スイス絶景の旅(1)

はじめに

日本が一番暑い8月の上旬に8日間の日程でスイスへ旅行してきました。

今回旅行先としてスイスを選んだのは、すずしい避暑地で過ごしたかったということ以外に、三十数年前にスイスを訪れたときに天候に恵まれず見えなかったマッターホルンを今回はしっかりと見たいということがその理由です。

今回のスイス旅行ではマッターホルンを色々な場所から眺めるチャンスが複数回ある団体ツアーを選びました。またこのツアーでは、アルプスの名峰を5か所(ベルニナアルプス、マッターホルン、モンテローザ、モンブラン、ユングフラウ)訪れ、、そして4種類の絶景列車(ベルニナ鉄道、氷河特急、ゴルナーグラート鉄道、ユングフラウ鉄道)に乗車するという内容の濃い旅行になっていました。

個人的には、アルプスの山々の頂上付近にある展望台から見た雪をかぶった山脈の景色よりもむしろ光り輝く緑の牧草に覆われた丘に点在する家々、牧場、林、森、川、湖、背景に氷河や雪を頂く雄大な山々が見えるというようなカラフルな風景の方が好きです。

そのような意味では今回の旅行では高い位置にある展望台よりも絶景列車やバスの車窓から見える色々な風景をとても楽しみにしていました。期待通りバスや列車の窓から見える美しい風景をたくさん眺め、また撮影することができました。

今回のツアーの概要

羽田空港を深夜に飛び立つANAの直行便でまずイタリアのミラノまで行きました。ミラノには朝に到着して、そのままホテルへ寄ることなくその日の観光が始まりました。

旅程2日目はバスでディアボレッツアまで行き、ベルニナアルプス見学ロープウェイに乗って標高2,973mのディアボレッツア展望台へ行きました。その後ベルニナ・ディアボレッツアまで移動して、ベルニナ鉄道に乗って車窓からの風景を楽しみました。イタリアのティラーノまで鉄道で行き、そこからはバスでスイスのサンモリッツへ行って宿泊しました。

旅程3日目は朝サンモリッツ駅に行き氷河特急パノラマ車両で全区間を楽しみ、夕方ツェルマットに行きそこに宿泊しました。

旅程4日目は朝ツェルマットを出発してゴルナーグラート鉄道に乗車し、マッターホルンが望める標高3,089mのゴルナーグラート展望台へ行きました。その後途中駅のローテンボーデンで下車し、リッフェルベルクまでの1時間半のハイキングを楽しみました。昼食後はツェルマットでフリータイムでした。

旅程5日目は朝ツェルマットを出発してフランスのシャモニーまで行きました。そこでツアーグループはロープウェイでエギーュ・デュ・ミディ展望台まで行ってモンブランなどを見学しました。下山後バスでアデルボーデンへ行ってそこに宿泊しました。

旅程6日目は、朝バスでアデルボーデンを出てグリンデルワルト・グルントへ向いました。そこから登山電車とユングフラウ鉄道に乗ってユングフラウヨッホまで行きました。ユングフラウヨッホの見学ではスフィンクス展望台からユングフラウ、メンヒやアレッチ氷河などの絶景を楽しみました。その後途中のアイガーグレチャーにて昼食を食べた後、ゴンドラにて下山しました。下山後はバスでイタリアのミラノへ向かいました。

ミラノで一泊した次の日の朝に空港へ行きANAの直行便にて羽田まで帰ってきました。

今回の旅行の行程のGoogle地図を下に掲載します。訪れた観光スポットは黒字で、また宿泊ホテルは赤丸で囲い、さらに4つの絶景列車は色の線で示しています。赤の線がベルニア鉄道、紫の線が氷河特急、そして距離が短くて分かりずらいですが、オレンジの線がゴルナーグラート鉄道、緑の線が登山鉄道とユングフラウ鉄道です。なお観光バスのルートは複雑で混乱するので表示は省略しました。

今回のツアーで特筆すべきは、観光期間中毎日ほぼ快晴に恵まれたということです。特に絶景を見ることが主目的のツアーではこれはとてもありがたいことでした。

旅程1日目

夜に羽田空港に集合で深夜発のANAの直行便にてミラノへ向かいました。最初のメインの機内食が深夜になるので、ANAのラウンジで小腹を満たしました。いつもは口コミで人気のカレーをいただくのですが今回は初めてお蕎麦を注文してみました(下の写真)。思っていた以上に美味でした。

旅程2日目

ミラノへは朝に到着しました。ミラノに到着する前に飛行機の窓から一部雪を頂く山脈がきれいに見えていましたので撮影しました。

ミラノの空港に到着後バスで最初の観光地であるディアボレッツアへ行きました。途中サービスエリアにて外のベンチに座ってサンドイッチのお弁当をいただきました。

昼食後バスでディアボレッツアへ移動する間に車窓から撮影した風景の動画を3本掲載します。最初の動画には丘の上に段々になったブドウ畑が続く風景が写っています。

次の動画はイタリアからスイスへ国境を越えた直後の風景ですが、この辺りはイタリア語を話す人も多いようで家々の作りもイタリア風です。

次の動画は山の傾斜に造られた小規模な水力発電所が見える風景です。

スイスでは国土に山が多く、総発電量の約56%を水力発電で賄っているそうです。このような水力発電所は各地で見られるのでしょう。

下の動画はかなり山の中へ進んできた時の車窓からの風景です。

なにげなく風景を眺めているとスイスでは国旗を家の前に掲げている様子が散見されました。多分常時掲げていると思われますがとても愛国心を感じられます。

スイスの国旗のデザインは赤地に白い十字架で、赤地は主権と力、白十字はキリスト教精神を表しているといわれています。この色合いは、スイスの緑の草原や森、真っ白な雪を背景にしてとても目立つものになっていると思いました。ちなみに赤十字の旗はスイス国旗の赤と白を入れ替えた配色になっています。

最初の観光のベルニアアルプス見学のロープウェイ駅が近づいて来たときの風景の写真を4枚掲載します。

 

ベルニアアルプス見学 – ディアポレッツア展望台

この展望台は、世界遺産のベルニナ線の駅からロープウェイで10分でアクセスできる標高2973mのアルプス絶景展望台です。雄大なピッツ・パリュ(3905m)、ベラヴィスタ(3922m)、ピッツ・ベルニナ(4049m)、ピッツ・カンブレナ(3604m)などベルニナアルプスの山々とペルス氷河を雄大に眺望することができます。

下の動画はロープウェイに乗り込むときの様子です。

登りの風景です。

左下では写真の中心付近に赤い電車が写っています。

このツアー最初の観光スポットであるディアポレッツア展望台(標高2973m)へ到着しました。お天気も良く、雪を被った山々や氷河の雄大な絶景が迎えてくれました。

写真中央の山がピッツ・ベルニナ(4,049m)で右側がピッツ・モルテラッチ(3,751m)です。下を左から右へ流れているのがペルス氷河で、右端で合流しているのがモルテラッチ氷河です。

下の写真の左端がピッツ・カンブレナ(3,604m)、正面の山はピッツ・バリュ(3,905m)、その右側がベラヴィスタ(3,922m)です。

展望台の左側へ少し移動して周りの風景を撮影した動画です。最初に見えてくる手前の黒っぽいこんもりした山はピッツ・トロヴァット(3,146m)です。

絶景を堪能した後、また同じロープウェイで下山しました。その時の様子も動画に収めました。高度が高いためか草もほとんど生えていない荒涼とした風景が続いていました。

下山した後はすぐ近くのベルニナ鉄道のベルニナ・ディアボレッツア駅へ歩いて向かいました。

世界遺産ベルニナ鉄道

ベルニナ鉄道は、メインルートとしてスイスのサンモリッツとイタリアのティラーノを結ぶベルニナ線を走るパノラマ列車です。196の橋と55のトンネルを通過しながらアルプスの山岳地帯からブドウ畑のある谷まで絶景を堪能できます。

今回は途中駅のベルニナ・ディアボレッツアからティラーノまで約1時間40分の乗車を楽しみました。左下は乗車駅のホームで、右下は、箱根登山鉄道と姉妹鉄道提携して40周年になる2019年に寄贈されたプレートのようです。

 

またディアポレッツア展望台ロープウェイ乗り場はベルニナ・ディアボレッツア駅から見て坂の上にありますが、左下の写真のような動く歩道が整備されていました。また右下はこの坂の反対側の景色です。

 

下はこの駅の周辺ののどかな風景です。

赤い色が眩しい列車に乗車しました。

左下は車内の様子です。外が広く見渡せる大きな窓が特徴的です。

途中で見た風景です。

車窓から眺めた美しい風景を動画に撮りましたので2本ご紹介します。

イタリアのティラーノに到着した後、バスでスイスのサンモリッツへ行きました。ホテルは「ホテル・ヨーロッパ・サンモリッツ」でした。

夕食はホテルでいただきました。前菜のスープ、メインの白身魚料理、デザートのパイとアイスクリームをおいしくいただきました。

 

朝に羽田からミラノに着いてから初めてのホテルチェックインでしたので、夕食後はゆっくりと休養しました。

旅程3日目

旅程3日目は、氷河特急の全区間に乗車し約8時間30分の列車の旅を満喫しました。

氷河特急

氷河特急(グレッシャー・エクスプレス)は、サンモリッツとツェルマットを結ぶ人気の観光列車で、最新のパノラマ展望車両を備え、7つの谷、291の橋、91のトンネルを抜けてスイスアルプスを横断する絶景列車です。

朝早めにサンモリッツのホテルをバスで出発し始発駅のサンモリッツ駅へ向かいました。

列車に乗り込むと「世界で一番遅い特急」と書かれていました。駅を出発した後、美しい風景が次々と現れて撮影に忙しい状況が続きました。まず車窓から撮った風景の写真を掲載します。

今回は写真よりも動画の方がよりリアルに絶景を感じられると思いたくさんの動画を撮りました。

昼食前に撮影した8本の動画を掲載します。

最初の3本は出発して間もないころの風景です。

次の動画は有名な世界遺産ランドバッサー橋を通過するときの様子です。乗っている列車から通過してきた橋を撮影するのはなかなか困難でしたが、トンネルから出てきた場所の橋を少しだけ捉えることができました。

氷河特急はクール駅で列車の最後尾に新たに機関車を連結して、ここからしばらく今通過してきた区間を逆方向に進みます。次の動画は駅で機関車を連結している様子です。

次の動画は川に沿って進んでいるときの風景です。川の向こうは白い切り立った崖が続いている独特の風景が見られました。また川ではカヌーを楽しんでいる人たちがいました。

次の2本の動画ではお皿の音や話し声が賑やかになっていますが、この時車内ではお昼の食事の提供が始まっていました。

車内で提供された昼食はサラダと鶏肉料理でした。列車内の料理はあまり期待していませんでしたが、結果として今回の旅行中で最も美味しい料理でした。

氷河特急は途中駅でしばし休憩し、皆列車を降りて体を伸ばしました。駅の付近の建物を撮影しました。

氷河特急の車内の様子です。外は美しい風景が続いています。

下の動画は反対側の窓から見えていた風景を撮影したものです。

昼食後からしばらくの間は、氷河特急の全区間の中で最も素晴らしい絶景が続く区間を通過していきました。実はこれ以降の動画は自分の座席からではなく、列車の乗り降りのドアがある区画に行ってそこの窓から撮影したものです。そこの窓は開けられていたのでガラスの反射光が入らない理想的な状況で撮影することができました。

最初の2本は個人的に最も好きな風景です。

次の2本は反対側の窓から撮影した風景です。

次の動画には色々な様式の家々が出てくるので見ていて楽しくなります。

谷に渡されたつり橋が見えました。

次の3本はツェルマットにかなり近くなってきた場所の風景です。最後の2本もとても素敵な風景が続いています。

氷河特急の列車の旅はツェルマット到着で終了しました。

ツェルマット

ツェルマットは、マッターホルンなどの4000メートル級の名山に取り囲まれており、ハイキングや冬季はスキーやスノーボードなどで多くの人々が訪れる人気のリゾートタウンです。また1988年からはアルプスの環境を守るためガソリン車乗り入れ禁止となっていて村内の交通は電気自動車または馬車でカバーされています。

今日の宿泊ホテルは街中にある「ル・プ・チセルバン」です。このホテルは典型的なリゾートホテルでした。

 

夕食はホテルの近くのレストランにていただきました。

メニューは前菜がスープ、メインがポークのステーキ、デザートがチーズケーキでした。

夕食後外はまだ明るかったので少し街を散策しました。マッターホルンの麓にある大人気のリゾート地ということで街は観光客でとても賑わっていました。

ツェルマットの街にはエドワード・ウインパーの記念碑がありました。

エドワード・ウインパーは1865年に7度目の挑戦でマッターホルンの初登頂に成功しました。ただし、下山中に仲間4名が遭難死したことでその後大きな非難を浴びたとのことです。

下の写真は地元の小学生によるヤギの行進の様子です。夏休みの間行われているようです。

ツェルマットの街から望んだマッターホルンです。

下はマッターホルンとは反対側の風景です。

旅程3日目の観光はこれで終了です。

この旅行記は「スイス絶景の旅(2)」へ続きます。

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