アイルランドとスコットランドへの旅(2)

はじめに

7月上旬に11日間でアイルランドとスコットランドの2か国を巡る観光旅行へ行ってきました。この記事では旅程3日目のネス湖、アーカート城観光と旅程4日目のアイリーンドナン城、スカイ島、グレンコー渓谷観光の様子をご紹介します。

旅程3日目(続き)

エジンバラで王室行事の王室警護隊の行進を見た後すぐにバスで約300Km離れたネス湖があるドロムナドロキット村へ向かいました。

途中で歴史がありそうなシックなレストランで昼食をとりました。

左下は豪華な内装のレストランの様子で、右下は当日のメインディッシュで、鶏もも肉のトマトソース煮込み?風料理です。お肉は柔らかく、また添えられていたニンジンやジャガイモも美味しくいただきました。

ネス湖クルージング

さらにバスで進んでいきようやくネス湖に到着しました。到着した時は強い風と共に雨がかなり激しく降っていて傘をさすのも難しく、船を待っている間に少し濡れてしまいました。

下の写真はたまたま青い空が広がったタイミングで撮影したネス湖の風景です。

ネス湖は三十数年前に一度訪れましたが、その時はネス湖の近くの駐車場からかなり歩いてアーカート城まで行き敷地内を散策しました。今回はネス湖のクルージングを楽しみました。

下の写真は私たちが乗船した双胴船です。これは遊覧を終えて船着き場まで戻ってきたところを撮影した写真です。出発の時は風と雨が激しくて写真が撮れませんでした。

まだ強風にさらされ雨が降っている中でクルーズ船が出航しました。その時の様子を動画でご紹介します。

ネッシーがいるかもしれないネス湖ですので雲に覆われて空が暗くなり小雨が降る状況の方がより神秘的な雰囲気になるのではと思いました。

出航し十数分ほどすると雨は止んで少し青空が見えてきました(下の写真)。

アーカート城

30分ほどで目的地であるアーカート城へ到着しました。下にその時の様子を撮影した動画を掲載します。船は一度左側に大きく回り込んでアーカート城を色々な角度から眺められるようにしてくれました。

船上から撮ったアーカート城の写真を下に3枚掲載します。

アーカート城は13世紀に領主の城としてこの場所に築かれましたが、14世紀にはスコットランド独立戦争の激しい戦いの舞台となりました。しかしイングランド軍を破ったあとも色々な種族やジャコバイト(ジェームズ2世とその正嫡をイングランド王に復位させようとする勢力)により何度も襲撃を受けたそうです。1692年には敵の手に落ちるのを阻止するために部分的に爆破されついには廃城と化したそうです。

20世紀になり、スコットランド・ハイランド州の管理下で公開されるようになり、今では多くの観光客が訪れる人気の観光スポットになっています。

このアーカート城の船着き場で一部の乗客が下船していきました。これからお城の敷地に入って見学・散策をするのだと思われます。また見学を終えた観光客が数十名ほどこの船に乗り込んできました。

数十年間ほとんど変わっていない廃墟のアーカート城の姿を眺めていると、昔訪れた時の記憶が鮮明に蘇ってきました。

このツアーではここではお城の見学はしませんでした。湖畔のアーカート城をネス湖から眺めることが目的でした。緑の木々に囲まれた荒廃したままのアーカート城の姿がこの謎多き神秘的なネス湖によく合っていると感じられました。

15分ほど停泊した後、船は元の出発した船着き場まで戻っていきました。下の2枚の写真は帰りの船から撮影した周囲の景色です。

帰路に就いた船の様子を360度の範囲で動画で撮影しましたので下に掲載します。動画を見て分かるようにこの船には満席になるほどの観光客が乗り込んでいてネス湖クルージングの人気のほどが伺われます。

さらにおまけとして船の先頭から真正面の方向を撮影した動画も下に掲載します。遊覧船の先端にはなかなか行けないので今回は良い機会だと思って撮影しました。突然ネッシーが首をもたげるかもしれないような情景の動画ですがヒーリング動画としても楽しめそうです。

ところでこのネス湖に生息すると言われてきたネッシーの正体ですが最新の探索・研究によると以前からいわれていた「大ウナギ」の説が有力だと結論付けていたようです。日本の鹿児島県にある池田湖にも実物を見るとびっくりする様な体長2m近くになる大きなウナギが生息していてやはり「イッシー」伝説があります。

神秘の伝説のネス湖を眺めるにつけ、結論は出さずにあえて謎のままにしておいた方がロマンがあってよいのではと思ってしまいます。

ネス湖のクルージングを楽しんだ後はバスでインバネスへ移動し、本日の宿泊先であるキングスミルズ・ホテル(左下の写真)へ行きました。低層の可愛いホテルです。

夕食はこのホテルのレストランでいただきました。スープ、白身魚とマッシュドポテトのメインディッシュ、そしてチョコレートケーキとアイスクリームのデザートでした。

旅程4日目

旅程4日目はドーニにあるアイリーンドナン城を見学して、その後スカイ島観光へ行きました。

道中にはスコットランドらしい風景が色々と見られました。

まずスコットランド郊外の牧場風景を動画で撮影しましたので下に掲載します。

綺麗に手入れされた牧場や農地が広がっていました。牧場では主に牛が飼われているようでした。

さらに人里離れた地域に行くと草原、川、湖だけの荒涼たる風景が広がっていました。下の動画は悪天候の中で撮影したので雨粒やバス車内の反射など少し見ずらい映像ですがご了承ください。このような荒野の風景は見ているとなぜか心が落ち着くような感覚になります。

しばらくしてバスはアイリーンドナン城へ到着しました。

アイリーンドナン城

アイリーンドナン城はスコットランドのハイランドの西部に位置し、スカイ島に行く手前にあるドゥイッヒ湖の小島の上に建てられた城です。

この城は13世紀にマッケンジー氏族とマクレー氏族の拠点として築城されたそうです。その後マッケンジー氏族がジャコバイトの反乱に関与したことで18世紀に政府軍の戦艦によって一度破壊されたとのことです。20世紀初めになってようやく再建され1955年より一般に公開されているそうです。

スコットランドで一番美しい城、最も多く写真に撮られている城といわれるだけあって周りのスコットランドらしい風景に溶け込んだ姿かたちの良い「絵」になる城だと思います。ちなみに1999年制作の米国映画「007 ワールド・イズ・ナット・イナフ」ではMI6のスコットランド支部「セイン城」として登場しているそうです。

下の写真はお城が建っている小島に渡る橋の上から撮影した風景です。

下の写真はお城の裏の方に回って撮影した景色です。お城の壁がとても高いです。

下の写真はお城の入り口付近の様子です。なかなか頑丈に作られています。

下の写真は城壁の上から橋の方を撮影したものです。

駐車場の近くでは橋を渡るだけ、または橋を渡ってお城の内部を見学するという2種類のチケットが売られていました。時間があれば調度品や武器などが展示されているお城の内部も見学することをお勧めします。

建物の内部は思ったより狭くてお城というより大きめの砦というイメージでした。建物内部は通路や階段が狭いのでチケット販売の人に大きなリュックなどは持ち込めませんと注意されました。

なお、お城の内部は撮影禁止になっていましたので残念ながらここではご紹介できません。

アイリーンドナン城がどのような素晴らしい風景の中に佇んでいるのかを知っていただくために下に橋の上から360度見渡して撮影した動画を掲載します。

素敵なお城を見学した後はバスでスカイ島へ行きました。

スカイ島

スカイ島は、スコットランドの北西岸沖のインナー・ヘブリディーズ諸島の最北端にあり、スコットランドで2番目に大きな島です。島の形から「翼の島」とも呼ばれていて美しい大自然や歴史、豊富な野生生物で広く知られています。

スカイ島は歴史的にケルト民族や北欧のヴァイキングたちによる統治を受けてきて、現在もケルト文化の影響が生活に根強く残っているそうです。

スカイ島の最大の街は東岸に位置する人口2,100人ほどのポートリーです。立地の便利さから、観光の拠点として人気が高く海岸沿いにはホテルやレストランが立ち並んでいます。

橋を渡ってスカイ島に到着したらまずポートリーへ行ってそこのレストランで昼食をとりました。食事はスープ、鶏肉料理のメインディッシュ、生クリームたっぷりのデザートでした。その時は外はすでにお天気が崩れていて雨が降っていました。

昼食の後、バスでスカイ島の色々な絶景を見に行きました。

下の写真はスカイ島らしい荒涼とした素敵な風景の一つです。

下の2枚の写真は海に向かって左側と右側のそれぞれの絶景です。雨が降っていたので滝の水も豊富に流れ落ちていました。

下の写真は断崖の上に咲く紅のヒースです。ヒースは夏のスコットランドを美しく彩る花であちらこちらで群生しているのを見ることができます。荒涼とした湿原などに咲き乱れるヒースは数々の小説や映画にも登場しています。

下の写真の中で蠟燭のように垂直に立っている岩がスカイ島でもっとも有名な観光スポットであるオールドマン・オブ・ストールです。約50メートルの高さがある玄武岩質の溶岩で、垂直に伸びたマグマの通り道が長い間の浸食を経て細長く残った姿だそうです。

このオールドマン・オブ・ストールは数か所から望めますが、当時は降ったりやんだりの雨で霧もかかっていたので、バスであちらこちらと移動しながら最後にようやく下の風景を見ることができました。

私たちのツアーではスカイ島最大の街であるポートリーを軽く散策しました。パステルカラーの家並みが可愛いポートリーの海岸通りが観光客に人気だそうです(下の写真)。

このツアーではスカイ島の観光は2~3時間と限られていたので有名なポイントだけを回りましたが、もっと時間がゆるせば素晴らしい風景の中を歩くハイキングや野生動物に出会える船のクルーズなど色々と楽しめるようです。

スカイ島の観光を終えた後、バスでタインドラムという場所にあるホテルへ行きました(下の写真)。

このホテルのレストランで夕食をいただき旅程4日目の観光は終了しました。

旅程5日目

朝ホテルをバスで出発し、スコットランドのハイランドで最も美しいと言われているグレンコー渓谷へ向かいました。大昔に氷河に削られてできた渓谷です。

このグレンコー渓谷は素晴らしい絶景とは裏腹に「嘆きの谷」と呼ばれています。

当時スコットランドでは侵攻してきたイギリス軍とスコットランド軍が激しく戦っていました。1692年にイギリス側についたキャンベル氏族がグレンコー村のスコットランド側のマクドナルド氏族を突然攻撃し全滅させた事件が起こりました。

これはその時キャンベル氏族がグレンコー村に滞在中で、マクドナルド士族に歓待を受けていた最中に起こったのでとても残酷な虐殺事件として語り継がれているそうです。

下の写真は人気の写真スポットで撮影した風景です。山、川、湖、草原などが広がるハイランド特有の絶景ポイントです。

同じ場所から周囲の風景を撮影した動画を下に掲載します。

スリーシスターズも代表的なビューポイントです(下の写真)。標高1000mほどの3つの山が連なり谷を流れる川とともに独特の景観を呈しています。

訪れた時は渓谷に雲が低く垂れ込んでいて視界があまりよくありませんでしたが、それでも雄大な美しい風景をたっぷりと見ることができました。三十数年前にもこの渓谷を訪れましたが、このような素敵な渓谷を車窓から眺めながら観光バスに揺られていくのは旅の醍醐味の一つだと思います。

風光明媚なグレンコー渓谷を満喫した後は、バスは、アイルランドのベルファストまでフェリーで行くためにグラスゴーの港へ向かって進んでいきました。

グラスゴーへ行く途中でレストランで昼食となりました。

左下はレストランの入り口の様子で、右下はキノコ、チーズ、トーストの前菜です。

左下はメインディッシュのたっぷりと具が詰まったパイ、右下はデザートのチョコレートケーキです。昼食の料理はどれもとても美味でした。

昼食後はまたバスでグラスゴーへ向けて出発しました。

ところでスコットランドは、最近大人気となった英米合同制作TVドラマ「アウトランダー」で昔の動乱の歴史やスコットランドの各地の美しい風景が紹介されて以来、ドラマに出てきたロケ地を中心に観光客が増えたそうです。

ネス湖のアーカート城のところで触れたジャコバイトについてもインバネス近くのカロデンの戦いなどドラマで詳しく描写されています。スコットランドに興味がある人にはとても見ごたえがあるドラマですのでご覧になることをお勧めします。現在Netflix, U-NEXT, Huluなどで配信中です。

この旅行記は「アイルランドとスコットランドへの旅(3)」へ続きます。

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