カナダの紅葉鑑賞の旅(1)

はじめに

10月上旬にカナダのメープル街道の紅葉を見に行ってきました。8日間の団体ツアーでしたが、参加者は何と4名という少人数で、今まで経験した2名だけのツアーの次に少ない人数のツアーとなりました。

紅葉鑑賞の旅

紅葉と言えば、やはり美しく鮮やかに紅葉する広葉樹の種類が世界的に見ても豊富だと言われている日本の紅葉が一番だということで、以前から日本各地を訪れていました。

神社やお寺のお庭の紅葉が特に見事な京都、山全体が紅葉に包まれる乗鞍高原、水面に映る紅葉が素敵な長野県戸隠の鏡池、長野県茅野市の御射鹿池、乗鞍高原のまいめの池、紅葉の渓谷美が見事な山梨県甲府市の昇仙峡、手軽に訪れることができる東京都の昭和記念公園などが強く印象に残っています。その他もちろん日光、箱根、奥入瀬渓谷、十和田湖など日本全国にたくさんの紅葉スポットがあります。

海外での紅葉鑑賞は、カナダのメープル街道以外ではあまり話題になることはありませんが、北ヨーロッパやアラスカなど探せばたくさん鑑賞スポットはあるようです。たとえば北アメリカでも紅葉はありますが、「紅葉」というよりはほとんどの木の葉が黄色に色ずく「黄葉」になることが多いようです。

海外では紅葉(多くの場合黄葉)は、季節の移り変わりの単なる一つの状態だととらえて、日本のように「紅葉狩り」のような特別な思い入れのある風習はないようです。

子供のころは秋になると家族や友人とお弁当を持って紅葉と渓流が美しい山間の場所に出かけてピクニックを楽しみ、近くに落ちている綺麗に色づいた落ち葉を記念に持ち帰ったものです。

カナダのメープル街道

カナダのメープル街道は、ケベックからナイアガラに至るまでのセントローレンス川沿いの約800kmにも及ぶ紅葉が美しい街道です。日本ではメープル街道と呼ばれていますが、現地では街道上に史跡が多いことから史跡街道または文化遺産街道と呼ばれているそうです。

秋にはカエデ、オーク、ポプラ、シラカバなどの紅葉や黄葉が雄大で美しい風景を見せてくれます。

カナダの紅葉は山々を埋め尽くす美しい紅葉・黄葉が特徴的で、中距離、遠距離から眺めて広大な見事な絶景を楽しむことができます。一方日本の京都などでの紅葉は、池、渓谷や滝、お寺や神社、橋などの和風の趣のある建物と一緒に鑑賞するような近距離、中距離で楽しむ紅葉が多いと感じています。

ところでメープル街道の紅葉は年によってピークの時期が違ってきます。たとえ運よくピークの時期に訪れても雨天などお天気が悪ければせっかくの紅葉もその色がくすんでみえますし、また山には霧や靄などがかかって見晴らしが悪くなってしまいます。

紅葉ツアーを申し込むのはまだ席が空いている数か月前になりますので、紅葉のピークとお天気の両方に恵まれる確率はそれほど高くはないと思います。Webの口コミでもせっかくはるばるとカナダまで行ったのにうまく綺麗な紅葉を見ることができなかったという話はよく見かけます。

今回はメープル街道の過去の紅葉時期を十分に調査したうえで参加日を選び、運を天にまかせる気持ちで行ってきました。結果は、ローレンシャン高原では紅葉のほぼピークでしたが午前中は曇りで午後は雨となりました。またアルゴンキン州立公園でも紅葉のほぼピークでしたがお天気は曇りでした。その他の場所では概ね晴れに恵まれました。

なお、気温は東京の晩秋から初冬あたりの気温でした。

今回の旅のルート

今回のツアーのルートは下のGoogle Mapに示したとおりです。青色の線が航空機での移動、オレンジ色の線が観光バスでの移動です。

まず成田空港を夕方に出発するエア・カナダの便でカナダのトロントまで行きました。その後バスでナイアガラへ行き、次にハンツビルという街へ立ち寄り、アルゴンキン州立公園へ行って紅葉の林の中をハイキングして楽しみました。

次にオタワへ行き、紅葉で最も有名なローレンシャン高原へと向かいました。その後トロワリビエールに立ち寄り、ケベックを観光し、イースタンタウンシップスという観光リゾートを訪れて、最終目的地であるモントリオールへ行って、帰りはモントリオール空港からまたエア・カナダに乗って成田空港まで戻ってきました。合計で10か所の紅葉名所を訪れる旅でした。

なおエア・カナダの往復のフライトでは、9月にカナダのイエローナイフにオーロラを見に行った時と同じシグネチャー・クラスのゆったりした座席でした。

旅程1日目

夕方成田空港を飛び立って同じ日の夕方にトロント空港へ到着しました。空港を出てそのまま観光バスで約2時間かけてナイアガラの滝まで行きました。左下の写真は翌朝撮影した宿泊ホテルのスカイライン・ホテルです。右側の赤い部分がホテルで、渡り廊下でつながっている左の建物は様々なウォーターアクティビティが楽しめる室内プールです。右下は明るいネオンが眩しい夜のナイアガラの街の様子です。

 

ナイアガラの観光

到着した日の夜はライトアップされたナイアガラの滝(下の写真)を見学し、夜でも賑やかな街を少し散策しました。ナイアガラの滝を訪れたのはこれで3回目でしたが夜の綺麗なライトアップを見るのは初めてでした。展望台には大勢の観光客が来ていてゆっくりと写真が撮れないほど混んでいました。

旅程2日目

翌朝ナイアガラの滝の観光へ行きました。

ここはこのツアー最初の紅葉スポットでしたが、残念ながら今年は気候が暖かったためにこの付近ではまだまったく紅葉が見られませんでした。下は人気のスポットから撮影した写真です。豪快に流れ落ちる水の様子が良く見えます。

下の写真は35年前に上の写真と同じ位置から撮影したものですが、情景は当時とほとんど変わっていないことが分かります。

まず滝の付近を散策した後、人気のナイアガラクルーズを楽しみました。三十数年前にこのクルーズに参加した時には、皆に黄色の分厚いゴム製の雨合羽が配られて、その重くてゴム臭く着心地が悪い雨合羽に多少不快な思いをしました。しかし今回は極めて薄いビニール製のポンチョに変わっていてとても快適に過ごすことができました(左下の写真)。

 

クルーズ船が滝の近くに寄って行ったときに撮った動画を下に掲載します。水しぶきと強風で立っているのも大変でした。

下の写真はクルーズ船が船着き場へ戻るときに撮ったものですが、木々にはまだ紅葉は見当たりませんでした。

ナイアガラの滝は三十数年前に訪れた時と同様に観光客でとても賑わっていました。いまだに絶えることなく豊富な大量の水が囂々と流れ落ちているのを見て少し感動を覚えました。

メープルシロップの試食

ナイアガラの滝を楽しんだ後は近くのMaple Leaf Placeというメープルシロップの製造販売施設へ行きました。

建物の中の試食コーナーに行ってGolden、Amber、Darkという3種類のメープルシロップを試食しました(下の2枚の写真)。これら3種は煮詰め具合が違っていてこの順番にシロップの味が濃くなります。

私たちには多分一番濃いDarkがおなじみだと思います。パンケーキなどにかけて食べます。その他は好みですがよく料理やお菓子造りに使ったりするそうです。

下はメープルシロップを自動で瓶詰する機械のようです。

左下はメープルシロップを使った色々なお菓子で、右下はシロップが詰められたメープルの葉の形の瓶で、ここで販売をしていました。

下はカナダの子供たちに昔から大人気のおやつでMaple Taffyというものです。実際には外で雪の上にメープルシロップの液を流して固めて食べるようです。これも自由に試食できました。

左下はシュガーメープルという木の幹から樹液を採取している様子です。また右下は昔使っていたシロップを煮詰めるための大きな鍋です。

 

今回のツアーではこれ以降、色々なところでメープルシロップを口に入れる機会がありました。メープルシロップの味は気に入っているので、思いがけず旅行中の楽しみの一つになりました。

この日の昼食は、ナイアガラの滝が眺望できる展望レストランでとりました(下の写真)。

レストランにはバルコニーがあり外に出られるようになっていました。そこから眺望したナイアガラの滝の絶景が下の写真です。

昼食はバイキング形式でしたので、白身魚やビーフ料理とたくさんの野菜を取って食べました。

ナイアガラの滝の観光は紅葉には恵まれませんでしたが、とてもお天気が良く爽快で、絶景も見ることができてとても良かったと思います。

ナイアガラ・オン・ザ・レイク

ナイアガラ・オン・ザ・レイクは、ナイアガラワインの産地として有名で、オンタリオ州南西部のナイアガラ川がオンタリオ湖に流れ込む河口に位置しています。ダウンタウンはイギリス統治時代の150年以上も前の風情をそのまま残す家々が建ち並び、花々にあふれた情緒豊かな風景が楽しめる観光地です。

ナイアガラ・オン・ザ・レイクへ行く途中でバスの窓から撮影したナイアガラの街並みの動画です。世界的なリゾート地らしく綺麗で立派なお家が立ち並んでいます。お庭の芝生や花々などがとてもきれいに手入れされているのには感心させられました。

最初にシャトー・デ・シャームというワイナリーを訪問しました。下の写真は館内に飾られていたこの建物の空中写真です。ほぼ左右対称の美しい建物とお庭です。

まずワイン造りの話を聞いてたくさんの樽が並べられた倉庫などの見学をしました。

ここで造られているワインの試飲をさせていただきました。最後にはとても貴重なアイスワインの試飲もできました。ヨーロッパのアイスワインとともに世界的に有名だそうです。

ワイナリーを後にして次は昔のイギリスの面影が残る街並みで有名なダウンタウンへ行きました。

ところでナイアガラ・オン・ザ・レイクには約60ものワイナリーがあると言われています。

ダウンタウンに行く途中でバスの窓から撮影した動画を掲載します。道沿いにはたくさんのブドウ畑、ワイナリーが見えています。家々の芝生も綺麗に手入れされていますが、これはこの地域ではちゃんと芝刈りをしなければならないというルールがあるそうです。

ダウンタウンではイギリス風の街並みを楽しみながら散策をしました。

下の写真はプリンス・オブ・ウエールズ・ホテルという有名なホテルの正面の様子です。何人かの観光客がその前で記念撮影をしていました。

散策中に見かけた紅葉と観光馬車の風景です。カナダに来て初めて見た紅葉です。

下の写真はクイーンズ・ロイヤル・パークという公園でオンタリオ湖に面しています。ここから左方向に湖に沿ってよく整備された遊歩道があります。

ナイアガラ・オン・ザ・レイクの街での散策の様子を撮った動画を2本掲載します。

最初の動画は、クイーンズ・ロイヤル・パークという美しい公園とオンタリオ湖へ向かって歩いていく様子です。オンタリオ湖は五大湖の中では小さい方ですが四国とほぼ同じ面積を占めるそうです。

次の動画は、昔のイギリスの雰囲気が残るダウンタウンの街を散策する様子です。歩道に沿って整備された花々もとても素敵です。

ナイアガラ・オン・ザ・レイクでワイナリーと街の観光をした後、バスで約4時間半かけてハンツビルという街へ行きました。

ハンツビル

アローヘッド州立公園とアルゴンキン州立公園の中間に位置するハンツビルは、「オンタリオ州の冒険の首都」と呼ばれているそうです。この街は多くの自然遊歩道、公園、湖へのアクセスが良く、夏にはハイキングやキャンプなど冬にはスキーなどとアウトドア・アクティビティが楽しめるからだそうです。

下はこの日に宿泊したホテル「ベストウェスタン・ムスコカ・イン」です。郊外のリゾートホテルという雰囲気でした。

夕食は近くのレストランでいただきました。スープ、鶏の料理とデザートのアイスクリームでした。

今回のツアーではこのハンツビルでは観光はありませんでした。明日のアルゴンキン州立公園の観光に備えて事前に近くに宿泊するのが目的だったようです。

これで旅程2日目の観光は終了です。

この旅行記は「カナダの紅葉鑑賞の旅(2)」へ続きます。

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