中国の武陵源と鳳凰古城へ観光旅行

はじめに

最近、中国の世界自然遺産である武陵源に観光旅行で訪れました。

実は私はこの場所が気に入っていて今回で2回目の訪問になります。

武陵源風景名勝区は、中国・湖南省張家界市にある張家界国家森林公園、天子山自然保護区、索渓谷自然保護区などの地域からなる自然保護区です。

ここは柱のようにそそり立つ奇岩・奇峰が織り成す大自然の絶景が見られるということで最近テレビ番組でよく紹介されています。

また2009年に劇場公開されたジェームズ・キャメロン監督のアメリカ・イギリス合作映画「アバター」のロケ地としても話題になっている景勝地です。現場にはアバターのモニュメントも置いてありました。

武陵源風景名勝区は標高が500~1,200メートル程度で、エレベーター、ロープウェイ、グリーンバスなども利用でき、遊歩道もきれいに整備されているのでとても観光がしやすくなっています。

今回の旅行では、武陵源とその近くにある鳳凰古城などを観光しました。まず地図(Google地図)で位置を確認しておきたいと思います。

武陵源は上海から西の方へ飛行機で約2.5時間の位置にあります。カルスト地形と川が織り成す水墨画のような絶景で有名な桂林の少し北の方です。今回の旅行で訪れた主な観光スポットは次のとおりです。

  1. 黄龍洞(索溪谷自然保護区
  2. 袁家界(張家界国家森林公園)と天子山自然保護区
  3. 宝峰湖(索溪谷自然保護区
  4. 金鞭渓・黄石寨(張家界国家森林公園)
  5. 鳳凰古城
  6. 南方長城(鳳凰郊外)

それでは観光スポットを順番にご紹介していきます。

1.黄龍洞(索溪谷自然保護区

ここは武陵源の索溪谷自然保護区にあるかなり大規模なカルスト鍾乳洞で、「中国一の鍾乳洞」「アジア一の奇洞」と称されています。

洞内は遊歩道に沿って階段の上り下りが中心となる徒歩観光ですが、途中、洞内湖の遊覧船観光も楽しめます。総距離が約6キロメートルなので全ルートを観光するのに約2時間必要です。

洞内は薄暗くまた足元が濡れているので、転ばないように皆気をつけて歩きました。要所要所の特別な鍾乳石などがカラーの光できれいにライトアップされていて、多少足が疲れましたがとても楽しい徒歩観光でした。

   

左の写真の回廊を少し先に行くと黄龍洞の入り口があります。右の写真は休憩所の庭園です。

黄龍洞内では、健脚チームと一般チームの2つに分かれて観光し、一般チームが早めに観光を終えて外に出てくるので、上の写真の休息所付近で残りの人々を待っていました。

2.袁家界(張家界国家森林公園)と天子山自然保護区

観光バスで張家界国家森林公園の入り口に到着したら、その駐車場からすでに奇岩・奇峰が見えてきました。まだ麓なので上の方を見上げる形になります。

   

ロープウェイで頂上に着くと見渡す限り奇岩・奇峰が続いていました。一帯には高さ最高約300メートルにもなる約3,000本の奇峰・奇岩があるということです。

   

  

目前に映画「アバター」に使われた奇妙な世界が広がっています。頂上から奇峰の根元付近を覗き込むと、まさに宙に吸い込まれそうな錯覚を覚えます。

特に真ん中の石柱は高さ約150メートルの「乾坤柱」で、足元の方が細く上の部分が太くなっている姿から「懸浮山」とも呼ばれています。

この石柱は足元に霧が立ち込めると上の部分がまるで宙に浮いているかのようで、映画「アバター」の世界観に着想を与えたと言われています。

   

左の写真の右の石柱は、「乾坤柱」の上の部分です。

  

左の写真は「天下第一橋」の下の空間部分です。2つの岩峰の間を長さ約20メートル、幅約4メートル、厚さ約5メートルの岩地が橋のように繋がっている天然の橋です。谷底からの高さは約357メートルだそうです。

   

左の写真は天子山自然保護区にある有名な「御筆峰」です。また右の写真は「仙女散花」といわれている奇岩です。先ほどよりあたり一面に少し霧がかかってきました。

天子山頂上には賀龍公園があり上の写真のような絶景を見渡すことが出来ます。また公園内には天子閣という山の上にしては大きな楼閣があり、階段を上がってテラスに出れば360度周りの絶景を楽しむことができます。

奇岩・奇峰の絶景を十分堪能した後、断崖絶壁の壁面に作られた「百龍エレベーター」に乗って一気に頂上付近から麓まで下りました。このエレベーターは屋外では世界一の高さで、高低差は326メートルですがわずか2分程度で着きました。

そこからさらに麓の駐車場まで断崖に作られたかなり長い階段を下り、それからまた遊歩道を歩いて駐車場まで戻りました。

3.宝峰湖(索溪谷自然保護区

再び黄龍洞のある索溪谷自然保護区にもどり、宝峰湖の観光に向かいました。宝峰湖は元々ダムの建設によって形成された珍しい湖でしたが、樹木が茂っている山々に囲まれ、湖面も紺碧で風景がとても素晴らしくすぐに人気の観光地になったそうです。

      

到着すると湖畔は多くの観光客で混雑していました。中華風の飾り付けを施した赤い遊覧船に乗って湖をゆっくりと遊覧します。ところどころにやはり中華風の立派な舞台が設置されていて、少数民族の歌や踊りが賑やかに繰り広げられていました。

湖の水面から飛び出た奇岩・奇峰が紺色の湖と相まってすばらしい景観を楽しむことができました。

4.金鞭渓・黄石寨(張家界国家森林公園)

金鞭渓大渓谷は張家界国家森林公園の中にあります。全長約6キロメートルの長さで、徒歩で峡谷を通り抜けるのに約2~3時間かかります。

澄み切った水が流れる峡谷の両側には森林の緑、奇岩、奇峰など見所がたくさんあり張家界国家森林公園の中で最も美しい地域の一つで「山水の画廊」と称されています。

観光バスでまず到着した張家界国家森林公園の入り口付近からは遠くに奇峰群が見えてきました。麓から見てもなかな雄大な景観です。

      

駐車場から周囲の絶景を楽しみながらゆっくりと10分ほど歩くと金鞭渓の入り口に着きました。そこからは約1時間30分の時間をかけてのんびりと渓谷の散策を楽しみました。約6キロメートルの渓谷を途中で折り返してもとの場所まで戻ってくるという行程です。

   

渓谷の両側には巨大な奇峰が続きます。目立つ奇峰にはそれぞれ名前がついているようです。

  

ときどき遊歩道を外れて渓谷の川辺に下りるととても爽快な気分を味わえます。

   

遊歩道を進むにつれてまた違った雰囲気の奇峰が現れてきます。

  

まさに素晴らしい森林浴が楽しめます。

  

渓谷の上流に行くにつれて少し水量が増えてきました。

   

先の方を見るとまた別の面白い奇峰が見えてきましたが、時間の関係でここらあたりで引き返します。

  

左の写真の右側に金鞭渓のきちんと整備された木製の遊歩道が見えます。川のせせらぎと緑深い森林の傍を気持ちよく歩いていくことができます。

森林と岩とせせらぎと奇峰の絶壁が織り成す「癒される」見事な景色です。

たっぷりと金鞭渓の散策を楽しみ気持ちよい汗をかいた後は、同じ張家界国家森林公園の中の黄石寨へと向かいます。

昔から中国語で、不上黄石寨,枉到张家界!「黄石寨に行かないのなら、張家界に来た意味がない!」といわれているほど黄石寨は重要な場所だということだそうです。

  

左の写真は「双門迎賓」と呼ばれる奇峰で、右の写真はそれを少し拡大して撮影したもの。

  

ここ黄石寨の奇岩・奇峰の絶景も、袁家界(張家界国家森林公園)と天子山自然保護区ですでに見たような絶景に勝るとも劣らない見事さです。

      

なかなか重厚感のある奇岩・奇峰の素晴らしい風景が広がります。

黄石寨の観光を終えて、また麓の駐車場付近へと戻ってきましたが、ここでもまだ絶景を楽しむことができました。ふたたび駐車場付近から見た奇岩・奇峰の風景です。

  

左の写真の左下の方に観光客が写っています。

  

これで奇岩・奇峰が作り出す絶景で有名な武陵源での観光をすべて終了し、観光バスで次の目的地である鳳凰へ向かいました。

5.鳳凰古城

鳳凰古城は武陵源の少し南、湖南省の丘陵にある古い街並みで、沱江河の情景と相まってニュージーランドの作家から「中国一美しい街並み」と賞賛された観光スポットです。

鳳凰古城は清の康熙帝時代に建てられ、政治・経済の中心として栄えたということです。

徒歩でゆっくりと古い街並みの散策を楽しみました。古い建物がよく保存されていてとても良い雰囲気をかもし出していました。

   

川には人が渡るための細い橋が架けられていて観光客が渡って楽しんでいました。

  

左の写真のような小船に乗って遊覧を楽しみました。

  

鳳凰古城はきれいな夜のイルミネーションでも有名です。川もライトアップされています。

6.南方長城(鳳凰郊外)

最後の観光ポイントとして観光バスに乗り、鳳凰郊外の小高い丘にある南方長城へ向かいました。

南方長城は総延長191キロメートルでそのほとんどが鳳凰県域内にあり、明の時代にミャオ族の集中する湖南省西部の山地に建設され、ミャオ族を統治するのに利用されたそうです。

麓の入り口の広場を越えると、小高い山へ向かってそう高くはない城壁に囲まれたかなり急な石の階段があり、そこを徒歩で登って行きました。頂上付近に着くと城壁に丸く囲まれた地域があり、その周りを回ってまた階段を下りて麓まで戻ります。

ところどころに小さい櫓のような建物が残っていました。万里の長城のミニ版という感じですが、城壁の高さから見て当時あまり実践的ではなかったように思えます。

   

左の写真に写っているような石の階段を登って行きます。

  

階段の途中から下の方を見た風景です。

  

山の頂上から街並みを望む風景です。

小さな山に沿って作られた階段ですが、上り下りはかなり大変で、相当の健脚でないとすぐに疲れてしまいます。しかし昔の長城の佇まいはしっかり残っており、健康的な興味深い散策になりました。

最後に

武陵源の奇岩・奇峰群は、規模が大きく、種類も豊富で、広大な地域に広がっています。また森林、渓谷、川や池、霧や雲と融和した風景もとても素晴らしいです。

四季によっても色々な魅力的な姿を見せてくれるでしょう。大自然が好きな人にとっては、一生に一度は是非訪れて見たい場所であると思います。

今回の旅行ではまずまずの天候に恵まれ、見事な様々な絶景を堪能することができました。チャンスがあれば何度でも訪れて見たい場所の一つです。

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