はじめに
以前から気になっていたヨーロッパの国々の一つにアイルランドがありました。
アイルランドと言えばアイリッシュダンス、アイリッシュコーヒー、北アイルランド紛争がすぐに思い浮かびます。ビール好きの人はギネスビールでしょうか。
上半身は動かさずに下半身だけで踊る独特のアイリッシュダンスは昔からテレビなどで頻繁に紹介されてきましたので日本でも多くの人が知っていると思います。
アイリッシュコーヒーはホットコーヒーにウイスキー等を混ぜた暖かいカクテルで、昔寒いアイルランドの空港で乗客に体を温めてもらうために考案されたそうです。数十年前ですが海外旅行の飛行機の中で小瓶に入ったアイリッシュウイスキーが他のリキュール類と一緒に提供されていました。その小瓶を何本か家に持ち帰り、家で夏にアイスクリームを食べるときに上からかけて食べていました。コーヒーとウイスキーの香りがアイスクリームの味を引き立ててくれたことを覚えています。
北アイルランド紛争は二十数年前に和平が実現し、その後はアイルランドは順調に経済発展してきていると聞いていました。
アイルランドとスコットランドを巡るツアー
アイルランドだけを訪れるツアーを探しましたが適当なものが見つからなかったので、今回アイルランドとスコットランドを巡るツアーに参加することにしました。7月上旬に11日間で2か国を巡る団体ツアーです。
参加者は10名をかなり下回る人数で食事の時には必ず一つのテーブルになるほどの少人数でした。また観光バスも席はがらがらで好きな席にほぼ自由に座ることができました。おかげで窮屈なことは全くなくてとても快適な気楽な旅行になりました。
今回の旅のコースを大まかにご紹介します。下のGoogle Mapでは青い線が航空機、オレンジ色の線が観光バス、そして紫色の線がフェリーボートでの移動を示しています。
まず羽田空港からJALでロンドンへ行き、少しのフリータイムをとった後ブリティッシュ・エアウェイズでロンドンからエジンバラへ行きました。エジンバラ市内観光の後、バスで北上しネス湖でクルージングを楽しんだ後、最近人気のスカイ島へ観光に行きました。その後グラスゴーの港からフェリーでアイルランドのベルファストへ渡りました。
アイルランドの観光地を巡りながら最後はダブリンへ行き、市内観光をした後ダブリンからブリティッシュ・エアウェイズで一度ロンドンへ戻りロンドンからJALで羽田空港へ帰ってきました。
訪れた主な観光スポットは、ロンドン、エジンバラ、ネス湖、スカイ島、アイリーンドナン城、グレンコー渓谷、ベルファスト、ジャイアンツコーズウェイ、ダークヘッジズ、モナスターボイス墓地、タラの丘、ダブリン、キルケニー城、ギネスストアハウス、ウイスキー蒸留所などです。
スコットランドとアイルランドを観光中は、幾度となく強い風交じりの雨やしとしと雨に見舞われ、これらの地域独特の気候を体験することになりました。アイルランドでは「一日のうちに四季がある」とか「雨が降っていれば5分待てばすぐに晴れる」などと言われているように、今回の旅行中にも雨と晴れ(曇り)が十数分ごとに繰り返されたり、7月でしたが最高気温が13度~18度に冷え込んだりもしました。今回回ったスコットランドでもアイルランドと全く似たような気候になっていたことに驚かされました。
旅程1日目
羽田からは夜中にJALのビジネスクラスでロンドンへ出発しました。最近はANA系の航空機を優先的に使ってきましたのでJALのビジネスクラスに搭乗するのは数十年ぶりでした。
座席は下の写真のように個別に通路に出られるような造りになっていましたが、他の航空会社に比べてお隣の人との距離が感覚的に近すぎるように思いました。簡単に覗いたり覗かれたりされる状況で何か落ち着きませんでした。写真で分かるようにお隣の人との間には一枚の薄い仕切りがあるだけで発着時(シートベルト着用サインが出ているとき)には開けたままにしておかなければなりませんでした。
また久しぶりにJALの機内食をいただきましたが、どうも和食の味が昔より落ちているように感じました。5月に乗ったエミレーツ航空の和食の方がかえって美味だと感じました。
それでもキャビンアテンダントのサービスはさすがに良かったと思います。このJALの深夜便では搭乗してすぐの食事は提供されずに、離陸後約8時間後に最初の食事が提供されるような変則のサービスになっていました。深夜の出発なので搭乗客はまずゆっくりと睡眠がとれるような配慮になっていました。
旅程2日目
飛行機は早朝にロンドンへ到着しましたが、エジンバラ行きの飛行機は夕方でしたので、一旦空港を出てロンドン市内を観光することになりました。朝7時過ぎに空港を出て午後3時頃までに空港へ戻ってくるまでのほぼ半日のフリータイムでした。
ロンドン市内観光
添乗員さんが終日電車・バスの乗り放題のトラベラーズチケットを配ってくれて皆さんを市内まで案内してくれるということでしたが、私自身は家族の一人がロンドンに在住していて久しぶりに会いたかったのでツアーの皆さんとは別行動にしました。
三十数年前に一度ロンドンの市内観光はたっぷりと楽しんだ経験があるので今回はまだ行っていない少しマイナーな観光スポットを回ることにしました。
待ち合わせ場所としてはロンドン観光の中心に近い地下鉄のピカデリーサーカス駅の改札口にしました(下の写真)。この駅にはこの円弧状の形に配置された改札口が1か所しかないので分かりやすい待ち合わせ場所です。ただしここは携帯電話が繋がらないので注意が必要です。
まずロンドン・アイの近くに行って有名なカフェで軽食をいただきました。下の写真はビルの合間から覗いたロンドン・アイの大観覧車です。
お洒落なカフェでパンケーキとラテをおいしくいただきました(下の写真)。JALの航空機がロンドンに到着する直前にはあまり食欲がなくて機内食は食べませんでしたのでここで小腹を満たすことにしました。
テムズ川のクルージング
最初の観光はテムズ川のクルージングで、ロンドン・アイからタワーブリッジまでの約30分間の船旅を楽しみました。
左下は近くで見つけたポテトチップスの宣伝ディスプレイですがポテトでロンドン・アイを表現しています。右下はクルージングの乗り場ですがまさにロンドン・アイの真下の位置にありました。
下の写真は船乗り場から見た荘厳な造りの国会議事堂とビッグベンです。
下の写真は私たちが乗り込んだクルージング船です。船首に掲げられたイギリス国旗が目立ちます。
下の3枚の写真は船から見た風景です。当日はまさにロンドンらしい曇り空でしたが雨は降っていなかったのでクルージングを十分に楽しめました。3枚目の写真は私たちが船を降りるタワーブリッジの近くまで来たときの風景です。
下にこのテムズ川クルーズの一部の様子を撮影した動画を掲載します。水は綺麗とは言えませんが街の中心部分を通るので両側には有名な建物や施設がたくさんあり、川から見た風景を楽しむことができます。
タワーブリッジで船を降りた後、タワーブリッジの建物の内部の観光へ向かいました。
タワーブリッジの入口へ続く道はまだ朝早いのに多くの人で賑わっていました(下の写真)。
タワーブリッジ観光
タワーブリッジの内部はタワーブリッジの生い立ちや建築の様子、橋の開閉機構の説明などが展示された博物館のようになっていました。橋の4階部分の渡り廊下も歩いて渡ることができるようになっていました。下の写真はその渡り廊下から眺めたロンドンの街並みです。
4階の渡り廊下の一部は足元がスケルトンになっていました(下の2枚の写真)。
下の写真のようにタワーブリッジの歴史や建造の様子のビデオが上映されていました。
橋の昔の開閉機構を見学するには一度橋の歩道へ戻って少し歩きますが、このとき運よく橋が開閉する瞬間に出くわしました。その時の様子を動画におさめました。
橋の歩道を少し歩いていき橋の昔の開閉機構を見学できる場所へと移動しました。左下は石炭を燃料とした昔使っていた蒸気機関で、これを動力源としてはずみ車を回し、力を増幅して橋の開閉機構の歯車を動かすようになっていました。右下はその動力を増幅して伝える機構です。
そのはずみ車が回る様子を動画におさめましたので下に掲載します。
タワーブリッジ見学の後はまた地下鉄に乗って飲茶で有名な中華レストランへ行って昼食をとりました。
このお店は「焼き小籠包」(左の写真)が大人気ということでそれらを注文しおいしくいただきました。家族の話ではロンドンにはおいしいイタリア料理や中華・台湾料理のお店がたくさんあるそうです。
束の間でしたがとても楽しくロンドン市内の見学を終えて午後3時にはエジンバラへ行くためにまたヒースロー空港へ戻ってきました。
このツアーの最初の観光地はエジンバラでした。エジンバラは三十数年ぶりの再訪でしたがあらためて古風で落ち着いたスコティッシュな独特の街並みを楽しむことができました。
左下はエジンバラ空港を出たあたりに設置されていた「EDINBURGH」の文字モニュメントです。この場所にしかないそうです。右下はエジンバラで1泊したホテルのホリディ・インです。
旅程3日目
下の写真はホテルそばの道路でエジンバラらしい昔ながらの荘厳な街並みと二階建てバスが目立っていました。
エジンバラ観光
エジンバラ観光ではエジンバラ城の入場観光が楽しみでしたが、当日残念ながら王室行事がエジンバラの街中で執り行われていてセキュリティが厳しくてエジンバラ城の正門にさえ近づくことができませんでした。
三十数年前にエジンバラを観光した時にはたっぷりとエジンバラ城の内部を観光しました。このお城はとても気に入っていて再度の入場を楽しみにしていましたので少しがっかりでした。
ツアーではエジンバラ城の代わりとして有名なカールトンの丘へ行きました。
カールトンの丘
ここは元は火山だったそうですが、今は世界遺産の街エジンバラを眺望できる丘の公園になっています。左下は入り口付近にある案内図です。右下は戦没者記念碑で、トラファルガーの戦いなどのナポレオン戦争で命を捧げたスコットランド兵士を追悼する目的で1822年に建築が始まりましたが、途中で予算がなくなり写真ような中途半端な状態になっているそうです。
下の写真は丘の上からエジンバラ城や街並みを望む絶景で、人気の写真スポットになっています。左下の塔はネルソン記念碑で高さが32メートルあります。ホレーショ・ネルソン海軍提督の1805年のトラファルガー海戦での戦勝記念として1815年に建てられました。塔は展望台となっています。
右下は丘からフォース湾を望んだ風景です。
実はカールトンの丘も再訪でしたが、三十数年前に訪れた時と全く変わっていなくて、気持ちの良い緑の芝生に覆われた公園でした。
下の動画はエジンバラの街をバスで移動するときに街並みを撮影したものです。映像の中にユニクロのお店が出てきますがごく最近オープンしたそうです。
ホーリールード宮殿とロイヤルマイル
次に向かったのはホーリールード宮殿です(下の写真)。この場所も王室行事の関係で警備員が警備しており門の前までしか行くことはできませんでした。おとぎ話に出てくるような可愛い塔が見えていました。
下の写真はエジンバラ城とホーリールード宮殿を結ぶメイン・ストリートであるロイヤルマイルでの警備の様子です。王室行事のために多くの警備員や警官が出動しています。
ロイヤルマイルを歩いていく様子を動画で撮影しましたので下に掲載します。
左下は行事に参加するであろう若い男性や女性が着飾って集まっているところです。右下はこのあたりでよく見かけるスコティッシュの服や用品を専門に売るお店です。いかにもスコットランドらしい情景だと思います。
王宮警護隊の行進
この日はエジンバラ城の観光はかないませんでしたが、その代わりに幸運にもめったに見られない王宮警護隊の行進の風景を見学することができました。下の写真は楽団が行進の準備をしている様子です。
朝の10時から行進が始まるということで皆で待機していました。
下の動画は王室警護隊の皆さんが集まってくる様子を撮影したものです。
10時前になって先発隊らしきグループが行進を始めました。
そしていよいよ本隊の行進の始まりです。
このツアーの次の目的地であるネス湖に移動する時間がせまっていましたが、最後までこの行進を見学することができました。
この旅行記は「アイルランドとスコットランドへの旅(2)」へ続きます。