はじめに
7月に行ったオーストラリア9日間の観光旅行の紹介をしています。訪問地や旅程、1日目~3日目までおよび4日目~5日目までの観光の詳細記事はそれぞれ下記の(1)と(2)をご参照ください。
この記事では6日目~8日目(最終日)の観光(ブルーマウンテンズ国立公園、エアーズロック、マウントオルガ渓谷など)をご紹介しています。
6日目~ブルーマウンテンズ国立公園の観光
朝ホテルで朝食をいただいた後、バスにて約2時間かけてまずブルーマウンテンズ国立公園内のシーニックワールドというところへ行きました。
ここではトロッコ列車とロープウェイに乗車しました。この付近はもともとは炭鉱で石炭を掘っていたそうです。トロッコ列車は石炭を運ぶために使われていたということです。平均傾斜45度、最大傾斜54度の山肌を約2分であっという間に下って行きます。
シーニックワールドの入り口の建物 急勾配のトロッコ列車
トロッコ列車に乗り込んだところ トロッコ列車が降りてきた線路
昔の車体(作業員用?) 昔の石炭の運搬を再現
ポニーが石炭を運んでいたのでしょうか 支柱が目立つ石炭の採掘跡
トロッコで谷底に下りた後は原生林の中でウォーキングです。
昔採掘で使っていた道具の展示 リボンガムというユーカリの一種
ウォーキング途中で見た大きなシダの木
原生林の中のウォーキング終了後、上の写真のロープウェイに乗ってまた山の上の方へ上りました。次はカトゥーンバの町にあるエコーポイントというところに行きました。ここはブルーマウンテンズ国立公園内にある有名なスリーシスターズと呼ばれる奇岩が良く見えるビューポイントになっています。
バスを降りて少し歩くとかなり広い展望台が整備されていました。
すでに大勢の観光客で混雑していました。この下にももう一つ展望台があります。
当日はお天気もとても良く、靄もなく遠くまで見晴らしが利いて素晴らしい景色を見ることができました。
中心付近にスリーシスターズと呼ばれる3つの奇岩が見えています。
スリーシスターズから少し右側の風景
一番左の奇岩の中腹に橋とそこを人が渡っているのが見えます。また遠くの山々が少し青くくすんで見えるのは、ユーカリの木から出るオイルが大気を漂っているからだといわれています。
ブルーマウンテンズ国立公園の風景を十分に堪能したあとは、地元のレストランで昼食にハイティーをいただきました。
このレストランのオーナーは陶器を収集する趣味がありたくさんのコレクションが部屋の中に飾られていました。また上の右下の写真のように別に展示室も設けていました。
ハイティーは中にはとても甘いものがあり出されたもの全部は食べ切れませんでした。
昼食後は付近を少し散策しまたシドニーへ戻りました。
ところでこのあたりの観光バスやバンはすべてなぜかボディの色が真っ白です。他の国では見かけないような奇妙な状況です。現地ガイドさんに理由を尋ねると、特にルールがあるわけではなく、単に中古で売るときに最も売りやすいからだということでした。
シドニーに戻った後、夕食はシドニー湾でのディナークルーズでした。
シドニー港に沿った通りの様子 クルーズ船の客室
クルーズ船がハーバーブリッジをくぐります サラダ
メイン料理は鳥 デザート
夕焼けに染まるオペラハウスとブリッジ 夜のハーバーブリッジ
左はディナークルーズの後、港に上陸して夕食をいただいたクルーズ船を撮影した写真です。3階建ての比較的大きな船でした。
その後ホテルへ帰り6日目の旅程が終了しました。
7日目~エアーズロックへ移動しエアーズロック周辺観光と夕日鑑賞
ホテルで朝食後すぐに空港へ行き、国内線にてエアーズロックへ移動しました。バージン航空の飛行機で約3時間40分のフライトでした。
空港からバスでエアーズロックリゾートへ向かいました。今夜の宿泊はセイルズインザデザートです。まずは昼食を取ってからエアーズロック周辺観光へ出発です。
エアーズロック空港に到着した航空機 空港からリゾートへ移動中
セイルズインザデザートの入り口 昼食の前菜のサラダ
メインのパスタ料理 バスの窓から最初に見たエアーズロック!
ところでエアーズロック周辺観光では夏では気温40度を超えることもあり、脱水症状や熱中症になる人が続出するとのことです。最高気温が36度を超える場合は国立公園当局の指導により、ガイドさんが一人1リットル以上の飲料水を持っているかどうか確認するとのことです。
今回は7月の冬場で最高気温は20度くらいですが空気が乾燥していることもあり、エアーズロックに登山する人は1リットル以上、しない人でも0.5リットル程度以上の飲料水の持参が求められました。
エアーズロック周辺観光
思っていた以上に美味だった昼食の後、エアーズロックへ向かいいよいよ周辺散策の開始です。アボリジニ文化センターにも入場してアボリジニの生活・文化・工芸などを見学します。
エアーズロックの登山口から見た風景
登山口に掲示されている日本語の看板
ウルルは神聖な山だと考えています。私は地元の人たちのスピリットを最大限尊重しウルルへの登山はしないことにしました。もっとも今年2019年10月26日からは永久的に登山が禁止されることになっています。
地元のガイドさんによるとウルルを訪れる観光客のうち約12%の人が登山をするそうです。その12%のうち日本人は約60%だそうです。日本人以外では登山をするのはオーストラリア人が多いということでした。
次に周辺散策で撮影した写真を幾つか掲示しておきます。
麓には散策路がきれいに整備されています。
ところどころに洞窟があり80~100年前まではアボリジニのアナング族の人々が生活で使っていました。洞窟の壁や天井には色々な絵が描かれています。また焚き火のすすで天井部分が黒くなっています。
赤い山肌は鉄分が酸化した色だそうです。そのため大雨のときに水が流れ落ちる部分は赤色の表面が剥がされてもともとの灰色が見えて筋のようになっています。
洞窟(左)とその中に描かれた壁画(右)
アボリジニ文化センターも訪問しましたが写真撮影が全面的に禁止されていました。また麓の散策中にも所々に聖地がありその周辺では撮影が禁止されていました。
エアーズロックは近づいて見渡すと思ったよりスケールが大きいことに驚かされます。自然にできた芸術的な曲線や曲面、そして洞窟などとても変化に富んだ美しい造形に感動しました。さらに全体の赤い色と晴れた空の青色のコントラストがまた美しいハーモニーを醸し出していました。
私が今までに日本で見かけたエアーズロックを紹介した写真は赤く輝く遠景ばかりでしたので、今回のような素晴らしい「発見」はやはり現地に行って自分の目で見てみないと分からないものだと思いました。
エアーズロック夕日鑑賞
エアーズロック周辺散策のあと、夕日に照らされたエアーズロックの鑑賞に出かけました。
夕日鑑賞場所に行くとそこはすでに多くの観光客がその瞬間を待っていました。当日は夕方から急に雲が増えてきて夕日の日差しが途切れがちになり綺麗な瞬間を見られるかどうか心配でした。
上の写真は観賞場所についてすぐ撮影した写真ですがまだ色の変化は見られません。
日没時刻に近づくにつれてエアーズロックの色が神秘的な紫色へと変化してきました。
日没の直前の1分程度ですが幸運にも日差しが届けられ、美しく赤く輝いてくれました。
わずかの時間でしたがエアーズロックの刻々と変わる岩肌のきれいな色を目の当たりにすることが出来て、そこに居た観光客はみな満足した様子でした。
自然が作り出す素晴らしいショーを見せてもらった後、ホテルへ戻り7日目の旅程を終了しました。
8日目(観光最終日)~エアーズロック朝日鑑賞、クニヤウォークとマウントオルガの渓谷ウォーキング
旅程8日目は朝日鑑賞後、ウルルの麓でクニヤウォークを歩き、最後にウルル・カタジュタ国立公園のマウントオルガの渓谷ウォーキングを楽しみます。
エアーズロック朝日鑑賞
ホテルで起床後すぐに朝日鑑賞へ出かけました。朝食はお弁当で移動中のバスの中でいただきました。
現場に着くと色々な場所から観光客が集まり始めていました。駐車場から少し歩いたところに立派な展望台が整備されていてすでに人がたくさん日の出を待っていました。
しかし当日は朝から空が雲で覆われていて結局エアーズロックに朝日が当たることはありませんでした。
左手の遠方に見えるマウントオルガ 展望台の手前の土が赤くて綺麗でした
お天気が回復しそうになかったので朝日鑑賞は早々に切り上げることになりました。
ところで昨日の夕日鑑賞と今日の朝日鑑賞のとき団体ツアーということで現地にテーブルが準備され、お菓子、おつまみ、シャンパン、ジュース、コーヒー、紅茶などが振舞われました。
私個人的にはオーストラリアの雄大でワイルドな景色を見るにはこのようなお膳立ては不要かなと思いました。もっとワイルドに自然体で鑑賞するほうがより合っているように感じました。
クニヤウォーク
朝日鑑賞の次はバスでウルルの麓まで戻りクニヤウォークを散策しました。
ここはクニヤ伝説が生まれて継承されている場所です。むかしクニヤ(ニシキヘビ)は甥をリル(毒ヘビ)に殺されます。そのことを知ったクニヤはリルに復讐をしたというような伝説です。
入り口に左のような看板があり、「ここはクニヤ伝説が始まった実際の重要な場所です。良く見て、よく聞いて、よく考えてください」などのようなことが書かれています。
現地ガイドさんによると、クニヤ伝説などはアボリジニの子供や若者に、生きていく上での処世術を教えるために語り継がれているとのことでした。
いよいよウォーキングの開始です。
ウォーキング開始地点 途中の景色
現地ガイドさんについて林の中を散策 木製の立派なベンチ
洞窟の壁に描かれている壁画 ウェーブ状の筋はクニヤが通った跡
最大の水場であるムティジュルの泉 一番上のハート型くぼみは「ウルルの心臓」
空と雲と赤い岩肌の美しい風景
クニヤウォークを楽しんだ後、バスで次はマウントオルガへ向かいます。
マウントオルガの渓谷ウォーキング
マウントオルガは、エアーズロックの西約50km、ウルル・カタジュタ国立公園にある奇岩群で高さは最高546mあります。
見る方向によって4つに見えたりもっとたくさんの岩山に見えたりするおもしろい奇岩群です。
今日は谷間に沿った遊歩道を歩きます。
上の写真の左下から中心へ向かって遊歩道とそこを歩く観光客が見えます。遊歩道はほとんどの部分がむき出しの岩や石がごろごろとしていてとても歩き難い道です。
渓谷に沿ってウォーキングを約20分間続けると渓谷が次第に狭くなっていき最後は展望台があって行き止まりになっています。
終点の展望台からその先を見たところ 帰り道に見た渓谷の入り口方向の風景
足場が悪い遊歩道ですが、5~6分も歩いているとかなり慣れてきて帰りには普通に軽快に歩けるようになりました。
最後の観光地ともお別れです バスから見た最後のウルルの姿
マウントオルガ観光を終えた後は、エアーズロックリゾートのレストランへ行き昼食をいただきました。
昼食でバスを降りたときに見上げた空が綺麗だったので撮影した写真
昼食のパンとスープ 白身魚のソテーのような料理
ガイドさんによると特にこの付近のレストランは注文してから料理が出てくるまでとても待たされるそうです。今回は食後のコーヒー、紅茶が特に待たされて満足に飲めずに席を立つことになりました。
昼食を終えたら急いでエアーズロック空港へ行き、まず国内線で約3時間でシドニーまで戻り、それから国際線に乗り換えて約9時間半で羽田まで帰ってきました。
エアーズロックで国内線に乗り込むところ 朝日を浴びる羽田到着のANAの機体
今回羽田到着が早朝の5時25分だったので、着陸前に素晴らしい日の出と朝焼けを見ることができました。下の写真は飛行機の窓から撮影したもので雄大な雲海の上から朝日がちょうど昇る瞬間を捉えたものです。
最後に
今回はオーストラリア9日間の旅のツアーに参加し次のような5つの世界遺産を訪問しました。見所がかなり盛りだくさんの観光旅行だったと思っています。幸いにもお天気もほぼ晴れでときどき雲が出たという程度でした。
- 世界最大の珊瑚礁グレートバリアリーフ(グリーン島)
- 太古の森キュランダ
- シドニーのオペラハウス(入場)
- ブルーマウンテンズ国立公園
- エアーズロック、マウントオルガ
グレートバリアリーフはこの記事の(1)で書いたように少し期待はずれでした。これぞグレートバリアリーフだというようなものが見れず、体験できずで終わりました。
キュランダも少し残念でした。確かに最初に乗ったキュランダ高原列車はのんびりとそれなりに楽しかったですが、現地ではもっとたくさんの熱帯雨林の素晴らしい自然を期待していました。どちらかというとキュランダ村でのショッピング、そぞろ歩きが観光の中心になってしまいました。
シドニーのオペラハウスは2度目の訪問にもかかわらず芸術的にも技術的にもとても素晴らしく新たな感動を覚えました。またシドニー港もあいかわらず素敵な港だと思いました。
ブルーマウンテンズはスリーシスターズが目玉で周りの雄大な景色に浮かぶ姿は確かに圧巻でした。ただし奇岩ということでは、それ以外には特になく、中国の武陵源や黄山の方が圧倒的にたくさんの奇岩を楽しむことができます。
ちなみに中国の武陵源や黄山への旅行記は下記にありますのでご興味のある方はご参照ください。
エアーズロックやマウントオルガでは他では見ることが出来ないめずらしい形や色の自然の素晴らしい造形美を見ることが出来て感動しました。またアボリジニの人たちの文化・生活などに少しでもふれることができて良かったと思います。
今回のツアーではキュランダとシドニーでフリータイムがあり、それぞれキュランダ植物園の散策、フェリーに乗ってのザ・ギャップ観光ができてとても満足です。
ミラーレス一眼レフカメラで3,000枚以上撮れるだけのSDカードを準備していきましたが結局約1,000枚程度におさまりました。それなりの自然や建造物などの美しい風景を十分堪能し、また写真撮影できたと思っています。
コメント
旅行をご一緒した谷川です。とても詳細な旅行記と、すばらしい写真の数々!
もう一度おさらい旅行しながら、楽しく拝見しました。
私も帰国後、思い出し思い出し旅行中の日記を書きましたが、
ようれん様の記事を随分参考にさせて頂きました。ありがとうございます!
また、ケアンズの植物園とザ・ギャップへご一緒させて頂きましたことで、
今回の旅行が更に充実したものになったと心より感謝しております。
今はデジタル絵画の制作中でしょうか?
どこを描かれるのかと推察しつつ、ようれん様の感じられたオーストラリアを
拝見するのを楽しみにしています!
谷川様
こんにちは。ようれんです。
ご丁寧なコメントをありがとうございました。
今回の旅行をご一緒でき、道中が一層楽しくなったたことをうれしく思っています。
こちらこそお世話になりました。
この旅行記が少しでもお役に立てば幸いです。
現在は6月のクロアチア・スロベニア旅行のときの風景をデジタル(パソコン)絵画で
制作中です。少なくともまだ1~2ヶ月はかかりますのでオーストラリアの風景に取りかかるのは
まだ先になりそうです。
なお、いただいたコメントとこの返事はブログに公開されてしまいますが、公開しない方が
よろしければご返事をください。
また、よろしくお願いします。