はじめに
586もの島々からなるパラオ共和国は以前からテレビでよく紹介されてきました。特にコバルトブルーの海でのダイビングやカヤックが有名です。
日本との時差がなく、途中乗換えでも飛行機で5時間半ほどで気軽に行くことができるのが最大の魅力でしょう。一部の航空会社では期間限定で直通便を出したりしていますが、すぐに満席になってしまうようです。
この10月にふらっと南国の島に行きたいと思い個人旅行で訪れようと色々と調べていたところ、自分が行きたいところを網羅した5日間の団体ツアーを見つけ、結局それに参加することにしました。
今回はパラオについてよく知ることが目的で、泳いだり、シュノーケリングしたり、カヤックに乗ったりとマリンスポーツではなく、単純に見学や観光がしたいと思いました。
今回の5日間の旅程での見学・観光は大きく下記の3つです。
- パラオの文化・産業の見学
- 世界遺産ロックアイランドのクルーズ観光
- ペリリュー島の戦跡ツアー
旅程は下記のGoogle地図の青線で示したように、まず飛行機で成田からグアムへ行き、飛行機を乗り換えてパラオへ行きました。コロール島のホテルに旅行期間中連泊し、そこを拠点にして観光バスとボートを使って色々な観光スポットを訪れました。
今回使用した航空会社はユナイテッド航空です。帰りの飛行機のパラオ出発が深夜の2時頃でグアムでの乗り換えも早朝5時頃となるためゆっくりと休めるようにビジネスクラスの座席としました。
この記事では1日目~成田からパラオへと2日目~パラオの文化・産業の見学をご紹介します。
1日目~成田からパラオへ
朝方に成田へ集合でした。ユナイテッド航空はスターアライアンスに属しているので成田ではANAとユナイテッドの両方のラウンジが使えますが、最近はANAラウンジによく行っていたので今回はユナイテッドのラウンジ(United Club)へ行きました。
United Clubの入り口(左)と入ってすぐの広々とした空間(右)
各種のお寿司(左)と日本的なオブジェ(右)
こちらのラウンジで朝食をゆくりといただきました。特に良かった点は左上の写真でもわかるようにお寿司の種類が比較的多めだったことです。お米は少し固めでしたがサーモン、海老、卵焼きのお寿司、チキンの照り焼きロールなどをおいしくいただきました。
お昼前に成田を出発しました。左の写真は準備中のユナイテッド航空の飛行機です。
成田~グアム路線のビジネスクラスの席は少し特殊で、2-4-2の配列で、4連席の中2席と、2連席の窓際席からは自由には通路に出られません。
またお互いに向きが逆で、全席の半数が向きが飛行機の進行方向とは逆向きに座ることになります。さらに隣の席とは一方の肘掛が共用になっています。
最近は多くの航空会社ではビジネスクラスは全席から自由に通路に出られる個室イメージの配置になっていて、もちろん全席進行方向または斜め前方向を向いています。ユナイテッド航空は残念ながら最新の座席配置への切り替えが遅れているようです。
ただし座席はゆったりとしたフルフラットのベッドにできるタイプです。
座席の様子(左右)
グアムに到着後米国入国手続きを行い、すぐに今度は米国出国手続きを行いました。ただし預け入れたスーツケースはそのままパラオまで行きます。
米国入国手続きの際は、ESTAを持っている人とそうでない人は別れて違う列に並びそれぞれ手続きを行うこととなります。
ESTAを持っていない場合は機内で記入した入国書類の審査など入国までの時間はかなりかかってしまいます。ESTAを持っている人は機械の簡単な自動処理と最後に人による確認だけが行われます。
右の写真は米国入国手続きを待っている人の長い列です。
グアム空港での待ち時間が2時間ほどあったのでユナイテッド航空のUnited Clubラウンジへ行き果物や飲み物などをいただきました。ここは成田空港のラウンジよりもかなり狭い感じでした。
United Clubラウンジの入り口(左)となぜかガラスジョッキで提供されるヌードル(右)
グアムから飛行機を乗り換えて夜遅くにパラオに到着しました。その後バスで連泊するパレイシアホテルへ向かいました。
パラオ空港の出口待合場所の様子(左)とパレイシアホテル(右)
パレイシアホテルのロビー(左)と中庭にあるプール(右)
左はパレイシアホテルの正面玄関付近にある椰子の木の写真です。
椰子の実がたくさんついています。
2日目~パラオの文化・産業の見学
ホテルで朝食を取った後コロール島とバベルダオブ島をめぐる見学ツアーへ行きました。
ノニジュース製造、タロイモ焼酎製造工場の見学
まず最初に訪れたのは、元SONYの盛田さんのご子息が投資している団体が経営するパラオの農場です。
ここでは日本向けに輸出しているノニジュースと地元名産のタロイモ焼酎を製造していました。
色々な製造設備が置かれている建物(左)と無造作に放置された錆びたトラック(右)
ノニジュース製造
ノニジュースは以前日本でもテレビなどで取り上げられて一時ブームになりましたので日本ではかなり知られた健康ジュースです。栽培されたノニを収穫し、容器に入れて熟成し、最後にフィルターを通してジュースを造るということです。
ノニが実っている木(左)と収穫されたノニがバケツで熟成させられている様子(右)
熟成中のバケツの中身(左)と熟成終了後にジュースを絞るプレス機(右)
最後の工程は左の写真にあるような殺菌フィルターでノニジュースが出来ます。
作られたノニジュースは倉庫にたくさん箱詰めされていてまもなくすべてに日本へ輸出されるそうです。
ノニジュースは多くのミネラルを含む素晴らしい健康飲料ですが、カリウムがかなり豊富だということで飲みすぎには注意だということです。
タロイモ焼酎製造
この農場では自分たちで栽培したタロイモを原料にしてかなり本格的な製法で焼酎を製造しているとのことです。
まずお米を蒸して米麹を作り、酵母菌を加えて発酵させ1次もろみを作った後蒸したタロイモを加えて発酵させ2次もろみを作り、それを蒸留して高濃度の焼酎(原液)を造るということです。
この農場ではこれらの工程を人手でこなしているそうです。各種の機械・装置がある建物内には空調はなく窓の開け閉めで温度を調節しているとのことでした。
材料のタロイモ(左)と最後の蒸留工程で使う蒸留器(右)
蒸留された焼酎を瓶詰めする装置(左)と従業員の休憩所の様子(右)
なお、この日予定していたタロイモ収穫体験は残念ながら都合により実施できませんでした。ここで作られたタロイモ焼酎は地元だけでなくお土産ものとしても売れているそうです。
建物の片隅にあったスターフルーツの苗(左)パラオの国鳥ビーブの雛(右)
この日の農場見学では、ノニジュースやタロイモ焼酎の濃い原液の試飲なども行われていました。
リーダー以下従業員は皆パラオ人のようでしたが、説明してくれたリーダー以外は私たちの見学中は皆物陰に隠れていました。
パラオの人たちは明るくお話好きで親切だということですが一方とても恥ずかしがりやだそうです。
農場見学を終えた後、近くの川原にある公園に行きお弁当のランチをいただきました。その時間帯には運悪く南国特有のスコールに見舞われたので、バスごと公園の橋の下に停車してバスの中でお昼ご飯となりました。
この橋は一度韓国によって建設されましたが残念ながら崩落してしまい、数名の死者が出たとのことです。
次は日本によって再度建設され現在にいたっています。
橋の下で雨宿りする私たちのバス(左)と「日本パラオ友好橋」のプレート(右)
スコールは30分ほどで止み晴れの天気に回復しました。
ストーリーボード工房の見学
昼食後はパラオを代表する民芸品の一つであるストーリーボードを制作している工房を訪れました。パラオの風物や伝説などをモチーフにした木製の彫刻物です。
木の板に下絵を描き、それに沿って彫刻刀で削っていきます。最後にニスや色を塗って完成となります。
右の写真はその工房の入り口です。残念ながら工房内部の写真撮影は禁止されていたので、作品の写真はご紹介できません。
ベラウ・ナショナル・ミュージアム
この博物館はパラオ最大のものでパラオの歴史に関する資料がたくさん展示されています。特に日本統治時代の写真や資料が見ものです。残念ながら館内は写真撮影が禁止されていました。
ベラウ・ナショナル・ミュージアム(左)と入り口のアプローチ(右)
横の庭にはパラオの伝統的建築物である「アバイ」が展示されています。内部も覗いて見ることができるようになっています。ここでは昔色々な重要な集会が行われていたようです。
綺麗に装飾が施された「アバイ」(左)とアバイの内部(右)
その庭には旧日本軍が使っていた武器、爆弾、プロペラなどが置かれていました(左下の写真)。さらにその隣にはパラオの伝統的な小船が展示されていました(右下の写真)。
その後バスで少し小高い丘の上に作られた立派な国会議事堂・裁判所へ見学に行きました。
国会議事堂・裁判所
周りに建物がない広々とした場所に建設されていました。見た目はローマ時代風の柱を持つ荘厳な建物になっていますが、柱などは本物の大理石ではなくかなり軽い素材で代用していました。
建物から海を眺めた風景(左右)
この建物群の中にもアバイ風の建築物がありました。
見学を終えた後コロールのメインストリートにある大きなスーパーマーケットへ立ち寄りました。
このスーパーで明日のロックアイランド観光で使うビーチサンダルを購入しました。
その後一度ホテへ戻りました。夜に暗くなって再度バスで国会議事堂へ行きました。そこでは夜の国会議事堂の見学をしたあと、その庭で夜の星空鑑賞を楽しみました。
ここでは空気も澄んでいてまた明かりも少ないので綺麗な星空を鑑賞することができました。その後バスで郷土料理のレストランへ行き夕食を取りました。
夕食は左の写真の右上のように、タロイモが主食で、パラオの人々が家で食べている郷土料理ということでした。
右下にはハワイなどでもおなじみのスパムの握りがあります。
夕食の後今日の観光をすべて終了しホテルへ戻りました。
この旅行記は「パラオに観光旅行(2)」(3日目~ロックアイランドのクルーズ観光)へ続きます。