カナダの紅葉鑑賞の旅(2)

はじめに

10月上旬に8日間の日程でカナダのメープル街道の紅葉を見に行ってきました。この記事では旅程3日目のアルゴンキン州立公園でのミニハイキング、オタワ観光、旅程4日目のローレンシャン高原での紅葉鑑賞の様子をご紹介します。

旅程3日目

ハンツビルのホテルで朝食をいただいた後、バスで1時間半ほどかけてアルゴンキン州立公園へと向かいました。バスでホテルを出た時には空は良く晴れていましたが、州立公園に近ずくにつれて残念ながらだんだんと曇り空になっていきました。

ところで、今回のツアーではメープル街道の各地に点在する紅葉スポットを訪れるのが主な目的でしたが、実はバスで道路を移動するときに車窓から見える紅葉風景もとても見事であることが分かりました。

何百キロメートルという長距離に渡って都市部を除いて多くの場所で紅葉の林が延々と続いているということに気が付いてとても驚きました。日本でも世界でも今までこのような情景は見たことはありませんでした。

道路わきの素晴らしい紅葉の風景を撮影した動画を3本掲載します。これらはホテルを出てアルゴンキン州立公園へ行くまでの間に撮影したものです。

最初の動画では太陽の明るい光に輝く紅葉が見事でした。この時はまだ空は良く晴れていました。

次の動画は、道の両側の風景が見えるように撮影したものです。両側に紅葉の林が続いていることがよく分かります。

最後の動画は、中距離の紅葉の風景や、岩と紅葉の取り合わせの素敵な風景を撮影したものです。

アルゴンキン州立公園

駐車場に着くとカナダ人のベテランの男性ガイドさんが待っていました。ここから紅葉したメープル林の中の小道を約30分かけて歩き、アルゴンキンの森を一望する展望台まで行きました。

下の写真は林の中をミニハイキングしている様子です。左側にあるような大きな岩はあちらこちらで見かけましたが、太古の昔に氷河によって運ばれてきたものだそうです。

ミニハイキングを始めてすぐのころの様子を動画に撮りましたので下に掲載します。周囲の紅葉を見ながらとてもゆっくりと歩いていきました。

綺麗に色づいた紅葉に囲まれた素敵なポイントもいくつかあり、とても素敵な散策でした。

カナダ人のガイドさんは途中でカナダ国旗、メープルの木の種類、ブナの実など色々な話をしてくれて、時々クイズを出したりして皆を楽しませてくれました。

下の写真はガイドさんが、最もポピュラーなシュガーメープルの説明に使った資料です。葉の上部には3つの部分がありますが、それぞれの間の隙間がUの字に似ているのでこれがシュガーメープルだとすぐ分かると教えてくれました。カナダ国旗の真ん中にはこのシュガーメープルの赤い葉が描かれています。

このガイドさんのそのほかの解説の一部を動画に撮りましたので下に掲載します。ちなみに言語は英語です。

下の写真はアルゴンキンの森を一望する展望台から見た風景です。遠くの水平線あたりの山々まで紅葉の風景が続いているのは見事だと思いました。

私たちがこの展望台へ到着する直前からの動画を撮りましたので下に掲載します。これを見れば岩の展望台の状況がよく分かると思います。

この場所までは子供でもお年寄りでも気軽に安全に歩いてくることができるので、このミニハイキングのコースは観光客にとても人気があるとのことです。

最後に帰り道での様子もご紹介します。この動画を気を付けてみると気が付くと思いますが、ところどころの木の幹に四角いブルーのマークがついている場面があります。これは遊歩道の道順を示していて、ブルーにしたのは紅葉する森の中でできるだけ目立つようにしているためだそうです。

今回のツアーで訪れることになっている10か所の紅葉スポットのうち、ローレンシャン高原に次いでこのアルゴンキン州立公園の紅葉を期待していました。

終始曇り空でしたが、綺麗な紅葉のメープル林の遊歩道、展望台からの広大な見事な紅葉などを楽しむことができ、また親切で明るい現地ガイドさんにも恵まれてとてもよい思い出になりました。

近くの観光施設でサンドウィッチのお弁当の昼食を食べた後、バスはカナダの首都オタワへ向けて出発しました。オタワまでは約3時間ほどかかるということで途中紅葉が綺麗な湖のほとりの施設で休憩をとりました(下の3枚の写真)。

オタワ

カナダには昔からカナダ・インディアンが暮らしていましたが、16世紀ごろからフランスとイギリスの移民が住み着くようになりました。イギリスとフランスは歴史的にあまり仲が良くなくカナダでもそれぞれの文化・風習などの違いから移民の間で抗争があったそうです。

そのような争いを止めるために、1857年にイギリスのビクトリア女王はイギリス領のトロントとフランス系移民が多く移り住んでいたモントリオールの中間地点であるオタワに首都を設けることを決めたそうです。

オタワは人口が約100万人で日本では仙台市の人口とほぼ同じです。そのため街並みはそれほど賑やかではなく地方都市のようなとても落ち着いた雰囲気に包まれていました。

下の写真は立派な国会議事堂です。

下は市の中心部にあるバイワードマーケットです。右の建物の中にたくさんの専門店が入っていました。左の赤いお店ではメープルシロップなどお土産物が他よりも安く売られていました。

ローレンシャン高原

オタワ市内の観光後、バスで今回の紅葉鑑賞ツアーの一番のハイライトであるローレンシャン高原へ向かいました。高原の中心部にあるトレンブランビレッジにあるロッジ・デ・ラ・モンターニュというホテルへ行きました(左下の写真)。右下の写真はホテルの裏口から見た様子です。

ホテルの裏口にある道路わきの紅葉が綺麗でした。

この日の夕食は近くのレストランでサーモン料理をおいしくいただきました。左からスープ、サーモン料理、たっぷりのチョコレートケーキのデザートでした。

旅程4日目

ローレンシャン高原

この日は終日、カナダのメープル街道で一番有名な紅葉スポットのローレンシャン高原を観光しました。

まず午前中は紅葉鑑賞用の展望台「ツリートップウォーク」へ行きました。

ツリートップウォーク

ツリートップウォークは2022年7月にできた新しいアトラクションで、雄大なローレンシャン高原の紅葉が一望できるということで人気の場所になっているようです。

下はツリートップウォークの入り口にあるセンターの建物です。ここから入って行きます。当日は午前中は曇りというお天気でしたが、雨の心配はなくそこそこに綺麗な紅葉を十分に満喫することができました。

左下はこの建物のテラスからアプローチ付近を眺めた風景です。向こうの山が一面綺麗に紅葉に染まっているのが分かります。右下はこの建物の裏側から出るとすぐにある渡り廊下のような歩道です。この歩道の先に見えている5階建ての塔をエレベータで上がるとツリートップウォークの木道に行けます。この木道の長さは約1kmあります。

下はツリートップウォークの木道を歩いていく様子です。高い位置に作られた立派な木道です。すでに美しい紅葉が周りに見えています。

下の写真は木道の途中から直角に交差する下の小道を見下ろした風景です。この小道は恐らくツリートップウォークができる前まで、人気の紅葉鑑賞の遊歩道になっていたものと思われます。

木道を歩いていくときに見える風景を撮影した動画を掲載します。

木道の一角にリスの遊び場が造られていました。リスが来ているときには多くの人が立ち止まってリスを見ていました。とても大自然に配慮した施設になっていると思います。

向こう側に見えてきた塔は高さ約40mのスパイラル展望タワーです。

展望タワーの頂上に登るには、階段やエレベーターではなく、下の写真のように傾斜約6%の緩い坂を歩いて登ります。ここはベビーカーや車椅子、小さな子供からお年寄りまで楽に安全に登れるようになっています。また常に周囲が見渡せるようになっていますので、色々な方角、高さから周りの紅葉が楽しめます。

展望台を上っている途中に見た紅葉の景色の写真を5枚掲載します。近くの紅葉の林と遠くの山々の紅葉の美しさの競演です。

スパイラル展望タワーを登って行くときに見える風景を撮影した動画を下に掲載します。

下の11枚の写真は展望台の頂上から360度の色々な方向を眺めた雄大で見事な紅葉の風景の数々です。それぞれの風景がそれなりの独特の美しさを放っているので敢えてすべて大サイズで掲載しました。紅葉、黄葉に染まる木々の色は緑色、黄色、オレンジ色、赤色と彩豊かでまさに「野山の錦」の様相を呈していました。長時間見ていても見飽きない美しさです。

展望タワーの頂上から360度のパノラマを眺望した動画を掲載します。

最後にタワーを下って帰るときに眺望した風景の動画を掲載します。

スパイラル展望タワーはとても良いアイデアの施設だと思いました。雄大な広範囲の紅葉をまるでドローンで撮影するときのような高度から見渡すことができました。さらに、スパイラルの構造のために地上の低い位置から高い位置までの色々な高さから、しかも360度の範囲で紅葉の絶景を楽しむことができました。このような360度の紅葉の雄大な美しい景色は見たことがなかったのでとても感動しました。

ちなみにツアーグループの皆さん全員がこの紅葉の見事さに感動し、写真撮影などで夢中になり時間を忘れたのか、麓のツリートップウォークのセンターの集合場所にかなり遅れて戻ってきました。

展望タワーを後にして一度ホテルのあるトレンブランビレッジまで戻り、昼食をとった後に次は午後の観光へ出かけました。このツアーでは午後はフリータイムでした。

小さなトラブル

まずモン・トランブラン湖のクルーズ船に乗って湖から山々の紅葉を眺める予定でした。チケットは日本であらかじめ購入していました。クルーズ船の乗り場がホテルから約2kmほど離れていたのでホテルの受付でタクシーを呼んでもらいました。

最初は約10分で来ると言われたのになかなか来ず、途中何度かタクシー会社に督促してもらいましたが「もうすぐ到着するはずです」と言われるばかりで結局45分待っても来ることはありませんでした。その結果クルーズ船の出航時間に間に合わなくなってしまいこのクルーズは諦めました。

過去数十年今まで海外でホテルからタクシーを呼んでもらったことは数えきれないほどありますが、結局来なかったというようなトラブルは一度もありませんでした。トレンブランビレッジはとても小さな街なのでタクシーを使う人はめったにいないということが災いしたのではないかと考えています。

そのようなわけで湖のクルーズは諦めて、紅葉で有名なモン・トランブランという山の頂上までゴンドラで登ることにしました。

モン・トランブラン観光

標高が875mのトランブラン山は山全体が紅葉に染まることから以前からローレンシャン高原の紅葉鑑賞の中心地でした。その山の頂上へはトレンブランビレッジから有料のゴンドラが出ていて途中の両側に広がる紅葉の絶景も楽しむことができます。

当日は午後から残念ながら天気が下り坂でゴンドラに乗るころには小雨が降り出して来てしまいました。それでも近くの紅葉は何とか見ることができるだろうと期待してゴンドラに乗り込みました。

左下がゴンドラの乗り場です。チケットは往復で1人4000円程度だったと記憶しています。右下はその乗り場付近からゴンドラが登って行く方向を撮影したものです。ここでも紅葉が綺麗に色づいています。

 

下の2枚の写真はゴンドラの中から撮影した風景です。下の方に見える湖はモン・トランブラン湖です。

下はトランブラン山の頂上から眺望した風景です。街は雨でしたが、この頂上では気温がさらに下がり霙や小雪が降っていました。

下の4枚の写真は山の頂上から色々な方角を眺めて撮影した紅葉風景です。

 

お天気が良ければ広大な見渡す限りの山々の紅葉がもっと鮮やかになり綺麗に見えたはずです。

悪天候のため画像の品質が良くないですが、このゴンドラの登りと下りの様子をゴンドラの窓から撮影しましたので下に掲載します。近くの紅葉はとても綺麗に見えていました。

まずゴンドラの登りの風景です。

次はゴンドラの下りの風景です。かなり雨が降ってきていました。

トレンブランビレッジ

トランブラン山のゴンドラを楽しんだ後は、トレンブランビレッジの街を散策しました。

下の2枚の写真はビレッジ内の風景です。小雨交じりのお天気だったので観光客はお店にこもっていたのか道路はあまり混んでいませんでした。このビレッジは特に冬のスキーで有名なリゾートタウンで、建物はみなとてもメルヘンチックな造り、色合いになっていました。

この街は丘の中腹に造られているようで、上の写真でも分かるように街全体が坂になっていました。そのためだと思いますが、街の中心部を縦断して坂の下から上の方を結ぶ無料のゴンドラが運行していました。下の写真はその無料ゴンドラの乗り場です。このゴンドラは無料ということや街を空から見渡せることもあり、常に観光客で混んでいました。

下の写真はゴンドラに乗ってトランブラン山方面を撮影したものです。なおゴンドラ内は狭い空間で椅子はなく立ったまま乗車します。可愛い街並みや紅葉の風景を見ることができてとても爽快なので、上りと下りで2回このゴンドラを楽しみました。

このゴンドラに乗ってそこから撮影した動画を下に掲載します。動画で見ると楽しさが伝わると思います。

この日の夕食は、添乗員さんに教えてもらった街の中にある本格的なイタリア料理店へ行きました。

なおここのトレンブランビレッジには2泊しましたが、宿泊ホテルでは朝食が食べられずに約10分ほどのところにあるレストランへ歩いて行かなければなりませんでした。このような面倒なことは団体ツアーでは初めての経験でした。できればやはり朝はホテル内でゆっくりと過ごしたいものです。

今回の紅葉鑑賞ツアーでは、この旅程3日目のアルゴンキン州立公園と4日目のローレンシャン高原の紅葉鑑賞を2つの目玉として期待していましたが、アルゴンキン州立公園では曇り、ローレンシャン高原では午前中は曇り、午後は小雨となりました。

ただし曇り空の中でもこれら2か所で運よく紅葉のほぼピーク時に当たり、太陽の光の強さが少し足りませんでしたがそれなりの見事な紅葉が楽しめたのでカナダまで来てとても良かったと感じています。

これで旅程4日目の観光はすべて終了です。

この旅行記は「カナダの紅葉鑑賞の旅(3)」へ続きます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする