はじめに
先月秋の京都に3泊4日で紅葉を見に行ってきました。「紅葉(もみじ)狩り - 京都」ではその様子を詳しくご紹介しています。
3日目(午前)
この記事「紅葉(もみじ)狩り - 京都(5)」では、旅程3日目(最終日)に訪問した天龍寺、常寂光寺、北野天満宮、仁和寺、妙心寺、東福寺の6カ所のうち午前中に訪問した天龍寺、常寂光寺、北野天満宮の紅葉の様子をご紹介します。
12.天龍寺
場所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
アクセス:京都駅からJR山陰本線嵯峨野線で「太秦」駅まで行き、徒歩数分歩いて京福嵐山本線の「撮影所前」で乗換えて「嵐山」駅下車、出口のすぐ前
拝観時間:午前8:30~午後5:00、拝観料:大人500円
臨済宗天龍寺派宗務本院 天龍寺は、1339年に崩御した後醍醐天皇の菩提を弔うために夢窓疎石が足利尊氏に進言し、光厳上皇の院宣を受けて開創されることになったそうです。開基は足利尊氏です。
観光名所の渡月橋や天龍寺北側の亀山公園などもかつては天龍寺の境内地であったということです。
天龍寺造営資金の調達のため尊氏の弟直義は疎石と相談し、元寇以来絶えていた元との貿易を結びいわゆる天龍寺船の派遣を行ったとのことです。
京福嵐山本線の「嵐山」駅で下車して天龍寺のほうへ歩いて行きます。道の両側には綺麗に紅葉したモミジがありました。遠くを眺めると下の写真のように山の中腹から上のほうまで紅葉が進んでいました。
右の写真に写っている庫裏(くり)の建物の前を左へ曲がりました。庫裏は台所兼寺務所の機能を持っているとのことです。
大方丈を回り込んで反対側に歩いて行くと有名な曹源池庭園があります。これは約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめており、中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、大堰川を隔てた嵐山や庭園の西にある亀山を取り込んだ借景式庭園となっています。
曹源池庭園には何本か紅葉する木が植えられており、遠くに見える紅葉した山を借景として秋の風情を表す素敵な庭園となっていました。2019年5月に訪れた時はいわゆる青モミジの風景が広がっていました(下の写真)。
上の写真は5月に訪れた時に見た青モミジの風景です。
曹源池庭園を鑑賞した後、裏の山の庭へと足を踏み入れると素敵な紅葉がそこかしこに広がっていました。
裏山の遊歩道の両側にある紅葉をゆっくりと散策しながら楽しんだ後、また庫裏のほうへ戻ってきました。
当日天龍寺は紅葉狩りを目当てにたくさんの参拝客・観光客で賑わっていました。5月の新緑の時期そして11月の秋の紅葉の時期それぞれにとても魅力的な風景を見せてくれます。
11月の赤色に染まる紅葉の景色は華やかでもありまたしっとりと少し物悲しい情景です。私はどちらかというと燃えるような若葉が輝く新緑の季節のほうが好きです。元気な若葉に何か命の躍動を感じるからです。
13.常寂光寺(じょうじゃっこうじ)
場所:京都市右京区嵯峨小倉山小倉町
アクセス:京都駅からJR山陰本線嵯峨野線で「太秦」駅まで行き、徒歩数分歩いて京福嵐山本線の「撮影所前」で乗換えて「嵐山」駅下車、徒歩約25分
拝観時間:午前9:00~午後5:00、拝観料:大人500円
日蓮宗常寂光寺は、究竟院日禎(にってい)上人が1604年に角倉家から土地の寄進をうけて創建した事が始まりとされています。
このお寺は、小倉百人一首に詠まれ歌枕ともなった標高約296メートルの小倉山中腹の斜面にあり、秋には全山が約200本の紅葉に染まります。その常寂光土(じょうじゃっこうど)のような遊びの風情から常寂光寺と名付けられたと言われています。
また平安時代の藤原定家の山荘「時雨亭」があった場所ではないかとも言い伝えられています。
現在京都の紅葉の名所として多大な人気を集めており、いつも人気ランキングの上位に入っています。
さて天龍寺を参拝した後、この常寂光寺まで歩こうと思いましたが、道が少し分かりにくいことと小雨が降りそうな空模様になったために、タクシーに乗ることにしました。
タクシー会社に電話をしましたが予想通り「非常に混み合っているので後程お電話をください」という自動音声案内の後すぐに切れてしまいました。
何度か電話を試しているときにとても運よくすぐ目の前を「空車」タクシーが通っていました。すぐに手で合図をして何とか乗せてもらうことができました。
タクシーは小倉山へ向かって進み行けるところまで行って降ろしてもらいました。その場所から歩いて行く途中では道の両側に綺麗な紅葉を見ることができました。
ほどなくして太い角材を格子に組んだ山門が見えてきました(左上)。その山門を抜けると左側に参拝受付の小屋がありました(右上)。
さらに奥へ進むと今度は仁王門が見えてきました。この場所から見た紅葉はとても美しく、たくさんの人がしきりに写真を撮っていました。
仁王門の向こうには少し長い石段がありその両側のもみじと敷もみじがとても印象的でした。
階段を登りきるとそこは平たんな広場になっていて本堂、庫裏(くり)、鐘楼堂などがありました。
鐘楼堂と紅葉のとても素敵な風景(上)
敷もみじの風景(上)
小倉山中腹の斜面には小道がたくさんあり、ゆっくりと歩きながら約200本の紅葉を色々な角度から鑑賞できるようになっています。
当日はあいにくの小雨交じりのお天気でしたが、ときどき雨宿りしながら歩き回りました。
当日は日本人に交じって中国やインドからの観光客の一団の姿が目立っていました。小雨交じりで空が少し暗い状況でしたが、それでも色々な紅葉の美しい姿を十分楽しむことができました。
今回はお天気の関係で早々と散策を切り上げましたが、山の斜面に広がる紅葉の景色はバラエティに富んでいて見応えがあり、次回は紅葉の色が明るく鮮やかになる晴れた日を選んで再訪したいものだと思いました。
14.北野天満宮
場所:京都市上京区馬喰町
アクセス:京都駅からJR山陰本線嵯峨野線で「太秦」駅まで行き、徒歩数分歩いて京福北野線の「撮影所前」で乗換えて「北野白梅町」駅下車、徒歩約5分
拝観時間:午前9時~午後4時、「もみじ苑」入苑料:大人1000円(茶菓子付き)
北野天満宮は、平安時代中頃の947年に多治比文子や近江国比良宮の神主神良種、北野朝日寺の僧最珍らが当所に神殿を建てて菅原道真公をおまつりしたのが始まりとされています。
菅原道真公をご祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮、天神社の総本社で、天神信仰の発祥の地となっています。
紅葉の季節には約350本の紅葉が色づく「もみじ苑」がお勧めの観光スポットになります。
「北野白梅町」駅を降りて大通りの歩道を歩いていくとほどなくして高さ11.4メートルの大きな鳥居「一の鳥居」が見えてきます。
一の鳥居(左上)と桜門(右上)
楼門の上部に掛けられた額には「文道大祖 風月本主」の文言が刻まれていますがこれは菅原道真公を讃えた言葉だそうです。
今回は紅葉の鑑賞が目的だったので桜門を抜けてすぐに左側に進み、紅葉の名所「もみじ苑」へ行きました。
「もみじ苑」の受付と入り口付近の様子です。「もみじ苑」はちょっとした渓谷エリアになっていて、渓谷の下側や上側など遊歩道に沿って約350本の紅葉を楽しむことができます。
まず渓谷の上側の遊歩道をゆっくりと散策しながら紅葉を鑑賞しました。ところどころに展望台のような場所が整備されていました。朱塗りの欄干が紅葉の色にマッチして印象的です。
当日はあいにくの小雨に見舞われ、傘を差しながらの紅葉鑑賞となりましたが、紅葉の木々は弱い光の中でも綺麗な色合いを醸しだしていました。
その後渓谷の下に降りてそこの遊歩道をそぞろ歩きしました。
赤い太鼓橋が紅葉に溶け込んだ人気の写真撮影スポットです。次から次へと多くの人がここで立ち止まって写真を撮ったりするので結局人が映っていない写真を撮ることはできませんでした。
川の土手沿いの紅葉が綺麗です。
曇り空ですが見上げた角度から見た紅葉も素敵です。
当日は小雨が降り続くあいにくのお天気でしたが、日本人、中国人などの観光客でとても賑わっていました。
ようやく小雨がやんだころ最後に出入り口付近のお茶屋で特製お茶菓子(「もみじ苑」入苑料に含まれています)を暖かいほうじ茶と一緒においしくいただきました。
こちらの紅葉スポットも常寂光寺と同じように晴れた日に再度是非挑戦したいと思わせるような素晴らしい紅葉風景を見ることができました。
北野天満宮は他の多くの紅葉スポットとは違って、郊外の山の中ではなく町の中にあるという場所なので、最初はどれほどのものかとあまり期待はしていませんでした。
しかし予想をはるかに超えた広い範囲に展開される「もみじ苑」には圧倒されました。
町の中に突然現れる素敵な別世界に大いに興味をそそられました。
この記事は「紅葉(もみじ)狩り - 京都(6)」へ続きます。