葉は広い境内に散らばっていますが、境内をゆっくりと散策しながら色々な紅葉を愛でるのも面白いと思います。

この記事は「紅葉(もみじ)狩り - 京都(3)」へ続きます。

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