北イタリア世界遺産ドロミテ観光(3)

はじめに

7月下旬に10日間の日程で北イタリアにある世界自然遺産ドロミテへ観光に行ってきました。この記事では旅程4日目のヨーロッパ最大の放牧地であるアルペ・ディ・シウジでの観光、ボルツァーノ近郊にあるロンコロ城の見学などをご紹介します。

旅程4日目

朝ブレッサノーネをバスで出発しオルティセイへ向かいました。オルティセイはシウジ高原の北に位置しておりドロミテ西部の北部地域の観光の中心となるリゾートタウンです。

アルペ・ディ・シウジ

この街からロープウェイに乗って約10分でヨーロッパ最大の放牧地であるアルペ・ディ・シウジへ着きました。アルペ・ディ・シウジでは約1時間ほど大草原を散策しました。7月下旬だったのでその時にはすでに花畑の花々は刈り取られた後でしたが、遊歩道の脇にはきれいな花がしっかりと咲いていました。

散策中に撮影した雄大な風景の写真を8枚下に掲載します。

下の写真で荒々しくそびえている山は、ドロミテを代表する名峰の一つであるサッソルンゴ山塊(最高3181m)です。

下の写真の面白い形の山はシリアール山塊(最高2563m)だそうです。この地域には魔女伝説が残っているとのことで、シリアール山の上には箒に乗った魔女が集まると言われているそうです。

下の写真の中心付近にはサッソルンゴ山塊のすぐ左側にある平べったい面白い形をしたセッラ山塊が写っています。セッラ山塊には旅程5日目にポルドイ峠からロープウェイで登ります。

下の写真は白い花が遊歩道脇に咲いている風景です。

下の写真はピンク色のかわいい花が咲いている様子です。

下の写真はサッソルンゴ山塊を背景に放牧中の牛を見かけたので思わず撮影したものです。夏の暑い時期は普通はすずしい場所に牛を移動させていると聞きました。

下に散策中に撮影した60fpsの4K動画を掲載します。

この日のアルペ・ディ・シウジではロープウェイで登った展望台からひたすら歩いて遊歩道を下りながら散策を楽しみました。最後はリフト乗り場まで降りてきてそこで今度はリフトに乗って元の展望台まで戻るという行程でした。

好天にも恵まれて雄大な山々や広大な牧草地を見ながらのとても気持ちの良い散策ができました。特に全行程が緩やかな下り坂というのもありがたいと思いました。

散策の終点付近でリフト乗り場が見えたあたりで撮影した4K動画も下に掲載しておきます。とにかく周りの風景が開放的でかつ牧歌的な素晴らしい場所でした。

アルペ・ディ・シウジでの散策を終えてロープウェイでオルティセイの街へ降りてきました。そこで昼食をとりその後オルティセイの街を少し散策しました。

下の写真に写っている橋を向こう側に渡るとオルティセイの街の中心街へ行けます。小規模ですがかわいい街並みです。

オルティセイはスキー場としても有名ですが木彫り細工も名産品になっています。町のいたるところに木彫り細工のお店がありました。また歩道の脇にはあちらこちらにきれいな花壇が整備されていて街歩きが楽しい場所でした。

下の写真はオルティセイの街並みの様子です。かわいいお洒落な建物がたくさんあるのが分かります。

オルティセイの街歩きを楽しんだあとはバスで次の宿泊地であるボルツァーノへ行きました。ホテルはパークホテルラウリンというところでした(下の写真)。

ボルツァーノは人口10万人ほどの街ですがドロミテ観光の拠点になっていて世界中から多くのハイカーが集まるところだそうです。オーストリアのチロル地方に近いこともあり景観はイタリアよりもオーストリアに近くまた住民の三分の一程度はドイツ語をしゃべるそうです。

ロンコロ城

ホテルへ到着した時間が予定よりかなり早めだったので夕食までの間にボルツァーノ近郊にあるロンコロ城(Castel Roncolo)へ個人で観光へ行くことにしました。ただしイタリアではほとんど英語が通じないので多少苦労することになりました。

事前にWEBの口コミなどを調べるとボルツァーノの中心にあるヴァルター広場から30分おきにロンコロ城へのシャトルバスが出ているとのことでした。ヴァルター広場を探しましたがそれらしい場所は見つからなかったのでその広場にあるとされるツーリストインフォーメーションセンター(英語が通じる場所)へ行くことにしました。

しかしヴァルター広場にあったツーリストインフォーメーションセンターは移転していたことが分かりました。近くの店の人に聞いて新しい場所を教えてもらいその場所へ向かいましたが運悪くその日はお休みで入り口は閉まっていました。

時間もかなり過ぎていたので最後の手段として自分のホテルに戻りフロントでタクシーを呼んでもらうことにしました。問題は帰りの足をどうするかでした。フロントの人に英語が話せる運転手のタクシーをお願いしましたがそのような要望は無理でした。その代わりフロントの奥にいたリーダー格のご婦人がホテルに到着したタクシーのドライバーにイタリア語でロンコロ城で1時間程度後にまた迎えに行ってくれるように頼んでくれました。

そのように多少苦労はしましたが無事にロンコロ城へ行けることになりました。なおお城までは街の中心部から数キロしか離れていませんのでタクシーで片道7~8分ほどで行けます。

ロンコロ城は、サレンティーナ渓谷の岩壁の上にそびえる要塞でこの土地一帯をおさめたヴァンガ(Vanga)兄弟によりボルツァーノ盆地を統治するために1237年に建造が始まったということです。完成後は何度も改修され貴族の館となったりした後現在は博物館になっているとのことです。

城の中の部屋には中世末期の貴族が行っていた狩り、遊戯、騎馬、宴会などの暮らしを描いた貴重なフレスコ画がたくさん残っていて歴史的な資料になっているそうです。城自体は小規模なものですが約360メートルの岩壁の上からはボルツァーノの街を眺望することができます。

タクシーで到着した場所は道路わきの石の登り道でした(下の写真)。

しばらくは下の2枚の写真のような少し急な坂道を登って行きます。

ほどなくしてロンコロ城の正面入口へ到着しました。小さなお城ですが正面ゲートの前には橋があり典型的なお城の守りに備えた作りになっていました(下の写真)。

次の2枚の写真はお城の中庭の様子です。この広さですと収容兵士は多くても100名程度だったと想像されます。

お城の中は博物館になっているので入り口で入場料を支払ってから入場します。お城の中の各部屋は多くの美しいフレスコ画で装飾されていました(下の写真)。

下の写真のように当時使っていた石弓や弓などの武器も展示されていました。

お城の最上階のテラスからはボルツァーノの街並みが一望できます(下の写真)。

お城の内側から正面のゲート付近を見た景色です。やはり頑丈な作りのゲートになっています。

お城の内部を見学した後お城を後にして最初の道路まで戻り、その道路を向こう側に渡るとすぐに川があって橋が架かっていました。その橋はマウンテンバイクやウォーキング専用道路の一部になっていて、その橋の途中からは川に沿った岸壁の上に建つロンコロ城を眺めることができます(下の写真)。

個人的には、世界自然遺産の絶景とともに世界のお城(特にヨーロッパの中世のお城)にも大変興味があるので今回のようにツアーの訪問先に含まれていなかったロンコロ城を見学する機会に恵まれて大変満足しています。

お城で最も関心があるのは、お城の建築物としての場所・構造・頑強さ・美しさ・歴史、防御のための各種設備や工夫、そして昔の人々がお城でどのように生活していたかなどです。

ロンコロ城を1時間20分ほど観光し、石の坂の入り口付近の道路わきで待っているとほぼ約束した時間に連れてきてもらった同じタクシーが迎えに来てくれました。ボルツァーノの中心付近まで送ってもらい、宿泊先であるパークホテルラウリンまで散策しながら歩いて戻りました。

この日は夕食はホテルでいただきました。パンと卵などをお団子状にして茹でて作る北イタリアのアルプス地域の郷土料理であるクネーデル(左下の写真)が出ました。葉物野菜も練りこんだ緑色のクネーデルでした。右下の写真は白身魚のソテーのような料理でした。

この旅行記は「北イタリア世界遺産ドロミテ観光(4)」に続きます。

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