はじめに
10月上旬に8日間の日程でカナダのメープル街道の紅葉を見に行ってきました。この記事では旅程5日目のトロワリビエール、ケベック、旅程6日目のイースタンタウンシップス、モントリオールでの紅葉鑑賞・観光、および日本への帰国の様子をご紹介します。
旅程5日目
トレンブランビレッジのホテルを朝バスで出発し、約3時間かけてトロワリビエールへ行きました。
道中バスの窓からはまた綺麗な紅葉を見ることができましたので動画でご紹介します。
トロワリビエール
トロワリビエールはモントリオールとケベックのほぼ中間のセントローレンス川とメープル街道沿いにあり、歴史的建造物や文化的施設などが見どころの人口十数万人の小さな街です。
バスが街の中に入ると両側にはとても素敵な住宅が見えてきて、美しく紅葉した木々、緑の芝生、そして紅葉の落ち葉がとても素敵でした。この様子を撮影した動画を掲載します。
このツアーではここでは市内観光はしないで、名物の「メープル料理」が食べられるというレストランへ行きました。このレストランにはメープルシロップを作る施設が併設されていて、昼食前にメープルシロップの作り方の説明やナイアガラで1度体験したメープルタフィーの試食もありました。
下の3枚の写真がそのメープルシロップを作る施設の風景です。美しい紅葉に囲まれたメルヘンチックな赤い小屋でおとぎ話に出てくるような素敵な雰囲気でした。
この赤い小屋の中にはメープルシロップを煮詰めて作る装置が置かれていて、係の人が樹液を40分の1くらいに煮詰めてシロップを作ることなどを説明してくれました。
ここで再びメープルタフィーを試食しました(下の写真)。カナダではどこでもおなじみのおやつになっているようです。また余談ですが、この写真に写っている係の男性が着ている赤のチェック模様のシャツですが、カナダの今回の旅で街角や洋服屋さんでよく見かけた柄です。市民の間で人気の柄なのでしょうか。
下の写真はレストランで名物のメープル料理を食べている様子です。この時は私たち以外は皆中国人の観光客のようでした。有名な場所らしくお昼時はとても混んでいました。またレストランの一角では大音量でライブ演奏も行われていました。
下がメープル料理ということで、左からスープ、メイン(肉詰めパイ、卵焼き、ハム等)、デザートのパンケーキです。パンケーキにはもちろんメープルシロップをたっぷりかけていただきました。他の料理には多分隠し味としてメープルシロップが使われていたものと思われます。メープル風味のこれらの料理はなかなか美味でした。
昼食後、レストランの周辺の紅葉をゆっくりと見て、バスで次にケベックシティへ向かいました。
ケベックに向かう途中にバスの窓から見える紅葉の林を撮影しましたので掲載します。動画を見て分かるようにメープル街道には延々と紅葉の林が続いています。この地区では中央分離帯の木々も紅葉していました。
世界遺産ケベックシティ旧市街
カナダの東部にあるケベック州の州都であるケベックシティは、約400年前から残る建物や雄大なセントローレンス川などで有名な風光明媚な街です。公用語がフランス語でフランスの文化・芸術が残り、北米で唯一壁に囲まれた緑豊かな城塞都市です。
左下はとても立派なケベック州議事堂です。右下はその正面に飾られているジャックカルティエの名前と彫像です。
ジャックカルティエは、フランス国王フランソワ1世の命により1534年にヨーロッパ人として初めてセントローレンス川に到達したフランスの航海士です。中南米を植民地化したスペインに対抗しアメリカ大陸北部に植民地を築くことが目的だったそうです。セントローレンス川を探検中に出会った先住民に場所の名前を尋ねたところ、集落を意味する「カナッタ」と教えられそれがもとでここを「カナダ」としたそうです。
左下は旧市街の街並みで、右下はケベックシティで最初に建てられた民家だそうです。現在はレストランとして使われているようです。
下の写真はケベックシティで街のシンボル的な存在となっている有名なホテル「シャトーフロンテナック」です。手前の公園の木々は黄葉にはまだ少し早かったようです。
実は三十数年前に観光でケベックシティを初めて訪れた時に、このホテルに是非宿泊したいと思い予約を頑張ったのですが、あまりにも人気が高く結局宿泊できなかったホテルです。当時はホテルのロビーだけ見学したのを覚えています。
上の写真を撮影した公園の周りの様子を動画に収めました。
下はノートルダム大聖堂です。写真を見てすぐに分かるように、塔が左右非対称のちょっと気の毒な姿になってしまっています。この場所は地盤沈下があり、傷んだ左側の塔を再建するときに元の姿では重さに耐えきれないという判断でこのようになったと言われています。
下の写真は旧市街で最も有名な壁画です。巨大な壁のキャンパスに6人の画家が3年半かけて描いた大作(だまし絵)だそうです。道路が向こう側にまで伸びているように見えます。建物の窓から覗いている人物は歴史上の著名人ということです。
下の写真はロワイヤル広場にある勝利のノートルダム教会です。1690年と1711年のイギリス軍の侵攻に対するフランス軍の勝利を記念して名付けられた北アメリカ最古の石造教会の一つだそうです。セントローレンス川を上ってくるイギリス軍が戦闘前に嵐で多大な損害を被って退散していったということもあったようです。写真に写っている人物と比べて分かるように小さくて可愛い教会です。
このロワイヤル広場の様子を動画でご紹介します。この広場でもハローウィンの準備が行われていてたくさんのオレンジ色のカボチャが並べられていました。
下の写真は北米最古の商店街「プチシャンプラン」の様子です。距離は短いですが多くの個性的なお洒落なお店が並んでいました。ガイドさんのお勧めでヤギの乳を使ったアイスクリームのお店に行って試食させてもらいました。臭みなど全くなくクリーミーで美味しくいただきました。このお店ではその他ヤギの乳を使った石鹸がよく売れているようです。
また別の通りにも見事な壁画がありました(下の写真)。
街のちょっとした広場ではすでにハローウィンの飾りつけが準備されていました。ケベックでは盛大にハローウィンのお祝いをするそうです。
トレゾール通りという路地を散策しましたので動画を掲載します。ここは昔大学の美術専攻の学生が自分の絵画を売りに出したことが始まりで多くの画家の絵の展示即売の場所として有名になったそうです。
ケベックシティを観光した後夕方に本日の宿泊ホテル「トラベロッジ・ケベック」へ行きました。
この日の夕食は近くのレストランでビーフ料理をいただきました。
旅程6日目
朝ホテルをバスで出発して約2時間45分かけてイースタンタウンシップスへ行きました。
道中の紅葉が綺麗でしたのでまたバスの窓から動画を2本撮影しました。
最初の動画はバスの右側の窓から撮影した紅葉風景です。
次の動画はバスの左側の窓から撮影した紅葉風景です。
イースタンタウンシップスは、ケベック州の南部に広がる丘陵地帯にあり、高原と湖の風景が美しい高級別荘地です。アメリカとの国境に面していることもあり、カナダ人に限らずアメリカ人も多くの別荘を構えているそうです。18世紀のアメリカ独立戦争時にイギリス系の王党派の人々がこの地に住みつき、後にフランスの影響を受けて英仏両国の文化が融合した独特な雰囲気を持つ街です。
サンブノワデュラック修道院
この修道院はイースタンタウンシップスを代表する建物で最大の見どころになっています。美しい紅葉の林に囲まれた絵になるお洒落な姿が印象的です。
左下は修道院の祭壇を見渡した風景です。右下は綺麗な独特のタイル張りの廊下、壁、天井です。地下には売店があって地元の名産品などを販売しておりとても好評だそうです。
修道院前の広場の風景です(下の写真)。緑の芝生と紅葉が綺麗です。
修道院の中庭の景色です(下の写真)。樹木や芝生などがとても綺麗に手入れされ整えられています。
この修道院のすぐそばに小高い丘があり公園になっていました。下の5枚の写真はそこの紅葉風景です。
木洩れ日がとても素敵な雰囲気を醸し出しています。ゆったりと散策していると心静かな心境になります。
サンブノワデュラック修道院の見学とその周辺の散策を終えて、バスで次はこのツアー最後の観光地であるモントリオールへと向かいました。
モントリオールに着いたところで昼食となり、有名老舗チェーン店のレストランDunn’s Famousへ立ち寄りました。
食べたのは大人気のスモーク・ミート・サンドウイッチのセットです(下の写真)。右側の赤いスモークミートのサンドウイッチはミートが匂いも良く味もとても美味しい料理です。実際にはかなりの分量で半分くらいまでは余裕で食べられますが、残り半分はさすがに少し努力が必要でした。左下の大きなピクルスと一緒に完食しましたが、やはりあとで軽い胸やけを起こしました。日本人には三分のニか半分程度で十分だと思いました。
モントリオール
モントリオールはカナダでトロントに次ぐ第二の都市で人口は約212万人です。1642年からフランス人の入植が始まり1760年にイギリスに占領されるまではフランス領土でした。現在でもフランス系カナダ人が多く住んでいて住民の約70%がフランス語を第一言語としています。
ノートルダム大聖堂
最初に有名なノートルダム大聖堂を訪れました(下の写真)。外から見て人の大きさと比べると巨大な建物であることが分かります。この大聖堂は、1672年にカトリック教会の聖スピルス会によって当初小さな教会として建設されました。その後街の発展に伴って改築され、1843年までに二つの塔が完成し北米最大規模を誇る教会となったそうです。
下の写真は大聖堂の内部の様子です。祭壇の上の部分がライトブルーの美しい照明で輝いているのが特徴的です。内部の彫刻なども素晴らしく、ヨーロッパの有名な大聖堂に勝るとも劣らない豪華な造りに驚かされました。
祭壇とは反対側に巨大なパイプオルガンが設置されていました。これは世界最大級のパイプオルガンで19世紀末に設置されたそうです。パイプの数が何と約6000本もあり、最長のパイプは10mにも及ぶということです。
ステンドグラスにはよくある宗教画ではなく、例えば左下の写真のように開拓者メゾネーヴが十字架を背負ってモンローヤル山を登る姿などが描かれています。右下は祭壇に向かって左側に設置されたとても立派な説教台です。
旧市街の散策
街を散策しているとまるでヨーロッパの街にいるような錯覚を覚えます。道路の石畳はとても歩きやすいです。
モントリオール市庁舎前の広場の木々がかなり紅葉していました(下の写真)。
左下はオールドポートに2017年9月にオープンした高さ60mのカナダで一番高い観覧車です。周囲の木々が赤く綺麗に紅葉していました。右下はオールドポートのお店が並んだ一角です。
モントリオール旧市街を散策した後、今日宿泊するホテル「ロイヤル・バーサイル・ホテル」へ行きました(左下の写真)。右下は夕食でいただいたロブスターです。大きめのロブスター一匹でしたが、ビニールの手袋をして手でさばいて食べる必要があり、少し悪戦苦闘することになりましたが味はとても美味でした。
旅程7日目
この日はカナダでの最後の日で日本への帰国日でした。朝ホテルを出発してそのままモントリオール空港へと向かいました。
お昼ごろ発のエア・カナダの直行便で成田空港まで戻ってきました。
おわりに
今回のツアーでは6泊8日の日程でカナダのメープル街道の紅葉を見に行ってきました。紅葉鑑賞の名所は全部で10か所設定されていました。①ナイアガラ、②ナイアガラ・オン・ザ・レイク、③アルゴンキン州立公園、④オタワ、⑤ローレンシャン高原のツリートップウォーク、⑥ローレンシャン高原、⑦トロワリビエール、⑧ケベック、⑨イースタンタウンシップス、⑩モントリオールの10か所です。
これらのうち、「紅葉鑑賞をする!」ための行動をとったのは、③アルゴンキン州立公園、⑤ローレンシャン高原のツリートップウォーク、⑥ローレンシャン高原の3か所だけでした。
あとの名所では「紅葉とは特に関係ない」一般的な内容の観光ツアーでした。一般的な観光をする中で公園などでたまたま紅葉を目にすることがあるという状況でした。どうしても紅葉を鑑賞したい場合は、その一般的な観光の時の30~60分くらいのフリータイムに自分で紅葉を探して鑑賞する必要がありました。
このように今回参加した団体ツアーでは、紅葉鑑賞ツアーでありながら、紅葉鑑賞と一般の観光が組み合わされていることに気が付きました。それには大きな理由があると思います。
この旅行記の最初で書いたように、ツアーの日程が「紅葉のピーク時でかつ好天気」に重なるとは限りません。むしろ外れてしまう可能性の方が高いと考えます。その場合、せっかくカナダまで来たので、最悪紅葉が満足に見れない場合でも、せめて一般的な観光が楽しめるというような配慮を催行旅行会社がしているのだと思います。
すでに書いたように今回は、③アルゴンキン州立公園と⑤ローレンシャン高原のツリートップウォークでは曇り空ではありましたが、とても綺麗で見事な紅葉が楽しめたと満足しています。それからこの旅行記に写真を掲載したように⑦トロワリビエールと⑨イースタンタウンシップスでは、思いがけず周辺で好天気のもと美しい爽やかな紅葉が見られました。
それから実に予想外でしたが、色々な場所を移動中にバスの窓から延々と続く素敵な紅葉林を見ることができたのには感動しました。この旅行記ではその中のほんの一部の区間の紅葉を動画でたっぷりとご紹介しました。
日本の主に、一枚一枚の葉が良く見える近距離・中距離から見て楽しむ繊細な?紅葉風景とは異なり、カナダの見渡す限りの雄大な紅葉風景(遠景)というまた違った美しさを体験できたのは大きな収穫だったと思います。