旅程2日目(続き)
午後から夕方までシドニー市内の観光をしましたが、ミセス・マッコーリーズ・ポイントやオペラハウスなどシドニー湾に近い多くの観光地はカウントダウン花火の見学会場としての準備でアクセスがとても限られたものになりました。湾に面した有名ホテルもロビーへの立ち入りが禁止されていました。
一方、この大晦日という特別の日に普段は見られないとても賑やかで活気のあるシドニー市内の光景を見ることができました。特にトラムに乗って見える街並みはとてもエレガントで道を行き交う人たちもどこか楽しそうで素敵に見えました。
カウントダウン花火の鑑賞
今まで家族で年末年始に世界各地でカウントダウン花火を楽しんできました。以前記事で書いたように、「花火をどこから見るか」が最重要の課題になります。むやみに地上の見学場所に出向くと、大変な人込みに巻き込まれ昼間の早い時間帯から十数時間もの間そこで花火を待つ事態になります。
飲み物は準備できてもトイレは大問題で仮設トイレがあったとしても人込みの中を出入りするのは物理的に容易なことではなく、結局大人のオムツを準備する羽目になります。
また花火が終わったあとも大変な数の人が一斉に移動を始めるので、道路は極端に混雑して、公共の乗り物に乗るのも大変な時間がかかると思います。
そこで家族で花火を見るときは、香港、台北、シンガポール、ハワイの全ての場所でホテルの屋上か部屋のバルコニーから見るようにしました。やはり場所取りの必要がないプライベートな空間であるバルコニーからの鑑賞がベストです。またバルコニーでは花火の音だけでなく周辺に集まった人たちの歓声もよく聞こえ、カウントダウンを盛り上げてくれます。
さて今回のシドニー湾のカウントダウン花火は約1年前に検討し直ちに必要な予約をしました。1年前の時点でもシドニー湾の花火が良く見えるであろうホテルは残念ながらすでに部屋が満杯でした。そこでホテルは諦めてシドニー湾にたくさん繰り出すという花火鑑賞クルーズ船に狙いを定めました。
色々とWEBで調べたところ、キャプテンクック・クルーズ社のクルーズ船が有名だということでその会社のフラッグシップのスーパークルーズ船であるシドニー2000号に乗ることにしました(下の写真ーキャプテンクック社HPより)。当日シドニー湾に繰り出したたくさんのクルーズ船の中で最大規模の船でした。お客様を最大700名収容できるそうです。
カウントダウン花火ディナークルーズでは、この船の3つのフロアにお客様を収容しました。海に近い方から、1階のオーシャン・デッキ、2階のクラブ・デッキ、そして最上階3階のスカイ・デッキでしたが、私たちは最上階のスカイ・デッキの窓側のテーブルを予約しました。
スカイ・デッキに決めた理由は、上の写真で分かるように、360度見渡せる船の屋上デッキ(スター・デッキ)に行って花火を見学できる、他のお客さんのテーブルとの間隔が離れていてゆったりしている、またディナーコース料理が6コースもあり色々な料理が楽しめるからです。
このクルーズ船はとても人気があるようで早いうちに満席になってしまいます。席を予約するにはいくつかの現地ツアー会社など仲介業者を通して予約できますが、ホームページに予約申し込みが公開されるのが6か月前あたりになってしまうようで、運が悪ければ希望の席を確保することが難しくなります。
私たちは約1年前の早い段階で希望の席を確実に予約したいと思い、キャプテンクック・クルーズ社のホームページから直接予約をしました。ご参考のために下にそのURLを載せておきます。
New Years Eve Sydney Cruise 2025 | Captain Cook Cruises Sydney Harbour
ここはすでに2025年大晦日のカウントダウン花火クルーズの内容に変わっています。
WEBの口コミでもこのクルーズ船に乗って花火を鑑賞したという書き込みがいくつか見られますのでご興味のある方は検索してみてください。
シドニー市内のホテルの予約
カウントダウン花火をホテルのバルコニーからではなくクルーズ船から見ることにしたので次はホテルから船着き場へのアクセスが問題となります。船着き場へ行くときはそうでもないと思いますが、花火が終わった後船着き場からホテルまで帰るのが混雑のために大変困難になってしまうということです。
そこで船着き場のすぐそばで、容易に歩いて帰れるホテルを予約することにしました。このクルーズ船は Darling Harbour King Street Wharf No.1で発着でしたので、Adina Apartment Hotel Sydney Darling Harbour を予約しました。このホテルは予約時点で空いていた最も距離が近いホテルでした。実際ダーリングハーバーの海沿いのメイン通りを歩いて5~6分の距離にあり当日はあっという間にホテルまで戻ることができました。
クルーズ船への乗り込み
クルーズ船は夜7:30分に出航するので7:00時までに港に集合ということでした。当日ダーリングハーバーは各社のたくさんのクルーズ船が乗客を待って停泊しており、メイン通りはとても賑やかな人込みになっていました。到着早々に船に乗り込んで3階のスカイ・デッキへと行きました。入り口には下の写真のような歓迎の看板がありました。
部屋の中には全体で約100名ほどが収容できるたくさんのテーブルがセットされていました。係の人に予約していたテーブルに案内されました(下の写真)。
下は、テーブルの上に置かれていたディナーのメニュを拡大した写真です。このスカイ・デッキでは下のようにたっぷりと6コースもありました。
下の写真はシーフードの盛り付けになっているアントレです。
下の写真はメイン料理で出たビーフステーキとその上に乗せられたエビです。
カウントダウン花火が始まるまでの間このような料理をゆっくりと味わいました。味はデザートも含めて予想以上にとても美味でした。
コースがデザートあたりまで進んだところで、係の人が屋上のスター・デッキに入場するのに必要なリストバンドを持ってきてくれました。実際に入り口で係の人にリストバンドをチェックされます。
早速スター・デッキに行って夕暮れ迫るシドニー湾の様子を撮影しました。下の2枚の写真の手前に写っている人たちはこのクルーズ船の下の階に乗船した人たちです。
下の2枚の写真はハーバーブリッジとオペラハウスの様子です。どちらも麓の花火見学会場にはたくさんの見物客が陣取っています。
このころスター・デッキで周囲の風景を撮影した動画を下に掲載します。
乗船したお客さんは特に女性はお洒落にドレスアップしている人も多く見受けられました。
あたりが暗くなるとどこからともなくクルーズ船がたくさん湾の中に集まって来て、そのうちに船のイルミネーションを照らしながら全船が湾の中を隊列を組んでゆっくりとおおきく周回し始めました。
ファミリー花火と港や船のライトアップ
夜の9時頃にはまずファミリー向け(お子様向け)の花火が打ち上げられました(下の写真)。
そのころになると街、オペラハウス、ハーバーブリッジ、クルーズ船など港の周辺がとても綺麗にライトアップされました。
左下の写真の右側ではハーバーブリッジの塔にカラフルな映像がプロジェクションマッピングされているのが分かります。
映画の1シーンのように素敵にライトアップされたオペラハウスです。
そしていよいよ2024年の終わりが近づいてきたとき、湾内を一列で周回していた多くのクルーズ船が一斉に止まりました。
実は私たちが乗っているクルーズ船からの景色ですが、花火の中心となるハーバーブリッジが右舷と左舷のどちらから見えるのかはその時々で船長が判断して船の向きを決めるということになっていました。そのために私たち家族は、あらかじめ右舷と左舷の2手に分かれて待機することにしました。
ちなみにキャプテンクルーズ社専属のカメラマンが船内でお客さんなどの写真を撮って回っていたので、「今日はハーバーブリッジの花火は船の左舷、右舷のどちらからが良く見えると思いますか?」と聞いたところ「きっと左舷だと思います」と答えてくれましたが、残念ながら実際には右舷の方でした。
船の向きがほぼ決まる前にはスター・デッキの真ん中に柵が設けられて乗客の右舷・左舷の移動が禁止されてしまいました。これは乗客が一方の側に集まると船のバランスが崩れて危険になるからだということです。
ともあれ、2手に分かれて待機していたので家族の1人はベストな位置(他人の頭がまったく視界に入らない最前列の位置)でカウントダウン花火を鑑賞することができました。
カウントダウン花火
新年が明ける直前からカウントダウンが始まり、いよいよお待ちかねのカウントダウン花火が上がり始めました。
下の写真はカウントダウン花火の終盤の滝のようなハーバーブリッジの仕掛け花火の様子です。
カウントダウン花火が上がっている間は船上の人たちの歓声が途切れることはありませんでした。
シドニー湾周辺の7か所くらいから花火が打ち上げられるそうですが、船上から見たところ、船のすぐ左側、その少し向こう側、オペラハウス付近、そしてハーバーブリッジ方面の4か所の花火が大きく目立っていました。これらの花火は見事にシンクロしていて、約10分間途切れることなく連続して打ち上げられとても迫力がありました。特にすぐ左側で上がる花火の音がすさまじくお腹に心地よく響いていました。
当日は写真よりも動画を中心に撮影しました。以下に花火の動画をたっぷりと掲載します。
最初の動画は夜9時からのファミリー花火です。
次の4本の動画は本番のカウントダウン花火です。船の手すり付近の人垣の後ろからの撮影です。最初の1本はiPhone 13 miniで撮ったもので、残りの3本はSONYのミラーレス一眼レフカメラα7RIIIで撮ったものです。1本目の最初の部分でちょっとしたトラブルのため画面が大きく揺れますがご容赦ください。
映像はiPhoneで撮ったものの方が一眼レフより見かけの品質が良かったようです。花火が炸裂する最初の強い光の処理や手振れ防止に差が出てしまいました。
下の6本の動画はベストな位置から別のスマホで撮影したものです。
終盤のハーバーブリッジの滝のような仕掛け花火です。
そして最後のクライマックスの花火です。
花火鑑賞が終わった後、また客室のテーブルに戻って約1時間ほどデザートなどをゆっくりと楽しみました。
クルーズ船の上で新年を迎えるという非日常の貴重な体験をすることができて家族は皆満足でした。
フロアでは生演奏と女性ボーカルの歌が相変わらず続いていましたが、ホイットニー・ヒューストンの I Will Always Love You や Killing Softly With His Song など世界的にヒットした歌をたくさん歌ってくれました。世界中から訪れたお客さんを意識したものだと思われます。
カウントダウン花火の興奮の余韻を十分に楽しんだ後、クルーズ船は出発したダーリングハーバーの港へゆっくりと帰ってきました。
下は下船直後に乗った船の後ろ姿を写した写真です。白い船体にブルーのイルミネーションが素敵です。
下は海沿いのメイン通りを歩いて帰るときに撮影した港の様子です。深夜1時30分頃ですが花火鑑賞帰りなどの観光客でごった返していました。
深夜ホテルへ戻り、明日からの観光に備えて早めにベットに入りました。
最近のスマホのカメラの進化
ところで先ほど書いたように、最近のスマホのカメラの性能が格段に良くなってきているのを痛感しています。
以前このブログで紹介した「イエローナイフのオーロラ鑑賞の旅」の中で述べたように、オーロラを撮影するために一眼レフカメラではなく、スマホだけを持参してきた人もたくさん見かけました。現地でスマホで撮影したオーロラの動画を見せてもらいましたが、高価な一眼レフで撮ったものと見劣りしない綺麗な動画が撮れていたのには実際とても驚きました。
昔から海外旅行などの折には、特にカメラに興味がある人たちは、自慢の一眼レフカメラを持参して綺麗な写真をたくさん撮ることがごく普通でした。ところが最近の海外旅行団体ツアーでは一眼レフを持ってくる人の数がとても減ったように感じています。
スマホのカメラで十分であれば、とても重たくて荷物としてかさばる一眼レフカメラを苦労して持ちまわる必要がなくなってしまいます。最近ではWEBでも旅行には一眼レフはいらないという意見を見かけるようになってきました。
個人的にもスマホのカメラの進化には極めて高い関心があり、ここしばらくはスマホと一眼レフカメラの両方を使いながら比べていきたいと思っています。
そのようなこともありスマホを買い替えることにしました。いままで使っていたiPhone 13 miniはサイズ、重さ、性能にとても満足して愛用してきましたが、iPhoneは残念ながらminiの製造・販売を13の後やめてしまいました。そこでその後継機種としてiPhoneシリーズ最新のiPhone 16 Pro(512GB)を購入しました。iPhone 16 Proは特にカメラの性能(高画質、高音質、超広角、光学5倍ズーム、4Kの120fpsなどが可能)が各段に良くなっているということで、今後の活用を楽しみにしています。
この旅行記は「年末年始に家族でオーストラリア旅行(3)」へ続きます。