年末年始に家族でハワイ旅行(3)

はじめに

2023~2024年の年末年始にハワイ島4泊、オワフ島4泊の合計8泊10日で家族で観光旅行へ行ってきました。主な目的はワイキキ海岸で毎年年末に実施されるカウントダウン花火を鑑賞することです。この記事では旅程4日目のハワイ島キラウエア火山1日観光の様子をご紹介します。

4日目

旅程4日目は朝8:00から夜19:00までの貸切チャーターによるキラウエア火山1日観光です。この観光はハワイ島観光の目玉です。

旅程2日目にハワイ島一周1日観光(貸切チャーター)を楽しみましたが、その時は立ち寄る観光スポットからキラウエア火山(世界遺産ハワイ火山国立公園)地区はあえて外していました。目玉なのでここだけを一日かけてじっくりと回りたかったからです。

ホテルの正面玄関で時間通りピックアップしてもらい南回りでキラウエア火山方面へ向かって出発しました。ガイドさんは男性のベテランガイドさんでしかもキラウエア火山について特に知識・経験が豊富な人でした。乗り込んだ車も乗り心地の良い高級タイプで、長距離を走っても疲れないように配慮しているとのことでした。

自然農園

最初に立ち寄ったのはお手洗い休憩を兼ねて緑豊かな林の中にある自然農園でした。そこではマカダミアナッツをはじめ各種農作物を栽培し、また養蜂もしていて蜂蜜をとっていました。

広い庭の一角で色々な植物が栽培されていました。左下の写真はアップルバナナで右下の写真はホワイト・トーチジンジャーです。

 

下の写真はハワイでは有名なグリーン・ティーリーフです。ハワイに住む人々の生活に深く関わるティーの木は、葉を編んでレイを作ったり、フラダンスの時につけるスカートに使用されています。魔除けやお守りの役割もあるとのことです。グリーン・ティーリーフはレストラン、ホテル、空港の庭などハワイ島のいたるところでよく見かけます。

売店の中では無料のコナコーヒーが振舞われ、また各種フレーバーのマカダミアナッツの試食もできるようになっていました。お店の人が8種類ほどの違った味のマカダミアナッツを短時間の間に次々と手のひらに乗せてくれるのでその都度食べていると食べるのが間に合わなくなるほどでした。

また自作の色々な種類の蜂蜜も販売されていて、味見をしてなかなか味が良かったので自分たち用やお土産用にそれぞれ数パックずつ買い求めました。

自然農園を後にして車はサウスポイントへ向かいました。

サウスポイント

サウスポイントはハワイ島の最南端の岬でありまたアメリカ合衆国(50州)の最南端でもあります。この岬はカラエ岬でハワイ語で「Ka Lae」とかくようです。カラエは「先端」という意味だそうです。

山から極めてなだらかに海岸の方へ向けて下っていきましたが、途中から視界が急に広がって素晴らしい大平原の眺望になりました。はるか先の方に海が見えているのですが草原があまりにも広大で車で走って行ってもなかなか海岸まで行きつきませんでした。このような解放感にあふれた景色は日本ではまず見られないようなもので感動さえ覚えました。

下の写真は草原の途中で車を止めてもらい撮影した写真です。草原をまっすぐに走る道路とそのわきにある傾いた木が特徴的です。この木が左に傾いているのはこの場所では常時右から左方向へ強い風が吹いているからだそうです。

予想以上の時間をかけてようやく海岸まで到着しました。

カラエ岬の周辺はごつごつした岩海岸で強風が常に吹いていました。このカラエはハワイで最も早く入が入植した地域のひとつだそうです。ハワイ島はハワイ諸島の中でタヒチ島に最も距離が近いので、大昔ポリネシア人が最初に上陸した場所がこのカエラだったそうです。

下の写真はカエラ岬の先端付近です。ここはカジキマグロなど大型の魚が良く釣れることで有名だそうで、当日もたくさんの釣り人が来ていました。自分の車に寝泊まりしながら数日は頑張のではないかと思います。

岬から眺めた海の色は素晴らしい濃い青色(群青色から紺青色)でまるで吸い込まれそうな色合いでした。多分かなり水深が深いものと思われます。

下の写真は草原を山の方へ帰っていくときに車のフロント越しに撮影したものです。正面遠くの方に風力発電の白い風車がたくさん並んで見えています。やはり常時強い風が吹くので発電効率が良いのだと思います。もう少し大規模に設置しても良いのではないかと思いました。

サウスポイントはとにかく爽快で雄大でとても気持ちの良い場所でした。

サウスポイントを後にしてキラウエア火山へ行く途中に絶景が見える場所で車を止めてしばし休憩しました。下の写真は海岸線の美しい風景です。この付近は海の色がどこも濃い青色で空の薄青色とのコントラストが素敵です。

延々と続く一本道を通っていきました(下の写真)。そういえば日本の北海道にも「天に続く道」という有名な真っすぐに続く道があります。北海道の東の端、ウトロから斜里に向かう国道334号の先にある約28kmの直線道路で、このブログでも過去の旅行記で紹介しています。

車で次に向かったのはプナルウ黒砂海岸です。

実は2日目の旅行記で書いたように、ハワイ島一周1日観光(貸切チャーター)では、時間の制約から黒砂海岸観光はやめて、代わりに近場の海亀が見えるきれいな浜辺に行きました。このことをガイドさんに話したら、すぐ近くなのでプナルウ黒砂海岸に寄ってくれることになりました。

プナルウ黒砂海岸

この海岸の黒砂は、ハワイ島の火山の噴火で噴出した溶岩が長い月日をかけて波や風などに浸食されて細かな砂になりビーチを形成したとのことです。プナルウ黒砂海岸はハワイ島で最も有名なビーチのひとつだそうです。

下の写真は黒砂海岸の全景です。右寄りの真ん中あたりに甲羅干しをしている海亀さんたちが見えます。

甲羅干しをしている海亀さんたちの様子をアップで撮影しました(左下の写真)。ハワイでは海亀に2~3メートル以内に近づくことは禁止されています。そのため海亀さんたちは安心してのんびりと日光浴を楽しんでいるようです。

黒砂をすくい上げてよく見ると本当に真っ黒色をしていました(右下の写真)。太陽のもときらきらと綺麗に輝いていました。

 

プナルウ黒砂海岸では予想以上の数の観光客が来ていました。真っ黒な砂と甲羅干しをしている海亀たちを見学した後、ハワイ島観光のハイライトであるキラウエア火山を中心にしたハワイ火山国立公園へ向かいました。

キラウエア火山(ハワイ火山国立公園)

ハワイ火山国立公園は、キラウエア火山とその西にあるマウナ・ロア山を含めた1332平方Kmという広大なエリアに広がっています。この場所は世界的に最も活発な火山を有し、地学的、生物学的に貴重だということで1987年にユネスコの世界自然遺産に登録されたそうです。

キラウエア火山は60万年~30万年前に海底で噴火による溶岩の堆積が始まり、それが積もり積もって10万年ほど前に海面から突き出てきたのではないかと考えられています。太古の昔から現在にかけて活発に断続的に噴火を続けていて最近でもたびたび噴火や溶岩流出のニュースを聞くことがあります。

キラウエア火山の観光でまず最初に訪れたのが世界的に有名な海抜1,222mにあるキラウエア・カルデラです(下の写真)。このカルデラはキラウエア火山の主要カルデラで縦4.7Km、横3.1Km、深さ165メートルで面積が10.7平方Kmの巨大カルデラです。

あちらこちらから煙が立ち上るカルデラの底を見学しました。ガイドさんは三脚と双眼鏡を持参してきていてカルデラの底の詳しい状況を見せてくれました。カルデラの底には何か所かに地震計などの測定器が設置されているのもよく見えました。

右下の写真はカルデラとそれを見学している観光客の姿です。

 

ガイドさんの双眼鏡で向こう側に寸断された道路を見ましたが、道路と周りの大きさの比較でカルデラのスケールの大きさを実感することができました。

雄大なカルデラを見学した後ハワイ火山国立公園の中にあるレストランへ行って昼食をとることにしました。せっかく大自然の中に来ているのでそこでランチパックをテイクアウトして、森の中に入って行ってピクニックランチを楽しむことにしました。

下の写真は森の中を通過するときに撮影した様子ですが、道路の両脇が大きなシダに覆われていて映画「ジェラシックパーク」のシーンのようでした。今にも横から恐竜が飛び出してきそうな少しわくわくするような景色でした。

森の中にはトレッキングルートがあり(下の写真)、そこを分け入っていったところで脇にブルーシートを敷いて皆でレストランで買ってきたガイドさんお勧めのハンバーガーパックをいただきました。ワイルドな自然の中でのハンバーガーは予想以上に美味でなかなか体験できない貴重な時間を過ごすことができました。

昼食後は下の写真のような少し小さめのクレーターをいくつか見て周りました。

左下の写真は最近の溶岩流出によって道路が完全に埋まってしまい前方が行き止まりになってしまった状況です。右下の写真は道路の左から溶岩が少し道路にせり出してきてそのまま固まった様子です。

下の写真は直線状の大地の割れ目から溶岩が噴き出た後そのまま固まった様子です。地上に噴き出た溶岩のほとんどが画面右側に積もって固まっています。

下の写真の穴は溶岩が押し寄せてきたときに木が一本立っていた跡です。溶岩の温度に比べて木の温度は極めて低いので木が燃えて溶ける前にほぼ瞬時に周囲の溶岩が固まったからだということです。

溶岩が通過した後は下の写真のような溶岩台地になっていました。4つほど溶岩の柱が見えますが多分もともと樹木などが生えていた場所だと思われます。

ガイドさんが太陽の光を浴びて七色に美しく輝く溶岩のかけらが多くある場所に案内してくれました。例えばよく博物館などの売店で売っている置物として美しい鉱物のかけらのようなものがたくさん落ちていました。

しかしそれを持ち帰ると不幸になるそうです。以前ハワイ島から溶岩のかけらを持ち帰る人が多くいたので、対策としてそのような噂を敢えて広めたということです。

昔溶岩が山側から流れていった海岸方面へ車を走らせると両側は見渡す限りの溶岩に覆われた溶岩台地が続きました(下の写真)。ここでしか見ることができないような異様な風景の連続に感動しました。

下の写真は見渡す限りの溶岩台地の様子ですが、ガイドさんによるとここに案内した観光客の人たちは皆どこをどのように写真に撮るのかに悩むそうです。確かに溶岩が広大に広がっているだけの風景なのでどこにフォーカスを当てればよいかが分かりませんでした。

下の写真は右側が山側で左側が海岸の地形です。右側から左側に向かって溶岩が流れてきました。真ん中あたりで左側の台地が大きくくぼんでいるのは大昔に左側の地面が陥没したからだそうです。

山側の高い位置からくぼんでできた平原を眺めると、はるか下(画面の真ん中あたり)に左右に道路が走っているのが分かります。その広大なスケール感に驚かされました。この後あの道路まで車で降りていきました。

道路の脇に車を止めて溶岩台地の中へ歩いていって見物に行きました。粘り気のある溶岩が芸術的な模様を残したまま固まっているのが良くわかります(下の写真)。

下の写真は道路わきの溶岩の壁にあった溶岩洞(溶岩トンネル)です。周りの溶岩が固まった後このトンネルをまだ高温の溶けた溶岩が流れていった後だそうです。

左下の写真はいよいよ海岸に近づいて来たときの風景で、右下の写真は海岸線の景色です。

 

下の写真は海岸付近に群生していたナウパカという植物です。これはハワイ諸島に広く生息する植物で可愛い白い花びらは半円形で下側だけという変わった花をつけます。ハワイでは一年中花を咲かせているそうで、塩害に強いことから砂防用に植えられることが多いということです。

 海岸は溶岩の壁が切り立っていてとても荒々しい風景を呈していました。海の色は濃紺でまた風が強く大きな波が壁に当たって砕け散っていました。

下の写真は海岸に近い低い溶岩の平原からまた元の溶岩台地の上へと戻って行くときの景色です。

左下の写真は帰る途中の休憩時に見つけた野生の鶏です。ハワイには野生の鶏がたくさんいるそうです。右下の写真はまもなくカイルア・コナに帰り着くという頃に車のフロントから撮影した美しい夕暮れの風景です。

予定の数分遅れでカイルア・コナのホテル玄関前へ無事に帰ってきました。11時間の長時間に及ぶキラウエア火山1日観光ツアーでしたが、見どころが盛りだくさんでガイドさんの案内や解説がとても楽しくてあっという間に過ぎたような一日でした。

キラウエア火山という見学できる活火山の異様で珍しい景色がどこも素晴らしく感動的な体験になったと思います。ガイドさんの機転で黒砂海岸にも行けましたし、またワイルドな森の中でのピクニックランチも貴重な経験でした。

ガイドさんは訪れる観光スポットについて詳しく解説してくれるだけでなく、ハワイの日系著名人たち、例えばダニエル・K・イノウエ(ダニエル・K・イノウエ国際空港として名前が残っています)などハワイの発展にに少なからず貢献した人たちの生い立ちや貢献したことなども紹介してくれました。

ガイドさんの話によると、溶岩が流れて溶岩台地になったばかりの土地はかなりお安く購入できるそうです。ガイドさんのお友達もそのような土地を最近買って家を建てるそうです。ハワイの火山は大規模に爆発・噴火するというよりも、昔から溶岩の噴出という形をとることが多いようで、溶岩の流れる速度はかなりゆっくりなので住宅の近くに迫ってきても十分に避難する時間はあるとのことです。

この旅行記は「年末年始に家族でハワイ旅行(4)」に続きます。

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