はじめに
9月中旬に4泊6日でカナダのイエローナイフにオーロラ鑑賞に行ってきました。この記事では旅程2日目の昼間のイエローナイフ市内観光、夜の第2回目のオーロラ鑑賞の様子、および旅程3日目のお昼のフリータイムの散策などの様子をご紹介します。
旅程2日目
旅程2日目は昼間にバスでイエローナイフ市内観光へ行きました。
イエローナイフの街の名前は常時銅製のナイフを持っていたといわれる先住民「イエローナイフ族」に由来していると言われています。
ノースウエスト準州立法議事堂
最初に訪れたのはノースウエスト準州の議会が開かれる州立法議事堂です(下の写真)。
左下は州立法議事堂入り口付近にある看板のようなものです。下の白いところにノースウエスト準州の11の公用語(英語、フランス語さらに9つの先住民族の言語)が示されています。右下は建物の中にあるノースウエスト準州の旗です。旗には、中央に準州の紋章が描かれていて、青は水、白は雪と氷、緑は深い森、赤はツンドラ、キツネの顔は毛皮を意味しているそうです。
ノースウエスト準州はカナダの北西に広がる永久凍土の大地にあります。様々な民族や大自然が生み出す魅力のあふれた場所です。主要な3つの先住民族が人口の約半数を占めています。
平均年齢はわずか32歳でカナダの平均をはるかに下回っていて、平均年齢が約49歳で超高齢化が進んでいる日本から見るとても対照的です。
イエローナイフはノースウエスト準州の州都で人口が約2万人で、ノースウエスト準州の人口の約半分がここに住んでいることになります。
州立法議事堂の館内は自由に見学できるようになっていて会議場やアート作品などのコレクションを見ることができます。
左下の写真はダイヤモンド付きの職杖で、右下はそのダイヤモンドがはめ込まれている先端部分を拡大した写真です。以前までは職杖は一角獣(ユニコーン)の白い角が使われていたそうです。職杖は会議中に議長席(州知事席?)の前に飾られるとのことです。
左下は会議場です。少し高い位置には11言語に対応する通訳者のブースがたくさん設けられているのが印象的でした。床の真ん中に敷かれているホッキョクグマの毛皮(右下の写真)が際立っていました。
左下はバッファロー(バイソン)のはく製の頭です。右下は州知事の椅子と制服のようです。
下の写真のように色々な工芸品が展示されていました。
ノーザン・ヘリテージ・センター
このセンターは、イエローナイフの市街地の西にあるフレーム湖の湖畔に立つモダンな博物館でイエローナイフの人気観光スポットになっていて入場無料です。
正式名称はプリンス・オブ・ウェールズ・ノーザン・ヘリテージ・センターといい、1979年4月16日に英国のチャールズ皇太子を迎えてオープンしたそうです。ノースウエスト準州の歴史・文化遺産を保護する目的で建設されたこの施設には、野生動物のはく製、周辺で採掘される鉱石、先住民族の服や生活道具などが良く整理されて展示されています。
ノースウエスト準州は様々な鉱物資源に恵まれているようです(左下の写真)。最近では金の採掘も行われたことがあり、また現在は世界的に有名なダイヤモンド鉱山を有しています。
昔の複葉機が展示されていました(左下の写真)。昔は生活物資などを届けるのに雪の上で離着陸する飛行機が活躍したようです。右下はホッキョクグマの親子のはく製です。
左下はバッファロー(バイソン)のはく製です。またマンモスの牙のようなものも展示されていました(右下)。
左下はムース(ヘラジカ)のはく製です。カナダのムースは世界最大のシカ類だそうで、体長が2.4m~3.1m、肩高1.5~2.1mで体重が800Kgになることもあるそうです。右下はそのムースの革を張って作ったボート(mooseskin boat)です。
ノーザン・ヘリテージ・センターの裏側に回ると多くのコミュニティーの旗が風にたなびいていました。
センターの裏側はすぐフレーム湖が広がっています。フレーム湖の周囲には散策路が整備されていて市民の憩いの場になっているようです。
グレート・スレーブ湖
イエローナイフの街のそばにはカナダで2番目、世界で10番目に大きな湖グレート・スレーブ湖があります(下の写真)。琵琶湖の約43倍にもなります。
冬期には湖面が凍るのでアイスロードとして通行ができるそうです。右下の写真に見える民家は水上家屋で裕福な人々が住んでいるそうです。
ブッシュ・パイロット・モニュメント
これはイエローナイフのオールドタウンの丘の上に建てられたパイロットのための記念碑です。イエローナイフにはもともと飛行場(滑走路)がなく、飛行機は平原や雪の上に離着陸して人々の生活用品や郵便物などを届けていたそうです。
このような危険を冒して勇敢に飛行機を操縦していたパイロットたちを讃えてこの記念碑が建てられたそうです。
この丘は360度が見渡せるとても見晴らしがよい場所になっていて観光客に大人気となっています。
このモニュメントの丘には左下の写真のように立派な木製の階段(90段ほど)が設置されているので安全に気軽に上ることができます。
とても気持ちが良い場所でしたので、360度を見渡した動画を撮りました。この時ちょうど向こうの方で水上飛行機が飛び立とうとしていたので、観光客の多くの人が一斉にカメラやスマホを向けていました。
その他市内観光ではバスでオールドタウンのいくつかの道を通りながら昔ながらの雰囲気を残した街並みを見学しました。
その日の夕食には、イエローナイフならではのカナダ極北料理(北極イワナ)をいただきました(下の真ん中の写真)。見た目も味も日本で食べるサーモン料理のようでした。
2回目のオーロラ鑑賞
2日目の夜も午後9:00頃にホテルをバスで出発してオーロラビレッジへと向かいました。ティーピーは昨日とは別の場所があてがわれました。この日の夜もレベル3~4クラスの強めのオーロラが見えていたのですが、空の所々に雲がかかっていてオーロラの写真がうまく撮れませんでした。
最初の日とはまた別の丘に歩いて行ってカメラと三脚をセットして長時間待機し、雲の合間を縫って撮った写真が次の2枚です。2枚ともオーロラの前面に雲がしっかりと写り込んでいます。
あまり良い写真が撮れないまま、深夜2:00頃にオーロラビレッジを後にしてホテルへ帰りました。
旅程3日目
旅程3日目の昼間はフリータイムでした。街の散策や近くにあるフレーム湖周辺の遊歩道でのウォーキングなどを楽しみました。
ダイヤモンド・センター
ブランチを食べた後、街中をぶらぶらと散策する途中でイエローナイフの近郊で採れるダイヤモンドをテーマにしたノースウエスト・ダイヤモンド・センターへ行ってみました。
センターではまず別室に通され、有名なダイヤモンド鉱山であるDiavikという場所の露天掘りの様子を詳しく紹介するビデオを見せてもらいました。Diavikはイエローナイフから北東に飛行機で約40分のところにあるそうです(左下の写真)。鉱山は全部で4つほどあるようです。
ダイヤモンドの世界の三大生産地は、ロシア、ボツワナ(アフリカ南部)、ノースウェスト準州で、ノースウェスト準州は生産量で第3位だそうです(右下の写真)。しかしノースウェスト準州のダイヤモンドは最も品質が良く、結晶構造の整った透明感のある輝きが特徴のようです。
下の写真は館内のビデオで詳しく紹介があるDiavikダイヤモンド採掘場(露天掘り)の全景です。極寒の地に巨大な穴がぽっかりと開いています。
いかにもダイヤモンドが出てきそうな鉱石です(下の写真)。真ん中の右寄りに少し光る部分が見えています。
ダイヤモンドを研磨する機械が置いてありました。
ダイヤモンドの指輪やネックレスなどがその場で展示販売されていました。価格は数万円から数百万円程度のようでした。
このセンターはイエローナイフの街のほぼ中心部にあり、説明・販売の係のご婦人も待機していますのでダイヤモンドに興味がある人は気軽に立ち寄ってみると良いと思います。なお、日本語のパンフレットも用意されているようでした。
イエローナイフの街の様子
下の写真はイエローナイフの街で唯一信号機が整備されたメインの大通りです。州都とはいえ人口が約2万人ですので車も人通りも少ないこのような風景になるのでしょう。左下の写真で遠くに見える赤茶色の大きなビルの下あたりに唯一のスーパーマーケットがあります。滞在中は飲み物、果物、食べ物などの購入で何度もお世話になった場所です。
散策中に前庭の花々がとても美しく手入れされた歯科クリニックを見つけましたので思わず写真に撮りました。短い夏を大いに楽しんでいるのだと思いました。
フレーム湖トレイル
街の散策を終えた後は、街のすぐ隣にあるフレーム湖の周囲に整備された遊歩道へと向かいました。入り口付近には左下のような案内看板が立っていました。向こう岸に昨日見学したノーザン・ヘリテージ・センターの白い建物が見える公園から散策をスタートしました(右下の写真)。
フレーム湖の向こうにノーザン・ヘリテージ・センターの建物の裏側が見えています(下の写真)。
遊歩道を西の方に向かって歩いていくと次第に大自然の風景になっていきます。
左下は林の中に突然現れた遊具がたくさんある子供の広場です。イエローナイフには子供が多いのでこのような子供向けの施設がたくさんあるのだと思われます。
下の写真のように遊歩道は人通りも少なくとても静かな環境になっています。ただし、女性の観光客の一人歩きはできるだけ避けた方が良いと思いました。実際に途中でホームレスのような外観の人も見かけました。
このフレーム湖の遊歩道はアスファルトが敷かれてとても歩きやすくなっており、当時は好天に恵まれ紅葉も始まっていて景色も美しくとても爽やかな散策を楽しむことができました。
最後に散策中に撮影した2本の動画を掲載します。周辺の美しい景色や歩いている雰囲気がよりリアルに伝わると思います。
遊歩道を離れてホテルまで戻る途中で見かけた風景です。左下の写真はシティホールです。そのホールのすぐ近くには、ピンクの綺麗な花で造り込んだバッファロー(バイソン)がいました。
この旅行記は「イエローナイフのオーロラ鑑賞の旅(3)」へ続きます。