アイスランド大周遊の旅(3)

はじめに

6月中旬に8泊10日の行程でバスでアイスランドを一周しながら観光をするツアーに参加しました。この記事では旅程5日目の疑似クレーター群(スクートゥスタダギーガル)、溶岩迷路ディムボルギル、地球の割れ目グリョウタギャウなどの観光、旅程6日目のゴーザフォスの滝、北部アイスランドの中心の街アークレイリ、ヴィディミリ教会などの観光の様子をご紹介します。

旅程5日目

スクートゥスタダギーガル

朝ホテルで食事を済ませた後、最初に訪れたのはセルホテルから徒歩で行ける距離にある疑似クレーター群のスクートゥスタダギーガル(「突き出た土地」の意味)です。本日は昨日のどんよりとした曇り空から打って変わって好天に恵まれ、風景が一段と美しく見えました。

幾つかの疑似クレーターの頂上を巡る遊歩道が整備されていて誰でも気楽に色々な場所からの眺めを楽しむことができます。クレーターの斜面に黄色い小さな花が一面に咲いていました。

この観光スポットで撮影した4本の動画を掲載します。

最初の動画には一面に咲き誇る黄色の小さな花と、湖の向こう側で草を食んでいるアイスランドの馬が写っています。

アイスランドの固有の馬は今回の旅行中にあちらこちらで見かけました。

アイスランドの馬

アイスランドの馬は、アイスランドに移住をしてきたバイキングが9世紀後半から10世紀前半にかけて主に人や荷物の運搬用にヨーロッパ大陸から連れてきたそうです。当時船での長旅に耐えうる背の低くしっかりとした、優秀な馬が選ばれたようです。

これらの馬たちは、アイスランドという小さな島の中で他種との交配がほとんどないまま繁殖を重ね、厳しい冬には厚い毛皮をまとい、夏には薄い毛に生え変わるなどアイスランドに適したユニークな馬となりました。

平均寿命は約40年で、毛の色だけで40種類、模様も含めると100種類以上にもなるといわれています。またとても温厚でフレンドリーな性格のため、アイスランドはもちろん世界中の愛好家に愛されているそうです。

さて2本目の動画は、散策路を散策している様子を撮影した動画です。お天気が良くとても爽快な散策でした。

次の2本の動画はそれぞれ違うクレーターの上から周りの風景を見た様子です。

疑似クレーター群の散策の後、またセルホテルまで歩いて戻り、バスに乗って次の観光スポットであるディムボルギルへと向かいました。

次の動画は途中の車窓からの風景です。いくつかの牧場で馬や羊が見られます。

ディムボルギル

ディムボルギルは、ミーヴァトン湖の東にある溶岩迷路で、溶岩活動で自然にできた溶岩の突起物が乱立する別世界のようなエリアです。ディムボルギルはアイスランド語で「黒い城」を意味します。色々な溶岩の造形が容易に鑑賞できるように立派なアスファルトの遊歩道が整備されていました。

左下は溶岩流の下にあった水が地上に噴出し、その周りが急速に次々と固まって溶岩の突起物(塔)ができたことを説明しているパネルです。

 

この場所はロケにも使用され、大ヒットした米国のHBOのTVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のシーズン3でマンス・レイダー率いる野人(壁の向こうの人)たちの拠点として登場しています。

ここでの散策の様子を撮影しましたので下に掲載します。

次の観光スポットは地球の割れ目グリョウタギャウと地下洞窟温泉です。

グリョウタギャウ

下の写真の右上の丘の上で地球の割れ目を見ることができます。また左下の方には2つの洞窟がありますが、その左側の洞窟の中に入っていけば洞窟温泉を見学することができます。

左下は洞窟温泉の入り口の様子で、中は人がすれ違えないほど狭くなっています。右下は洞窟の奥にある青色の温泉です。この温泉は温度が急激に変化して危険であるために現在は入浴禁止になっています。

下の写真は小高くなった丘の上にある地球の割れ目グリョウタギャウの景色です。

アイスランドは大西洋中央海嶺の上にあり、北アメリカプレートとユーラシアプレートが分離する海洋底の割れ目ですが、アイスランドではそれが海面の上に出ているという特別な場所です。両プレートは毎年2~3cmの速度で離れていき、それぞれのプレートは日本の海底付近で地球内部に潜り込んでいるそうです。そのためプレートの境目があるところに火山が多いとのことです。日本とアイスランドは地球規模で御縁があるということでしょうか。

このツアーの旅程7日目に訪れる予定のアイスランドの南西部にあるシンクヴェトリル国立公園ではここよりもっと規模の大きな地球の割れ目を見ることができます。

ここで撮影した動画を掲載します。当日はたくさんの観光客で賑わっていました。両側のプレートにまたがってのポーズが人気でした。

グリョウタギャウの観光後、近くのホテルのレストランで昼食をとりました。

レストランの入り口付近に面白い木製の人形がありました(左下)。昼食のメインは白身魚の料理でした(右下)。

昼食後はバスでミーヴァトン湖の南にあるセルホテルへ戻りました。

午後は夕食まではフリータイムでしたので、ホテルの部屋で少し休憩した後、すぐ近くのミーヴァトン地域ビジターセンターへ再び足を運びました。

バードウォッチング用の散策路

疑似クレーター群のスクートゥスタダギーガルにはクレーター群観光用の遊歩道とは別に、たくさん生息する野鳥のバードウォッチング用の散策路も整備されていて、こちらは距離がかなり長くなっています。

午後の時間はそのバードウォッチング用ルートをのんびりと散策することにしました。

 

途中で色々な野鳥に遭遇しました。下の野鳥はアカアシシギだと思われます。

右下の鳥は頭上20mくらいの高さでピーピーと鳴きながら4~5回も旋回していました。下に人がいると認識していたようです。そのためうまくシャッターを切ることができて飛翔中の姿をとらえることができました。

  散策中は、前方にも後方にも全く人影を見ることはなく、完全貸切状態で遊歩道をゆっくり1時間ほど気持ちよく散策することができました。野鳥の鳴き声と湖畔の波の音だけが聞こえてくるような心休まる状況でした。

その時の風景を動画で撮影しましたので下に5本掲載します。このような珍しい静かな景色の中を散策するのは初めてでした。

最初の動画は左側に疑似クレーター群、右側に湖を見ながらの散策の様子です。水鳥も浮かんでいました。

最後の動画は、散策ルートを終了して大通りに出てきたところで、道路沿いの歩道を歩いてホテルに帰っていく様子です。右側の遠くの方には疑似クレーター群の散策路を歩く多くの観光客が見えていました。

さてホテルまで戻ってきたところで夕食まではまだ時間があったので、ミーヴァトン湖の東にある溶岩柱が美しい景勝地ホフディ展望台までタクシーで観光に行くことにしました。ビジターセンターへ行ってその景勝地の様子を詳しく伺い、すぐにタクシーを呼んでもらいましたが、タクシーがビジターセンターに迎えに来るのに約1時間もかかるということでした。

その景勝地は駐車場から歩いて30分ほどかかるそうで、そこへ行くと夕食には全く間に合わなくなることが分かり結局諦めました。

海外の田舎の観光地では、観光客は自家用車、バスまたはレンタカーを使い、タクシーはほとんど使いません。そのためその地区では稼働しているタクシーの台数が非常に少なく、呼んでもなかなか来ないことがよくあります。

昨年秋にカナダのローレンシャン高原に行った時にも 呼んだタクシーがなかなか来ないという苦い体験をしました。かなり前にあらかじめ予約することが必須だと思います。

セルホテルへ戻り夕食をいただきました。左下は前菜のサーモンのサラダで、右下はメインのアイスランド産ラム肉料理でした。

旅程6日目

旅程6日目はミーヴァトンを離れ、ゴーザフォスの滝、北部アイスランドの中心の街アークレイリ、ヴィディミリ教会を観光しました。

ゴーザフォスの滝

ゴーザフォスの滝はアイスランド島の北東部にあり、アイスランドで四番目に大きなスキャルファンダフリョゥト川の一部です。高さ約12m、幅約30mで規模はそれほどではありませんが、ナイアガラの滝に似た壮観な姿は多くの観光客を魅了しています。

西暦1000年頃にアイスランドの国教をキリスト教に改宗した際に、当時のゴージ(北欧神の司祭)が決断を周囲に示すために古代北欧の神々の神像を美しい滝に投げ捨て、キリスト教への改宗を誓いました。このことに由来して「神の滝」と呼ばれています。

 

この滝の動画を3本掲載します。

最初の動画は、滝の下流に沿った遊歩道を歩いて展望台へ行く様子を撮影したものです。

次の動画は最初の展望台から眺望した滝の様子です。

最後の動画は滝のさらに近くにある展望台からの様子です。豊かな大量の水が流れ落ちるさまは見ていても気持ちが良いものです。

ゴーザフォスの滝を後にして、バスはアークレイリへ向けて出発しました。

途中の風景が素敵でしたので2本の動画を撮りました。

最初はアークレイリの街に近い郊外の素敵な風景で、エイヤフィヨルドを望むのどかな景色が印象的です。

次の動画は、アークレイリの街並みの様子です。お洒落な建物が多いことに驚かされました。動画の終わりのところで遠くの丘の上に アークレイリ教会が見えています。

アイスランドへ到着した時から気になっていたのですが、少なからずの家々の屋根の色が真っ白になっています。白い屋根の家々というのは今まで観光で訪れた国ではあまり見かけなかった情景です。

白い屋根は純粋で清潔感のある美しい印象を与えますが、とにかく汚れやすいのが最大のデメリットだと思いますので、アイスランドでなぜこのように白い屋根が多いのかが不思議です。

アークレイリ

アークレイリはアイスランドの北部にあり、エイヤフィヨルドの奥に位置するアイスランドで2番目に大きな街です。人口は約2万人ですがアイスランドの「北の都」として北部の交通、経済や文化の中心地となっています。

下の写真はアークレイリの中心の繁華街ですが、とても静かでした。

下の写真の丘の上に立つアークレイリ教会は1940年に建築された街のシンボルです。この教会はレイキャビックのハットグリムス教会と同じ建築家によるものだそうです。

 

アークレイリの教会や街の散策を終えた後、美しく印象的なヴイディミリ教会へと向かいました。途中美しい谷間を通りましたので動画を撮りました。

ヴイディミリ教会は、屋根に草が生えている昔の建物でとても小さくて可愛い教会でした。歴史は古く12世紀まで遡り、1936年にアイスランドで初めて歴史的な建築物として国立博物館所有となったそうです。

左下は小さな祭壇で、右下は礼拝堂の座席の様子です。大勢は入れないと思われます。

 

とても景色の良い場所に建っています。

SNS映えするような可愛い教会を見学した後は、近くのレストランで昼食をいただきました。

昼食はスープ、色々な肉の串焼き、ケーキの3点セットでした。串焼きはこちらの名物料理のようで美味でした。

昼食後は、一路レイキャビックへ向けてバスは進んで行きました。

レイキャビックまでの道中には車窓からまた美しい風景を眺めることができました。次に動画を3本掲載します。

最初の動画は雄大な山々を背景にした荒野の風景です。手前にはアイスランドでは珍しく樹木が少し生えていました。

次の動画には紫色のルピナスが広大な範囲にわたって続いている様子が写っています。

最後は美しい入り江とのどかな牧場の風景が続いている様子です。

夕刻にレイキャビックのグランドホテルへ到着しました。このホテルには2連泊しました。

左下はホテルのロビーで、右下はホテルの窓から見た街の風景です。

部屋でしばし休憩した後夕食をいただきました。前菜はパテ、メインは白身魚の料理、デザートはケーキでした。

この旅行記は「アイスランド大周遊の旅(4)」へ続きます。

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