南イタリア観光旅行(1)

はじめに

世界遺産の数が59件(2024年)で世界ナンバーワンのイタリアは人気の観光大国で見どころが多く毎年世界中から多くの観光客が来ています。

三十数年前にヨーロッパを中心に観光で回っていた頃に2回ほどイタリアへ行きました。当時はローマ、バチカン市国、ミラノ、ベネチア、フィレンツェ、シエナ、ピサ、ベローナなどイタリアの北部から中部への旅行が中心でした。昨年は北イタリアの世界遺産ドロミテを訪れて今回で4回目のイタリア訪問になります。

イタリア南部のナポリを中心とした地域もかなり前から気になっていた観光地でした。南部ということで気候も暖かく、紺碧の海など風光明媚な魅力的な場所も多く、年齢を重ねてからゆっくりと訪れようと思っていましたが今回その機会を得ることができました。

南イタリア観光旅行

今回は南イタリアで是非訪れたいとかねがね思っていたいくつかの場所に行く団体ツアーを見つけたのでそれに参加することにしました。5月上旬出発の9日間の日程で、参加者の数も十数名という行動しやすいグループのツアーでした。

観光で訪れた主な場所は、アマルフィ海岸(エメラルドの洞窟を含む)、ポンペイ遺跡、アルベロベッロ、マテーラ、カステルデルモンテ、ナポリ、カプリ島(青の洞窟とソラーロ山など)です。

最近特に人気を博している「青の洞窟」とそれほど注目されていない「エメラルドの洞窟」の両方を見学し比較できるのも楽しみの一つでした。観光初日は薄曇りでしたがその後は連日とてもよいお天気に恵まれ、美しい紺碧の海やイタリア料理も十分に堪能することができました。

まず成田空港からドバイを経由してローマ空港に行きポンペイで2泊しました。その後アルベロベッロに2泊し、最後はナポリに2泊して、ローマ空港へ戻りドバイを経由して成田空港へ帰ってきました。連泊が多いうれしい日程になっていました。

下の地図(Google Map)は全体の主な行程を示しています。青い線は航空機、オレンジ色の線は観光バス、紫色の線は船での移動を表しています。最近人気のカプリ島へはナポリから船で行きました。

カメラは、SONYのミラーレス一眼レフカメラα7RIII(重量:657g、大きさ:126.9x95.6x73.7mm、画素数:約4240万画素、イメージセンサー:フルサイズ)とSONYのズームレンズSEL24105G(24-105mm F4 約663g)を持参しました。持参するのはズームレンズ1本で済むので動き回る旅行には最適なセットだと思っています。

SDカードは128GBのものを4枚用意し最多約4,500枚のRAWデータおよびJPEGデータを同時に撮影できるようにしていましたが、結局今回は530枚程度しか撮影しませんでした。

スマホのカメラはレストラン、ホテル、食事などを写すための補助用カメラとして使っていますが、動画の撮影にも多いに活用しました。現在のスマホはiphone 13 miniで一般のテレビより高精細でしかもはるかに滑らかな60fps(1秒間に60フレーム)の4K動画が撮影できます。

このブログでは4Kの60fpsで撮影した動画を約25本掲載(YouTube)しています。動画は動画編集ソフトDaVinci Resolveを使って編集しました。またバックグラウンドミュージック(BGM)は著作権フリーで自由に使えるものを利用しています。

なお、このブログでは初めての試みですが観光客などの顔がたくさん写り込んだ動画も掲載しています。もちろん個人情報保護の観点から人物の顔はモザイクをかけています。実は、動画に写っている複数の人の顔を自動で検出・追跡しかつ自動でモザイクやぼかしをかけてくれるというAI(ディープラーニング)技術を使った優れもののソフトAVCLabs Video Blur AIを購入して使用しています。まだ誤認識がごくたまに見られますが今後の改良に期待しています。

旅程1日目

夜に成田国際空港をエミレーツ航空で出発して経由地であるドバイへ向かいました。海外旅行で中東系のエミレーツ航空に乗るのは今回が初めてでした。

左と下の写真は日本で唯一成田空港にあるエミレーツ航空のラウンジです。

驚くことにこのラウンジは成田を夜出発する一日一便のエミレーツ航空のフライトのお客様のためだけに開設しているそうです。

エミレーツ航空はJALがパートナーですが、このラウンジはJALのステイタスでは入場できないというルールがあるそうです。

ANAやJALなどの他のラウンジに比べて全く混みあうこともなく広いスペースでゆったりと過ごすことができました。食べ物や飲み物の種類も豊富でとくに暖かい食べ物がたくさん用意されていました。

チェックインを済ませた後このラウンジで夕食をいただきました。残念だったのは、口コミで評判の出来立てのビーフステーキがもう提供されていなかったことと、注文を受けてから作る人気の天ぷらもメインのエビが消えて鶏肉に代わってしまっていました。

それでもおいしい料理、果物やスィーツなどをたくさんいただいて飛行機に乗り込みました。

成田からドバイまでは約11時間ですがその間に夜食と朝食の2回食事がでます。夜食のステーキをいただいた後はゆったりとしたフルフラットベッドにして睡眠をとりました。日本語で楽しめる映画はそれほど多くはなかったようでした。

飛行機はあの有名な世界最大の旅客機エアバスA380で、ANAがハワイ路線に3機(海亀の絵が描かれている機体)導入しているものと同じタイプです。エアバス社は超大型機の需要が今後伸びないと考えてすでにA380の製造は中止していますが、当時エミレーツ航空が最多の百数十機を購入したと記憶しています。

ちなみにチェックイン時にJALマイレージカードを提示すればJALのマイルが付きます。

旅程2日目

早朝にドバイへ到着しました。ドバイでは乗り継ぎのため約4時間の待ち合わせとなりました。下の写真はドバイの空港内の様子です。空港はとても広くにぎやかでたくさんのお店も出ていました。

乗り継いだ飛行機はドバイからローマまで約6時間ほどかかりましたが昼食が1回提供されました。右の写真は機内のビジネスクラスの様子です。フラットベッドは他の航空会社のものより広さがゆったりした感じでした。

午後ローマ空港へ到着した後は観光バスに乗ってポンペイへと向かいました。ポンぺイのホテル「Mギャラリーホテル ハビタ79」(下の写真)には夕方の到着でした。このホテルはポンペイ遺跡の入り口のすぐ近くに位置していました。

当日の夕食はホテルのレストランに行きました。短くて平べったいパスタ(左下の写真)とラザニアのようなおいしい料理をいただきました(右下の写真)。

これで旅程の1日目と2日目が終わりますが、やはり経由地での待ち時間が長いことや、全体のフライト時間が長くかかるということから、まだ全く観光はしていないのに一つの観光が終わったような疲れが少し感じられました。日本~イタリアの唯一の直行便ITAエアウェイズのありがたさが分かりました。

旅程3日目

旅程3日目はいよいよ観光の始まりです。朝ポンペイのホテルを観光バスで出発して世界遺産のアマルフィ海岸を観光しました。

下の地図(Google Map)に示したようにポンペイの南に広がるアマルフィ海岸は、西のソレントから東のサレルノまでの約40Kmの海岸です。まずポジターノの展望台に行き、次にエメラルドの洞窟を観光し、昼食をとった後最後にアマルフィの街を散策観光しました。アマルフィの散策後は船に乗ってサレルノまで遊覧を楽しんでサレルノからバスでポンペイまで戻りました。

ポンペイを出発しアマルフィ海岸沿いのカーブの多い狭い道路に入るとバスの窓からは海沿いの素敵な風景が次々と現れてきました。最初の観光スポットであるポジターノ展望台に行くまでの間で車窓から撮影した32秒の動画(4K 60fps)を下に掲載します。個人的にはこのような美しい海岸線のドライブはとても好きです。

ポジターノ展望台

ポジターノ展望台はアマルフィ海岸の中で最も人気がある絶景スポットの一つです。この展望台からは岩肌が見える山々、ポジターノの街並み、レモン畑、浜辺や紺碧の海を雄大に眺望することができました。訪れたときはあいにく薄曇りの天気でしたが断崖に沿って張り付いているパステルカラーの家々の様子が独特な美しいメルヘンチックな風景を造り出していました。

ポジターノは「アマルフィ海岸の宝石」とも言われ、風光明媚な海岸線が続くアマルフィ海岸の中で最も美しい街だそうです。この街はアマルフィ海岸屈指の高級ビーチリゾートで夏には世界中からセレブたちが集うとのことです。またこの地域はレモンの名産地としても知られているそうです。

この展望台から撮影した48秒の動画も下に掲載します。

この展望台の道路はとても狭くて駐車スペースも少なくバスの運転手さんも苦労していました。左下は展望台の入り口付近にあった大きなマリア像でこれが展望台の目印だそうです。右下のお店は道路わきにありカラフルな果物類を販売していて特に搾りたてのレモンジュースがとてもおいしいということです。

 

今回のツアーではポジターノの街に立ち入ることなく次の観光スポットであるエメラルドの洞窟へと向かいました。

エメラルドの洞窟

エメラルドの洞窟(Grotta dello Smeraldo)は、アマルフィ海岸でも有名なパワースポットでコンカ・デイ・マリーニという街の入り江にあります。この鍾乳洞は1932年に地元の漁師が見つけたそうです。外海に通じる自然海底トンネルから侵入する光が洞窟内に入ってきていてその水面がエメラルド色に輝き宝石のような美しさとなっています。

道路の脇にある入り口を入るとエレベータがあって約30mほど下へ降りました(左下の写真)。壁にはエメラルドの洞窟(Grotta dello Smeraldo)のパネルがありました(右下の写真)。

エレベータの下は小さな船着き場になっていて、陸路ではなく海からでも遊覧船でこのエメラルドの洞窟へ来ることができるそうです。

下の3枚の写真は洞窟内部での鑑賞の様子です。まさに鍾乳洞の中に神秘的なエメラルドの光が広がっているというような感じでした。ただし「エメラルド」と言われているのでもっとグリーン色が強く出ていていわゆる「エメラルドグリーン」に輝くものだと思っていましたが今回はどちらかと言えばブルーでした。多分状況によって色がいろいろと変化するのだと思います。

途中で船頭さんがパフォーマンスとして船のオールで水面を軽くたたくと、ブルーに輝く波と水しぶきが跳ね上がり、幻想的な光景を見ることができました。

石灰質地層のこの洞窟では、石筍や鍾乳石が作る面白い光景も観察できます(左下の写真)。また50年ほど前にこの洞窟の海底にプレゼピオ (キリスト降誕の様子を表した人形や模型) の陶器が置かれたそうで神聖な雰囲気を醸し出していました。

右下の写真は鑑賞を終えて皆さんが船から降りている様子です。なぜかディズニーランドの冒険船のアトラクションを思い出してしまいました。

イタリアではカプリ島にある青の洞窟の方が人気がありますが、こちらは入場率が高く気軽にアクセスできて美しくて神秘的な珍しい光景をゆっくりと鑑賞できることがメリットになっています。

エメラルドの洞窟で神秘的な美しい光景を堪能した後は、海が臨める絶景レストラン「コンカ・アズーラ」で昼食として海の幸パスタをいただきました。

メルヘンチックな素敵なゲートから中へ入りました(下の写真)。

旅行中にはうれしい野菜たっぷりのサラダ(左下の写真)と海の幸パスタ(短めのパスタ)です。開放的な明るいレストランで美しい海岸線を眺めながら美味しい食事を楽しみました。

このレストラン付近から海の方を見た風景がそれなりに美しかったので写真におさめました(下の2枚の写真)。

このあたりの景色も動画(20秒)で撮影しました。

昼食後バスで本日最後の観光スポットであるアマルフィへ向かいました。

アマルフィ

アマルフィは南イタリア・カンパ―ニア州にあり切り立った断崖にカラフルな建物が建ち並ぶ風光明媚な街です。中世には地中海に君臨する自立した海洋王国だったそうです。ここは世界遺産アマルフィ海岸の中心都市として毎年多くの観光客を集めています。

下の写真はアマルフィの中心街にあるドゥオモ広場の様子です。訪れたのはまだ夏のバケーションシーズン前ですがすでにかなり賑わっていました。

このドゥオモ広場付近の雑踏の様子を動画(1分17秒)でもご紹介します。

街の中心にはアマルフィの最大の見どころであるドゥオモ(アマルフィ大聖堂)があります(下の写真)。987年に三廊式の二つの教会として建てられましたが13世紀に一つの五廊式の教会へと改築されたそうです。ちなみに三廊式や五廊式はバシリカ式教会の典型例で、一つの身廊と二つの側廊または四つの側廊から構成されています。

表向きはエキゾチックでアラブの雰囲気が感じられました。この大聖堂は町の守護聖人聖アンドレアが祀られていますが、イエスの12弟子の一人であった聖アンドレアは弟子になる前は漁師をしていたので漁の守護聖人でもあるそうです。クリプタ(地下礼拝堂)には聖人の遺骸も納められていてドゥオモ広場の噴水も聖アンドレアの像となっています。

数ユーロの入場料で大聖堂以外も見学できます。まずは天国の回廊、ドゥオモ付属美術館、聖アンドレアが祀られている地下クリプタ、そして大聖堂へと巡っていきます。

左下の写真は天国の回廊で、白い支柱の間から中庭の上部を見上げたアングルで撮影したものです。右下の写真はエキゾチックな様式の昔の装飾品です。

地下にはクリプタ(地下礼拝堂)があり聖アンドレアの像が祀られています(右下の写真)。このクリプタは贅を尽くした大理石の装飾で埋め尽くされていて当時のアマルフィの繁栄を象徴しているかのようです。祭壇の下には聖人の遺骸も納められていて奇跡を起こすと信じられているそうです。なお聖アンドレアの像は写真でも分かるようにキリストの十字架は恐れ多いとしてX字型の十字架を背中に配しています。

 

最後に大聖堂を見学しました(下の写真)。真ん中の手前から祭壇までの身廊と両側に柱を隔てて側廊が見えます。とても豪華で荘厳な作りになっています。

アマルフィの美しい風景です(下の写真)。この写真は少し高台から撮影したものです。

アマルフィ海岸に限りませんが世界の街の風景は川、湖、海を入れた絶景を見たり写真におさめたりするのが大好きです。

下の写真は海を背にして見てアマルフィの街の右側を撮影したものです。一番右端の海沿いに黒っぽい砦のような建物が見えますが、ここへ至る道の途中から撮影した写真が実は上の写真です。ほどほどの高台になっていてパノラマ的な街の綺麗な写真が撮れました。

そこへいく道路には境界を示す白線が引いてあるだけの狭い「歩道」しかありませんが、当時予想以上の観光客がその歩道を歩いていましたのですぐ横を走る車も多少スピードを落としてくれていました。

ここでアマルフィの波止場からアマルフィの街を見渡した動画(40秒)を掲載します。

下の写真はまた別の高台(ちょっとした展望台)に登って撮ったアマルフィの絶景です。

先ほど紹介したドゥオモ(アマルフィ大聖堂)のすぐ右横にお店を挟んで黄色系の色のちょっとした階段がありそれを登って少し行くと有料のエレベータがあります。それに乗ると断崖のかなり上の修道院があるあたりまで行くことができます。当時ちょうど十数名のアメリカからの観光客もその展望台で絶景を楽しんでいました。

アマルフィの街の散策を楽しんだ後、波止場から船に乗ってさらに東にあるサレルノまで行きました。

左下の写真はひとつの波止場の風景です。また右下の写真は乗った船の屋上の椅子の様子ですが、見た通り大変混んでいてサレルノまでの約40分間全く座れない状況でした。

今回波止場では乗船までにかなり待たされましたし、乗っても座る場所もないほど観光客で混雑していました。季節が7~8月のバカンスのピークの時期になるととんでもないことになるのだろうと予想されます。

サレルノからはまた観光バスでポンペイのホテルまで帰ってきました。

ホテルの部屋で少し休憩した後ホテルの近くのレストラン「GARUM」(下の写真 by Google Map)へ行って夕食をいただきました。落ち着いたおしゃれな雰囲気の中で食べられるレストランでした。なお、このレストランは最近日本人の口コミにもたびたび登場しています。

右下は魚介のフライです。

左下はナスなどの野菜のグリルです。右下はタコを薄切りにして恐らくたたいて柔らかくし、ゴマをかけたような日本風のような料理です。

左下はイワシのスパゲッティです。右下はイタリアを代表する米料理リゾットでエビ味になっていました。

色々な美味しい料理をゆっくりと楽しむことができました。

これで観光第1日目は終了です。

この旅行記は「南イタリア観光旅行(2)」へ続きます。

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