アイルランドとスコットランドへの旅(3)

はじめに

7月上旬に11日間でアイルランドとスコットランドの2か国を巡る観光旅行へ行ってきました。この記事では旅程5日目のグラスゴーからアイルランドのベルファストまでフェリーで渡った時の様子、旅程6日目のジャイアンツコーズウェイ、ダークヘッジズ、ダブリンのシティーホールの様子、旅程7日目のモナスターボイス墓地、タラの丘、ダブリンのギネスストアハウスなどの観光の様子をご紹介します。

旅程5日目(続き)

グラスゴーでの昼食を終えて港まで行きました。

スコットランドのグラスゴーからアイルランドのベルファストまではフェリーに乗って移動しました。フェリーは運行距離が近いにもかかわらずなんと3万トン以上もある大きな船でした。運行中は船が大きすぎて揺れは全く感じませんでした。

港では、下の写真のように、向こうの方にオレンジ色の煙突部分が見えるフェリーに乗るためにこのようなとても長い渡り廊下を歩いていきました。

フェリーの甲板ですがとても長いのが分かります(下の写真)。甲板では風が吹いていて肌寒かったので乗客はほとんどいませんでした。

下の写真はフェリーの客室内の様子ですが、とても広々としていましたのでゆっくりとくつろげました。

途中で国が変わりましたが、パスポートのチェックなどは何もありませんでした。フェリーを降りてそのまま宿泊先のホリデイ・インへ行きました。

左下はベルファストのホリデイ・インホテルで、右下はその付近の街並みの様子です。

ホテルのレストランで夕食を食べた後付近を少し散策して旅程5日目の観光は終了しました。

旅程6日目

朝早めにベルファストのホテルを出発して、大西洋に面したアイルランド島北部のイギリス領北アイルランドに位置するジャイアンツ・コーズウェイ(巨人の道)へ向かいました。

途中の車窓から見た牧場の風景が素敵でしたので動画におさめました。

朝ホテルを出るときは小雨が降っていてお天気が心配でしたが、ジャイアンツ・コーズウェイに到着するころには運よく雨はあがって青空が見えてきました。

ジャイアンツ・コーズウェイ

ジャイアンツ・コーズウェイは柱状節理と呼ばれる約50センチ四方の六角形の岩の柱が並ぶ海岸で、4万もの玄武岩の石柱が重なり合い、しかもその柱の上を歩くことができるという珍しい地形から、1986年に世界自然遺産として登録されました。

約6千万年以上前に起こった火山活動で地下に溜まったマグマが急激に冷えて固まり、六角形などの多角形の柱となって固まったということです。

この場所は、ケルト神話によるとアイルランドの巨人フィン・マックールがスコットランドへ行く際にこの道を作ったので「巨人の道」と呼ばれるようになったそうです。

まず立派なビジターセンターに立ち寄って入場料(寄付金)を支払い、音声ガイドの機器の貸し出しとバスへの無料乗車サービスの権利を受けました。ただし片道20~30分ほどの散策でしたので良い運動と思いバスは利用しませんでした。

ビジターセンターを出てすぐのところに散策路の入り口を示す標識がありました(下の写真)。

下の4枚の写真はジャイアンツ・コーズウェイのビューポイントまで歩いていくときに周辺の風景を撮影したものです。

この道を歩いていく様子を動画でも撮影しましたので下に掲載します。

下の2枚の写真は最初のビューポイントに着いたときに見えた玄武岩の石柱が重なり合う風景です。

この第一のポイントあたりで撮影した動画を下にご紹介します。

少し海の方へ石柱の上を歩いていくとすぐに下の写真のように波打ち際へ行けます。

この波打ち際で撮影した動画を掲載します。

遊歩道に戻りもう少し進むとベストビューポイントに到着しました(下の2枚の写真)。当日は海風が強かったので石柱の上を歩くときには転ばないように注意が必要でした。

この付近の風景を撮影した動画を下に掲載します。

このあたりで石柱の上を歩いて波打ち際まで行くと次のような動画の風景になります。この動画はヒーリング動画にもなりそうです。

また散策路に戻ってさらに先へ進むと石柱の壁のような場所がありました(下の写真)。人の身長と比べると比較的大きな石柱群だということが分かります。

この場所の動画を下に掲載します。この時はかなり強い海風が吹いていましたので、動画の音声にその風切り音が収録されています。

散策路の案内図で最後のビューポイントになっている場所まで行って周辺を撮影した動画を掲載します。このあたりにはもう石柱群はありませんでした。動画の中の海側の風景には侵食によって靴のように見える巨石「巨人のブーツ」が映っています。

ジャイアンツ・コーズウェイでは、お天気も回復し美しい青い海を背景に大量の石柱群が造る珍しい奇妙な造形を楽しんだり、それらの上を歩いたりととても爽快で気持ちの良い時間を過ごすことができました。

ジャイアンツ・コーズウェイのビジターセンターはお洒落な立派な建物で中にはジャイアンツ・コーズウェイの博物館、お土産販売コーナー、カフェなどがあり多くの人で賑わっていました。このジャイアンツ・コーズウェイはアイルランドで最も有名な観光地になっているのではないかと思いました。

次にバスで向かったのはダークヘッジズです。

ダークヘッジズ

ダークヘッジズは、北アイルランドの北部のアーモイ村の田舎道にあるブナの並木道です。「グレースヒル・ハウス」という老舗ゴルフクラブが1750年頃に植えたそうで、250年以上もの時間を経て巨木に成長し、不気味な雰囲気を漂わせた景観を呈しています。

その特異な景観は昔から「魔女のトンネル」と言われていたようですが、近年たまたまSNSを通して有名になったそうです。近年映画、ドラマ、CMの撮影にも使われているそうで、例えば人気を博した米国のTVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にも登場するとのことです。

下の2枚の写真はダークヘッジズを歩きながら撮影しました。この並木道は約500mも続いているそうです。人の大きさと比べると木の巨大さがよく分かります。私たちが訪れた時も予想以上の多くの観光客が来ていました。

ダークヘッジズはその雰囲気から、明るいお昼に訪れるのではなく、夕方や夜の薄暗い中で散策するとより不気味さが増して良いのではないかと思いました。

散策しながら撮影した動画も下に掲載しておきます。

ダークヘッジズを後にしてバスはベルファストの街にあるシティーホールへ行きました。

シティーホール

シティーホールはベルファストの中心部のドネガル広場に建つバロック様式の建造物でベルファストのランドマークになっています(下の写真)。

これは1888年ヴィクトリア女王の時代に建てられたもので市議会が今も使用していますが、館内は開放されていて、美しいステンドグラス、大理石の大階段、豪華なインテリアなどを見ることができます(下の2枚の写真)。正面には公園のような広いスペースがあり市民の憩いの場となっています。

ベルファストといえば、北大西洋上で氷山に接触し沈没した豪華客船タイタニック号を建造した地としても有名です。ベルファストのハーランド・アンド・ウルフ 造船所にて1909年に建造が始まりました。このツアーでは見学しませんでしたがベルファストには船の船首の形を模したとても立派なタイタニック博物館があります。

シティーホールの建物の東側にはタイタニック・メモリアル・ガーデンがあり、亡くなった人々を追悼する記念碑(下の写真)が設置されています。

シティホールの見学後、レストランで夕食をいただきホテルへ戻りました。

旅程7日目

旅程7日目はホテルを出発してまずモナスターボイス墓地へと向かいました。

モナスターボイス墓地

モナスターボイス墓地は、木々が鬱蒼と生い茂る小道沿いにある修道院跡の墓地で、古代教会の遺跡、美しい高い円塔や背が高い立派な十字架などがあります。

ここには聖ブイテ によって5世紀に設立された初期キリスト教の修道院集落がありました。968 年にバイキングがこの集落を占領しましたがアイルランドのタラ王ドナルによって奪還され当時 300 人以上ののバイキングが殺害されたと言われています。

史跡内には968年に建造されたとされる高さ28mの石積のタワー(ラウンド・タワー)が保存状態良く残っています(左下の写真)。このタワーは、各種宗教的イベント、見張りの塔、避難所など色々な目的で使われたそうです。

背の高い十字架(ハイクロス)はケルト美術の素晴らしい遺産です。これらの十字架は、福音書をだれにでも分かるように伝えるという役割を持っていたと考えられています。また元々は表面が鮮やかな色で塗られていたと思われますが現在は消えてしまっています。

ラウンド・タワーの前方に建っている「西のハイクロス」は高さが6.5メートルもあり、アイルランドで最大で表面には聖書の主要場面が描かれています(右下の写真)。

もう一つはミュレダッハのハイクロスで高さは5.5mですがアイルランドで最も素晴らしいハイクロスとされています。

ケルト美術やキリスト教に関心がある人には特にこの場所は聖地のひとつになっているのではないでしょうか。

墓地を見た後出口近くにあったお宅の庭のバラが綺麗に咲き誇っていたので思わずシャッターを切りました(下の写真)。

この墓地へ来る前にガイドさんに「ここは観光客でとても混みあうのでバスの駐車場所の確保が難しいかもしれません」と言われていましたが、行ってみると現地では私たちのグループ程度しか人がいなくてゆっくりと見学ができました。

近くのレストランで昼食をいただきました。下の写真のようにちょっとおしゃれなレストランでメニューはスープ、鶏もも肉の料理、そしてデザートでした。

昼食後は次の観光スポットであるタラの丘へ向かいました。

タラの丘

タラの丘は、ダブリン近郊に位置する小高い丘で、アイルランドの古代ケルト人たちの政治と文化の中心地だった場所です。

下の写真はタラの丘へ続く道の入り口です。

なだらかな丘を歩いて登って行きます。

下は丘の中心の写真です。不思議な立石(右側)とモニュメント(左側)があるだけです。

5000年ほど経っているといわれているこの立石(Stone of Destiny)ですが、正真正銘のタラの王がこの石に触れたときにだけ石が唸ると言う言い伝えがあり、142の王が君臨したそうです。

左横の墓石は1938年に建てられたそうです。ユナイテッド・アイリッシュメンというアイルランドの独立を求めていた団体の革命が1798年に起こり、ここでメンバー400人が命を落としたそうです。

丘の上に広がる野原には要塞跡と思われる土塁や、立石などが残るのみでとても見晴らしの良い場所になっています。

アイルランド島は大きな山脈などがなく平坦なのでタラの丘からは島の約4分の3が見渡せると言われています。王が住むには最適な場所の一つだったと思われます。ここは現在でもアイルランド人の心のよりどころになっているそうです。

この丘の中心から周囲を見渡した動画を下に掲載します。

下の写真は別の位置から遠くを見渡した風景です。本当にほかの丘や山が見当たらず、日本の風景に比べると不思議な感じがします。

丘の別の場所から360度を見渡した動画も下に掲載しておきます。当日はお天気も良く丘を渡る風も爽やかで草原の丘をゆっくりと散策するには絶好のタイミングでした。

タラの丘の駐車場の近くにはお土産物などを販売するお店が何件か並んでいました(下の写真)。タラの丘はその知名度からそれなりの多くの観光客を集めているようでした。

タラの丘の観光を終えた後、バスでダブリンへ行って市内観光をしました。

ダブリン市内観光

ダブリンではまず最初にギネスビールのギネスストアハウスへ見学に行きました。

ギネスストアハウス

ギネスはダブリン発祥のビール醸造会社でアーサー・ギネスが「セント・ジェームズ・ゲート醸造所」を借りて1759年に発足させた会社です。ギネスの黒ビールはコーヒーのような香ばしい香りと豊かな味わいが魅力で世界的に大成功を収めました。

2000年に「セント・ジェームス・ゲート醸造所」が改装され、このギネスストアハウスがオープンしました。ギネス博物館、テイスティング、レストラン、ギネスショップなどがある施設として大人気の観光名所となっています。

ここではギネスビールの試飲ができます。試飲と言っても下の写真のようにかなりの量があります。アルコールを飲まない人にはギネス・ゼロというアルコール分ゼロのビールが用意されていました。

建物の上階の窓からはビール工場の建物や施設が見渡せました(下の写真)。

ビールが好きな人にとってはたまらない貴重な見学になるものと思われます。

この旅行記は「アイルランドとスコットランドへの旅(4)」へ続きます。

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