北イタリア世界遺産ドロミテ観光(5)

はじめに
7月下旬に10日間の日程で北イタリアにある世界自然遺産ドロミテへ観光に行ってきました。この記事では旅程6日目のトレ・チーメ・ディ・ラヴァレード、ミズリーナ湖、コルティナ・ダンペッツォのロープウェイなどの観光の様子をご紹介します。
旅程6日目

朝早くにコルティナ・ダンペッツォのホテルを出発しトレ・チーメ・ディ・ラヴァレード方面へと向かいました。朝早くに行かないと駐車場が満車になればその地域への入場が制限されるからだそうです。

トレ・チーメ・ディ・ラヴァレード

ドロミテには荒い岩肌が特徴的な美しい山々がたくさんあります。そのドロミテの名峰の中でもひときわ目立っている山がトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードです。トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードはドロミテ東部に位置し3つの峰が天空に聳える標高2999 mの岩山群です。今回のドロミテ観光でもハイライトの一つになっています。

そのトレッキングコースは周囲の岩山や谷の絶景や道端の可憐な花々を見ながらの贅沢なコースとなっていて世界中から多くのハイカーを集めています。この日はトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードの展望台まで約4Kmの距離を約2時間半で往復するハイキングを楽しみました。

下の写真は到着した駐車場の様子ですがすでにかなり混んできています。駐車場も写真のように絶景の風景の中にあります。

下の写真はアウロンツォ小屋(標高2320m)の下にある駐車場を出発し、まずはラヴァレード小屋へ向けてハイキングを始めたときのハイキングコースの写真です。山の斜面に沿ってコース上を歩いている人の姿が小さく見えています。

下の写真は進行方向右側の谷の眺望です。すでにかなりの高度の場所を歩いていることが分かります。

ハイキングを開始したころに撮影した4K動画を下に掲載します。このころはまだ皆足取りも軽く余裕で歩いています。前方から右側にかけて山々や谷の絶景が見えています。

下の写真は途中にあるアルピーニ礼拝堂です。ここで小休止です。

道端にはかわいい花々が咲いていました。左下は野生のエーデルワイスです。

エーデルワイスはアルプスやヒマラヤなど標高の高い山の中で白くて可憐な花を咲かせる高山植物で、スイスの国花にもなっている花です。

最初にこの花を見たのは三十数年前にスイスへ初めて観光旅行で行った時でした。歌にも出てくるほど有名なエーデルワイスなのでさぞや彩り豊かな美しい花なのだろうと期待していましたが実際には色やサイズ、また姿などいかにも「地味」な花だと分かりました。

しかし世界中で、白くて気品溢れるエーデルワイスの咲き姿が素晴らしいと評価されて今日に至っているようです。

最初の目標であるラヴァレード小屋に到着しました(下の写真)。なかなかお洒落な作りの小屋です。たくさんのハイカーが休憩しています。

ラヴァレード小屋からトレチーメの展望台までは今までよりは少しきつい行程になります。展望台まで行くには下のGoogle地図に黄色の線を引いたように2つのルートがあります。

左側のルートは最初の四分の一ほどの区間がかなり急坂になっていて石や砂利で滑りそうになるので手をつかなくてはならない場面もあります。

右側のルートは下の地図でよくわかるように距離が長く回り道になりますが比較的緩やかな登りとなります。このルートでは帰るときに子供連れの家族をたくさん見かけました。

このツアーでは左側の少しきついルートで登りました。そもそもラヴァレード小屋で皆が戻るのを待つ参加者やかなり苦労して登っている参加者もおられたようなので、最初から右側の楽なルートで行く方がより多くの参加者がハイキングをもっと気軽に楽しめたのではないかとも思います。

ただし日ごろからよく歩いている健脚の人やもともとトレッキングやハイキングが趣味の人にとっては当然左側の少しきついルートの方が面白いと思います。右側の楽なルートではものたりないのだと思われます。

トレチーメ展望台に着くと3つの峰が天空に聳える標高2999 mの岩山群トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードがよく見えました(下の写真)。                            

下の写真はトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードのほぼ反対側方向の風景を写したものです。真ん中右側の遠くの方にまた別の赤い屋根の山小屋が見えています。

帰りは上のGoogle地図の右側の楽なルートで帰りました。右下の写真の真ん中付近に左から右に白くコースが見えていますがこれが楽なルートです。

 

ラヴァレード小屋が良く見えるあたりまで下りてきました(下の写真)。写真の真ん中の下の方からラヴァレード小屋へと続いているルートが帰りの楽なルートです。

ラヴァレード小屋からは元来た道を戻って駐車場まで帰りました。

今回の旅行の中では最も長時間のハイキングでしたが、お天気にも恵まれとにかく絶景に囲まれたコースでしたのでとても楽しく歩くことができました。なんといってもお目当てのトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードが多少雲はありましたがほぼきれいに見えたことが何よりでした。やはり現地で間近に見るとその迫力に圧倒されました。

駐車場からまたバスに乗って次はミズリーナ湖へと向かいました。

ミズリーナ湖

ミズリーナ湖はイタリア北部のオーストリアの国境に近いアウロンツォ・ディ・カドーレの街にあり「ドロミテの真珠」と呼ばれています。旅程5日目に訪れたカレッツァ湖が「ドロミテの宝石」と呼ばれていますので少し混乱しそうです。

ドロミテの山岳地帯にあるこの湖は、海抜約1750メートルの高原にあり、湖の幅は広い場所で約200m、南北方向に約1Kmという楕円形で水深約5mです。周囲を取り巻くように遊歩道が整備されていて1周が約3Kmということです。湖とその周辺はとても穏やかで美しく水も澄んでいます。

下のような岩山や杉林を背景にしたミズリーナ湖の写真は、道路側の遊歩道の中間あたりで撮影するとうまく撮れると思います。

下はソラピス山という岩山を背景にした写真です。ミズリーナ湖の紹介の時に使う典型的なビューポイントからの写真だと思います。

ミズリーナ湖の一番奥まった場所から撮影した写真です。自然の美しい風景の中にある湖の雰囲気が出ています。特に手前側に広がる水草がよい効果を出しています。

当日は45分ほどミズリーナ湖の遊歩道を散策して楽しんだ後、湖の一番奥にあるレストランで昼食をいただきました。左下の写真はそのレストランを遠くから見た光景です。右下の写真はレストランとテラス席の様子です。

 

ミズリーナ湖のほとりのレストランで昼食をとった後、バスでコルティナ・ダンペッツォのホテルまで帰りました。

ホテルへかなり早めに到着しその日の夕方はフリータイムでしたのでコルティナ・ダンペッツォの街を高台から眺望できる場所へ行ってみることにしました。

コルティナ・ダンペッツォの街の眺望

コルティナ・ダンペッツォの街には2つロープウェイがあり、最初に宿泊先のパークホテルビクトリアから近い距離にあるファローリア山(標高2341m)へのロープウェイ乗り場へ行きましたが機器の故障ということで一時休止していました。

そこで街はずれにあるトファーナ山(標高3244m)へのロープウェイ乗り場へ行きました。時間の節約のために行きはホテルからタクシーに乗りました。トファーナ山へ上るには3本のロープウェイを乗り継ぎますが、今回はあまり高くない高台からコルティナ・ダンペッツォの街を眺めたかったので、コル・ドルシェ(標高1779m)という最初の駅で降りることにしました。

下の写真は乗ってきたかわいいゴンドラです。 

コル・ドルシェの展望台から見たコルティナ・ダンペッツォの街の姿です(下の写真)。コルティナ・ダンペッツォの街が3,000m級の山々に囲まれた雄大な谷間にあるということが良く分かりました。

下の写真は街の反対側の山の様子ですがクロスバイクのダウンヒルのコースが整備されているようでした。ダウンヒルといってもここは恐ろしいほどの急斜面だと思います。

下にこの展望台から撮影した4K動画を掲載しておきます。

上の動画を見て分かるように展望台のすぐ前に杉の木が樹立していて残念ながら眺望をかなり妨げています。これらの杉の木がもっと成長したらますます眺望が悪くなってくると思いますが、環境保護の観点からやみくもに木を伐採するわけにはいかないと思いますので今後の展開が気になるところです。

コルティナ・ダンペッツォの街の眺望を楽しんだ後またロープウェイで街までおりてきて、帰りは街の中をゆっくりと散策しながらホテルまで戻りました。

この旅行記は「北イタリア世界遺産ドロミテ観光(6)」へ続きます。

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