はじめに
4月の中旬に家族で群馬県の草津温泉への2泊3日のプチ旅行を楽しんできました。
草津温泉と言えば、日本三大名湯の一つで日本の温泉旅行先の人気ランキングでも常に上位に入っています。標高2,160mの草津白根山から産まれる質の高い豊富なお湯は自然湧出量が日本一です。草津には主な源泉が6つあり、そのほか数えきれないほどの源泉があるそうです。
この温泉地は四季折々の自然に囲まれ、色々な観光スポットやお土産物、グルメなどを楽しめる場所がたくさんあり、毎年多くの観光客を集めています。
元々家族は皆温泉には関心が高く、今までに九州の由布院温泉、別府温泉、指宿温泉、関東地方の熱海温泉、箱根温泉をはじめ東北地方や、長野県・山梨県など中部地方の温泉、近畿地方の温泉などかなり幅広く出かけてきました。
しかしあまりにも有名なこの草津温泉は観光客で非常に混雑するだろうということで敢えて避けてきたので、今回が初めての訪問になりました。
東京都心からは電車で行く場合、思ったより乗り換えが多くなり時間がかかりました。新幹線でまず軽井沢へ行きそこからバスやタクシーに乗った方が楽に行けるようです。
その日の夕方遅くにようやく草津温泉へ到着しました。
ホテルに荷物を置いてまず最初に向かったのはテレビで何度も見たあの有名な湯畑です。
ライトアップされた夜の湯畑
湯畑では上流のお湯が沸き出る池である「御汲み上げの湯」や次の冷却所である7本の「湯樋(ゆどい)」、最後に轟音と共に流れ落ちる「湯滝」が見どころで湯けむりに煙る風景はまさに草津温泉のシンボルです。温泉地特有の硫黄の香りもあたりに充満していました。
宿泊したホテル
下の写真は今回2泊したホテル「草津ホテル1913」です。1913年に大正時代の建築様式で建てられた趣のある木造のホテルです。
部屋には温泉が出る風呂が付いていたので、滞在中部屋の温泉風呂と温泉大浴場の両方に入ってのんびりと草津温泉を楽しみました。
このホテルはこの温泉郷の観光に便利な場所にあり、湯畑まで徒歩8分、西の河原公園まで徒歩5分でした。また最寄りの草津温泉バスターミナル~ホテル間は往復の送迎バスが利用できます。
次の日の朝から観光へ出かけました。
西の河原通り・湯畑
まず草津温泉のメインストリートである西の河原通りを散策しました。ここにはお土産物屋さん、レストラン、饅頭などの食べ物のお店が集まっています。ガラス製品のお店も何件か見かけましたが、下の写真はそのうちの一軒のお店の前に何故か置かれていた古い郵便ポストです。
湯畑に到着しました。草津温泉を訪れたのは4~5月のゴールデンウィークの前でしたが、この日もたくさんの観光客で賑わっていました。
湯畑の前で周りの様子を撮影した動画を下に掲載します。
湯もみショーの見学
湯畑の目の前にある「熱の湯」というところで草津名物の「湯もみショー」が行われているというのでそれを見学しました。運よく並ばずにすぐに入れましたが1階席はすでにいっぱいで2階席から鑑賞することにしました。
下に湯もみショーの様子を撮影した動画を3本掲載します。最初に係の人が「写真も動画も撮り放題です!」とおしゃっていましたので安心して遠慮なく撮影しました。
最初の動画は名物「草津節」の歌に合わせての踊りです。
次の動画は湯もみの様子です。
最後の動画では、終わりの方でダイナミックな湯もみの動作が見られます。これは効率よくお湯を冷やすと同時に酸素を取り込りこむのが目的のようです。
2階席の廊下の壁に下の写真のような漫画の絵が掲げられていました。1980年6月9日に日本の漫画家の錚々たるメンバがこの草津温泉に集合したようです。
草津温泉の散策
草津にある主な源泉6つのうちのいくつかを巡りました。
下は白旗源泉です。この白旗の湯は、主な6源泉の中で唯一、白濁しているお湯で、硫黄分が強く湯の花も多く見られるとのことです。この源泉は源頼朝が発見したとも言われていて古い歴史をもっています。
下は地蔵源泉です。ここのお湯は特に眼病に効果があることで有名です。ただし草津温泉のお湯はすべてPH2程度の強酸性泉なので目にしみるそうです。
再び湯畑をゆっくりと散策し、湯滝と滝つぼの様子を撮影しました。この滝つぼから約50件の旅館やホテルへお湯が供給されているそうです。
高温の温泉の冷却を担う7本の湯樋です(下の写真)。水を加えて温泉の温度を下げると効能が落ちてしまうので、草津では昔から温泉をこのようにして入浴できる程度まで冷まして使っているそうです。またここでは湯の華も採取するようです。
下の写真は、湯畑から歩いて数分のところにある白根神社です。
この神社は火山である白根山を祀っていて、元々は白根山上にあったそうです。境内には、白根神社本殿のほか、沼神社、諏訪神社、三峯神社等があり、また近くの林の中には、松尾芭蕉の碑、高村高太郎の碑、十返舎一九の碑などたくさんの見所が点在しています。
緑のとても静かな林の中を色々な碑を探しながら散策するととても気持ちがよいです。
お昼には西の河原通りにある釜めし専門店で海鮮釜めしをいただきました(左下の写真)。かなり人気のお店のようで、店の前の椅子に座って20分ほど待たされましたが、味はとても美味でした。右下の写真はゴマ専門店の中の様子で、ゴマがうすの中に入れられて擦りつぶされているような状態でした。
草津温泉滞在中には、グルメとしてはこのほか、カキなべ、お蕎麦、温泉卵、温泉饅頭、ゴマのお菓子など色々な味を楽しむことができました。
西の河原公園
午後からは宿泊したホテルの向こう側にある西の河原公園へ行きました。
川に手を入れると温泉の暖かさが分かります。家族連れの観光客や地元の人?がたくさん見受けられました。
下の写真は西の河原公園の上流の方にある源泉で湯気が立ち上っています。危険なため周辺は立ち入り禁止になっていました。
西の河原公園は川に沿って細長く整備された広い公園で最後は山の方へ続いています。お湯の川を見ながらのゆったりした散策はリフレッシュできてとても爽快でした。
夕方に再び西の河原通りへ戻ってきました。下は温泉卵を温泉につけて作っている様子です。
湯畑の向こう側には階段があり登ると「草津山・ 光泉寺 」という真言宗のお寺があります。奈良時代に道に迷った高僧行基が、病人のために祈祷したところ万病に効く草津温泉が湧き出たそうです。高い泉質を守るため薬師如来像を彫り薬師堂を創建したのが始まりと言われています。有馬温泉の「温泉寺」、山中温泉の「医王寺」と共に日本三大温泉薬師の一つです。
下の写真は林の向こうに見える五重塔で、最近創建されたそうです。
朝風呂から始まり、草津温泉の見どころを一日かけてゆっくりと巡りました。グルメを食したり、特産品のお土産物屋さんを覗いたりと良く歩き回りました。
2日目の観光
次の日は午前中だけの観光でした。
草津温泉はほとんど回ったので近郊の観光スポットへ行くことにしました。草津温泉から東に少し行ったところにある上州湯ノ湖のすぐそばの百八十八観音というところにタクシーで行きました。
上州湯ノ湖には品木ダムがあります。ここには草津温泉からPHが低い強酸性の水が流れて来るのでこのダムでせき止めて水のPHを上げる処理をしてから下流に流しているそうです。
百八十八観音は、品木ダムによりできた上州湯ノ湖を見下ろす場所にあります。 この石仏群は、江戸時代に品木の山本梅右衛門により建立されたもので、坂東三十三観音、西国三十三観音、秩父三十四観音、四国八十八霊場を模していて、ここ1箇所を回れば188箇所を巡ったことになり、全ての功徳が得られるとされています。江戸時代の貴重な文化財だということです。
左下は石仏の背面から見た景色で、右下は石仏群の直ぐそばでようやく芽生えたフキノトウです。
観音様は長い年月の間風雨に晒されてきたようで表面はかなり浸食されていて背面の文字も読めない状況になっています。
ちなみにタクシーは草津温泉から片道約30分でした。
2泊3日の短い滞在でしたが草津温泉のお湯、見どころ、グルメなど魅力は十分に堪能できたと思います。
帰りのことですが、ホテルから草津温泉バスターミナルまでの送迎バスの出発時間がうまく合わなかったのでフロントでタクシーを呼んでもらおうとしましたが、フロントの女性が機転を利かせて特別にホテルのマイクロバスを運転して送ってくれました。この女性は若い外国人でしたが、ワーキングホリデーで働いていたのではないかと想像されます。
なお、本格的に湯治を行いたい人は草津温泉独特の入浴法である時間湯があります。高温で非常に殺菌力のある草津温泉のお湯に効果的にかつ安全に入るために江戸時代末期に始まったと言われています。