箱根温泉プチ旅行

はじめに

5月の中旬に家族で神奈川県の箱根温泉へ2泊3日で行ってきました。

楽しんできた温泉の名前は正確には蛸川(たこがわ)温泉です。戦前から温泉は出ないと言われていた駒ヶ岳の山麓でしたが、1987年に駒ヶ岳ロープウェーの北側から温泉が噴出し、箱根十七湯の一番新しい温泉「蛸川温泉」として誕生したとのことです。

源泉の流れがタコの足のように何本も枝分かれして地域を流れていることから、蛸川(たこがわ)と名付けられたそうです。泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉です。

箱根は都心から近く、昔から有名な温泉観光地でしたので何度も訪れたことはあります。今回は純和風の旅館に宿泊して温泉と観光を楽しみました。

まず小田原急行の小田原駅まで行ってそこで旅館の送迎バスへ乗り換えました。箱根湯本駅ではなくて小田原駅からの送迎でしたので少し驚きました。送迎バスは約50分かけて旅館まで送り届けてくれました。

今回2泊した旅館は純和風旅館の「龍宮殿」です。すぐ近くのザ・プリンス箱根芦ノ湖(旧箱根プリンスホテル)と同様にプリンスホテル系列の旅館です。

1938年に飛島組( 現在の飛島建設) の先代社長であった飛島繁氏が、静岡県の浜名湖にある景勝地・弁天島に画期的なホテル「浜名湖ホテル」を開業しました。外観は宇治の平等院をモデルにし、規模はその約2.7 倍の大きさで設計されていました。

その後このホテルは浜名湖畔から芦ノ湖畔へ移築されて「浜名湖ホテル」は、箱根プリンスホテル和風別館「龍宮殿」として生まれ変わったそうです。

左下は本館の入り口で、右下は今回宿泊した別館の入り口です。

 

左下はロビーの様子で、右下はちょっとした中庭です。

今回2泊してとても驚いたことは、この旅館の宿泊客の約9割が海外からの観光客だったことです。旅館の中で日本人観光客に出会うことはめったにありませんでした。フロントではネイティブ並みの流暢な英語を話すスタッフが接客をしていました。

広めの和室に宿泊し、窓からは芦ノ湖の風景が綺麗に望めました。

うれしいことに部屋から富士山も眺望することができました。

到着した日の午後は駒ヶ岳ロープウェイ、芦ノ湖遊覧船、箱根神社の観光をしました。

駒ヶ岳ロープウェイ

旅館からすぐお隣が箱根園で、そこに駒ヶ岳の山頂まで登るロープウェイの乗り場がありました。徒歩で5~6分の距離でした。観光シーズンにはこのロープウェイの乗り場は長い待ち時間になるそうですが、当日はまったく待ち時間なしですぐにゴンドラに乗ることができました。

駒ヶ岳頂上から見た芦ノ湖です。

頂上にある箱根元宮です。当日も多くの観光客が参拝に訪れていました。

頂上から見た富士山ですが、かなり靄がかかっていました。頂上部分がなんとか見えた程度です。

下りのロープウェイから見た富士山の風景です。

芦ノ湖遊覧船乗船

駒ヶ岳ロープウェイを降りた後、箱根園から遊覧船に乗って元箱根港まで行きました。

右下は宿泊した「龍宮殿」です。以前より周りの木が大きくなって建物が見えにくくなっています。

左下はツツジの庭で有名な小田急「山のホテル」です。右下は箱根神社の水中鳥居で、インスタ映えのスポットとして今人気があるそうです。

富士山と箱根神社の水中鳥居を入れたよく見る構図の写真ですが、富士山は靄にかすんでいました。

箱根神社参拝

遊覧船の港から箱根神社まで歩いて行きました。当日は参拝客はそれほど多くはありませんでした。港のお土産店の人に階段がたくさんあって大変ですよといわれましたが、それほど多くはなく気楽に登っていける場所でした。

1日目の夕食メニュー

下の写真は第1日目の夕食です。テーブル席がセットされた広々とした食堂に行っていただきました。

食事は日本食のコース料理になっていて、一つを食べ終わると次が運ばれてくるようになっていました。一つひとつの料理についてその都度係の人が来て食材や食べ方を説明してくれました。ここの食事で最もうれしいのは、多種多様なたくさんの食材と料理が少しずつ楽しみながら食べられるということです。

右下のお刺身の盛り合わせがとても美味でした。

左下は西京漬けのサケを焼いた料理で、右下はキンメダイとカニの爪のお吸い物でした。

左下のビーフは自分で好きなように焼くようにセットされていました。

左下はゼリーとメロンのデザートです。右下は翌日の朝食です。

食事の分量は夕食も朝食も多すぎることはなく、とても美味しくいただくことができました。

下の写真は食堂の入り口付近に飾られていたシンプルな昔の籠です。これに乗って箱根八里を超えていたのだと思われます。

2日目の観光

海賊船乗船

翌日は1日中観光でした。まず旅館からタクシーで元箱根港に行き、芦ノ湖で桃源台港行きの人気の海賊船に乗り込みました。当日は朝から小雨が降るあいにくのお天気でしたが観光客はたくさん繰り出していました。

下の写真は海賊船の室内の様子です。ここでもやはり海外からの観光客が多いのに驚かされました。多分乗客の約95%は外国の人でした。船に乗っているとまるで海外旅行にきてある湖のクルーズをしているかのような錯覚をするほどでした。

左下は海賊船から見た箱根神社の水中鳥居で、右下は「山のホテル」です。

下は宿泊した龍宮殿です。海賊船からの方が良く見えました。

下はザ・プリンス箱根芦ノ湖(旧箱根プリンスホテル)です。このホテルには過去に2~3回宿泊したことを覚えています。

桃源台港で海賊船を降りた後、箱根ロープウェイに乗りました。ロープウェイと登山電車で大涌谷と強羅を観光する予定でした。右下は箱根ロープウェイの中継地点の様子です。

大涌谷観光

大涌谷でロープウェイを降りて観光し昼食をとることにしました。天候はますます悪化していったのでここで天候が回復するのを待つつもりでした。

箱根ジオミュージーアムを見学しました。ここでは箱根火山・温泉の歴史や特徴などが詳しく展示されていました。

下の写真は芦ノ湖が造られていった過程の展示です。

下は九頭龍神誕生の説明のパネルです。

左下は硫黄の塊で、右下は大涌谷名物の「黒たまご」についての解説です。黒くなる理由はまだ解明されていないそうです。

黒たまごなどを買って昼食をいただき館内でゆっくりしていましたが、外は天候が回復するどころか逆にますます暴風雨が激しくなってきました(下の写真)。

館内放送で「箱根ロープウェイはこの先終日運休します」との案内がありました。強羅までの観光をあきらめて、往復購入していたロープウェイ乗車券の払い戻しを受けて定期バスで旅館へ戻ることにしました。

暴風雨はかなり激しくて、傘をさすとたちまち壊れてしまい、また歩いていると吹き飛ばされそうになるほど強烈な嵐でした。大涌谷くろたまご館の一階でバスを待っている間にあたりの様子を撮影した動画を下に掲載します。大涌谷でこれほどの嵐に遭遇するとは思いもよりませんでした。

2日目の夕食メニュー

2日目の夕食を下にご紹介します。やはり和食のコース料理でしたが、一日目とは食器も食材もかなり違った内容になっていました。毎日メニューを変えることで、連泊するお客さんが飽きないように工夫しているのだと思いました。1~3泊のお客さんがほとんどだと思いますが、料理は何種類のパターンを準備しているのかが気になるところです。

左下のハマグリの料理がとても美味でした。

左下ですがごはんとお味噌汁はお代わり自由になっていました。

3日目の観光

3日目は朝旅館をチェックアウトして荷物をフロントに預けて、午前中の観光に出かけました。

最初に箱根園から出ているモーターボートで九頭龍神社へ行こうと思いましたが、その日は数十メートル先までしか見えないほどの濃い霧が立ち込めていて、モーターボートは運休していました。

そこで急遽予定を変更してバスで小田急「山のホテル」の庭園を見に行くことにしました。

小田急「山のホテル」の庭園

この庭園は見事なツツジが咲くことで有名ですが、当日はすでにツツジの開花のピークは過ぎていました。

白と紫の藤の花が咲いていました。霧の中に浮かぶ幻想的な藤棚を見ることができました。

ツツジは盛りを過ぎていましたが、シャクナゲはちょうど見ごろを迎えていました。

「山のホテル」の庭園は予想していたよりはるかに広い土地に広がっていました。当日は小雨交じりの濃霧の中でしたが、たくさんの観光客が来ていました。面白いことに「山のホテル」のロビーやお庭にいた観光客はほぼ100%日本人でした。多分この場所は海外のガイドブックにはまだ紹介されていないのではないかと思いました。

箱根関所跡

この2泊3日の旅行の最後の観光スポットとして、箱根関所跡を訪れました。三十数年前にここを訪れた時とは施設が全く違っていて驚きました。綺麗にリニューアル・拡張されていました。

担当官の背後に並べてある鉄砲や弓矢は威嚇のためだそうです。

右下の井戸は現在でも地下水が豊富にたまっていました。

霧に浮かび上がる関所跡です。当日は観光客はそれほど多くは来ていませんでした。

昼食は箱根関所跡の入り口付近にあったそば専門店で天ぷらそばをいただきました。

江戸時代から続く老舗の蕎麦屋さんで、お蕎麦もお汁もとても美味でした。お店に入ったときはほぼ満席の人気ぶりでした。

左の写真の天ぷらそばが1700円でしたので、昨今の物価高を考えればとても良心的なお値段だと思いました。

その後タクシーでザ・プリンス箱根芦ノ湖まで戻り、預けていた荷物を引き取ってホテル前から出る小田原駅行きの送迎バスに乗り込みました。実は帰りのバスはザ・プリンス箱根芦ノ湖発でしたので、龍宮殿の係の人が龍宮殿からザ・プリンス箱根芦ノ湖まで預けた荷物を運んでくれていました。

おわりに

この3日間の観光では、初日こそ太陽が出ていましたが、2日目は暴風雨、3日目は濃い霧ということで綺麗に晴れた風景はあまり見ることはできませんでした。

しかし、主な目的であった、静かな温泉旅館で、ゆっくりと温泉につかって、美味しい料理をいただくということではとても満足なプチ旅行になったと思います。

また今回、宿泊したホテルや海賊船では約90%以上の観光客が海外からのお客さんだったということには大変驚きました。国内旅行でこのような経験をしたのは初めてです。最近日本へのインバウンドの盛り上がりがよくニュースで紹介されていますが、ここまで進んでいるとは思っていませんでした。将来日本も観光を主要産業の一つとして育成していけるのではないかと思わせる出来事でした。

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