はじめに
9月下旬に8泊10日でスウェーデンのラップランドとノルウェーのロフォーテン諸島を巡る旅へ行ってきました。この記事では旅程7日目のロフォーテン諸島のトロルフィヨルドでのボートツアー、午後のスヴォルヴァー観光、旅程8日目のスヴォルヴァーからボードー経由オスロへの移動、オスロでの市内観光、旅程9日目のオスロからコペンハーゲン経由での日本への帰国などの様子をご紹介します。
旅程7日目
トロルフィヨルドのボートツアー
旅程7日目は、朝少し早めにスヴォルヴァーのホテルを出発してスヴォルヴァーの港まで行きました。約3時間かけてトロルフィヨルドをボートで巡りました。
周囲はどこも壮大な景観の場所ばかりでここでもたくさんの写真と動画を撮影しました。お天気もまずまずで時間が経つと次第に青空がたくさん見えてくるようになりました。
左下は私たちが乗り込んだツアーボートです。思っていたより小型のボートでした。右下は港の様子です。

下の写真は港を出るときに振り返って撮影した風景です。波止場の先端の岩場に女性の像が立っていました。港を出る船の航海の安全を祈願するものだと思います。

下の写真の中心付近で少し分かりにくいですが、スヴォルヴァー空港からちょうどプロペラ機が1機飛び立ったときの様子です。旅程8日目に私たちがここからボードーまで行くときに乗り込む予定の航空機です。

この地域に生息している海鳥を見せるために遊覧ボートは海岸すれすれに通っていきました。

遊覧ボートが港を出航してから最初の海鳥観察の場所に行くまでの様子を3本の動画に撮りました。
次の動画は海鳥を見るために岩場に近づいた時の様子です。ほとんどカモメのようでしたがお目当てのシーイーグル(オジロワシ)もいました。
下の写真はこの時見つけたこの地域に生息するシーイーグルです。このようなシーイーグルをもっと近くで観察するために数艘の遊覧高速ゴムボートが出ていました。

遠くの壮大な山脈と手前の一面の紅葉が素敵でした。

下の2枚の写真は山の麓に広がる綺麗な紅葉を意識して撮影したものです。このような雄大なフィヨルドに紅葉が広がる絶景はロフォーテン諸島ならではの貴重な風景だと思いました。荒々しくも美しいとても素敵な写真が撮れました。

右下は軽快に横を通り過ぎて行った遊覧高速ゴムボートです。このようなゴムボートでのフィヨルド観光は大人気のようで、大きな船だといけないような狭いフィヨルドにも入っていけますし、海鳥の直ぐそばまで近寄ることもできます。

岩場の海鳥を観察した後、遊覧ボートはさらに先へ進んでいきましたがその様子を下の動画3本でご紹介します。
次の動画の最後でズーム画面に出てきますが、ボートの航路の両側に海から構造物が突き出ている場所があります。この後ボートはこの狭い範囲を通り抜けて行きました。ボートが座礁しないように安全な航路の案内がなされているのだと思います。
右下の写真はさらに狭いフィヨルドの入り口付近の様子です。この後ボートはその中へと入っていきました。

遊覧ボートが狭いフィヨルドの中へ入っていく時の様子を次の動画に収めました。
狭いフィヨルドの突き当りの風景です。紅葉もちょうどよい程度に綺麗に色づいていました。

ボートはここで20分ほど留まり、周りの景色が良く見えるようにゆっくりと回転していました。下の写真の中ほどには小さな滝も見えています。

狭いフィヨルドから入り口付近を見た風景です。下に浮かぶボートに比べてそのスケールがよく分かります。

階段状の断崖の平らな部分に帯状に紅葉が広がっていました。

フィヨルドの突き当りで留まっていた時に周囲を撮影した動画をご紹介します。なかなかの圧巻の美しい風景だと思います。このボートツアーのハイライトだと思いました。
この狭いフィヨルドを出るとボートは帰途に就きました。

帰途に就いた頃に撮影したボートの後部からの景色です。この頃には青空もかなり広がってとても美しい壮大で爽やかな風景を見ることができました。
そして最後にボートは再び海鳥が多く生息する岩場に寄ってくれました。この時は幸運にもシーイーグルが飛んできて岩の上に止まる姿、休んでいる姿、また飛び立っていく姿を動画でしっかりと捉えることができました。
お天気にも紅葉にも恵まれて感動的で記憶に残るトロルフィヨルドのボートツアーとなりました。期待以上の絶景が続いたので遊覧ボートではほとんど2階の外のデッキで過ごしました。なお昼食はボートの中で提供されたスープとパンで済ませました。
ロフォーテン戦争博物館
この日の午後はフリータイムでした。
最初にロフォーテン戦争博物館へ行きました。スヴォルヴァーの街の中心部にあるインフォメーション・オフィスでその博物館の場所を聞いたら、すぐ裏を歩いて1分だと教えてくれました。

博物館の開業は1996年6月15日だそうです。入るには入館料が必要です。この博物館は、第二次世界大戦中のノルウェーでの戦いに関する各国軍の軍服、武器とその他の物品を収集した博物館としてノルウェーで最大です。
展示室はこじんまりとしていますが、たくさんの物品、資料、写真などが詰め込まれて展示されていて、特に軍服を着て武器を持ったマネキンがたくさん並べてあるのが特徴的でした。
展示品は、ドイツ軍、ノルウェー軍、連合軍のイギリス軍、フランス軍とポーランド軍、そしてレジスタンスに関するものです。ほとんどのものが本物の展示のようでとてもリアリティと迫力を感じました。

戦争にはトナカイも駆り出されていたようです(下の写真)。

左下は第二次世界大戦中にドイツ軍に爆弾を投下されて黒煙を上げているスヴォルヴァーの様子の写真です。右下は、ドイツの秘密警察ゲシュタポの幹部の部屋を再現したもののようで別の小部屋が展示室になっていました。

ドイツによるノルウェー侵攻
今回の旅行では、偶然にも第二次世界大戦時のドイツによるノルウェー侵攻に関係の深い街や施設を訪れたことに気が付きました。
1940年4月に始まったドイツ軍の「ヴェーザー演習作戦」によりドイツ軍がノルウェーに侵攻を開始しましたが、その時の主要な目標の一つがすでに観光で訪れたナルヴィクでした。ナルビィクは不凍港でありスウェーデンからの鉄鉱石の主な輸出港でしたのでドイツにとっても戦略上重要な場所でした。
最初はすぐにナルビィクは無血で占領されました。その後私たちが宿泊したハシュタから連合軍が上陸しドイツ軍との戦闘が始まりました。イギリス海軍はオフォトフィヨルドでの海戦でドイツ軍の艦隊に大打撃を与え、5月には連合軍は一旦ナルヴィクを奪回しました。
しかし同じころドイツ軍は急速にフランスとベルギーに侵攻を果たし、英仏軍はダンケルクから撤退を余儀なくされ(2017年制作のアメリカ映画「ダンケルク」で撤退の様子が詳細に描かれています)、その結果6月には連合軍はノルウェーからも撤退することになり、それ以降ノルウェーはドイツの占領下に置かれることになりました。
私たちが観光で訪れたヘニングスヴァーの砲台とトーチカ跡(北極圏の絶景ロフォーテン諸島への旅(3)で紹介済み)はそのドイツの占領下で造られた軍事施設です。またこの後オスロで観光で訪れるアーケシュフース城もドイツ軍に利用されました。
ロフォーテン戦争博物館に立ち寄り、関連事項を色々と調べることで、何気なく観光で立ち寄った街や施設にも暗い過去の重大なストーリーがあることが分かりました。このような「発見」も旅の大きな醍醐味の一つだと思います。
ホテル周辺の散策
ロフォーテン戦争博物館を見学した後、スヴォルヴァーの街を散策しホテルに戻り、ホテル周辺も少し散策しました。

右下の写真はスヴォルヴァーでは有名な岩山の先端部分で「スヴォルヴァーの山羊」と呼ばれています。ここへ登るロッククライミングの現地ツアーも出ているようです。

夕食はサラダ、魚料理、デザートの3点セットでした。

旅程8日目
旅程8日目は飛行機でスヴォルヴァーからボードーを経由してオスロまで行きました。オスロのホテルに到着後、オスロの街を少し散策しました。
朝ホテルからスヴォルヴァーの空港へ向かう途中で撮影した車窓からの風景です。
下の写真がこじんまりした空港の建物です。

建物の中にこの空港の空撮写真がありましたので撮影しました。とても小さな空港だと分かります。

飛行機の出発まで時間があったので飛行場周辺を散歩しました。辺りはとても静かでのどかな牧場でした。

下の写真は偶然ですが、油絵の風景画のように見えます。

私たちがボードーまで乗る飛行機が到着しました。最近では珍しい双発のプロペラ機です。

スヴォルヴァーの空港を飛び立ってボードーへ向かう様子を飛行機の窓から動画で撮影しました。飛び立ってすぐにスヴォルヴァーの街が見えてきました。
ボードーへ近づく辺りで見かけたランデゴーデ島を撮影しました。この島は自然豊かでハイキングなどで観光客が訪れているそうです。映画のロケにも使えそうな荒涼たる自然の風景です。
ボードーで飛行機を乗り継いでオスロまで行き、ラディソン・ブル・エアポートホテルにチェックインしました。空港はこのホテルから徒歩5分の距離にあります。

ホテルにチェックインした後まだ夕食までは時間があったので、オスロの街の中心部へ散策に行くことにしました。
オスロ散策
左下が空港から街まで乗った快適な列車です。右下はガラスの窓が特徴的な国立オペラ&バレエ劇場です。ノルウェーのフィヨルドの氷山をモチーフに設計された斬新なデザインの建物で、世界中から建築家が見学に来ているそうです。向こう右側には黒っぽい新ムンク美術館が少し見えています。

街の大通りの突き当りにはノルウェー王宮の建物があります。

下の写真はオスロの中心街の海の入り江に浮かぶフローティングサウナです。街の中で水着でサウナというのは少し驚きました。サウナ好きな人々にとっては場所は関係ないのかもしれません。

オスロ散策の様子も動画に撮りましたので下に2本ご紹介します。予想以上にたくさんの人々で賑わっていました。
左下は国会議事堂です。三十数年前に見学した時と外観は変わっていませんでした。右下はグランドホテルでノーベル平和賞受賞者が宿泊するホテルとして有名です。

左下は国立劇場で、右下はオスロ市庁舎です。

アーケシュフース城
アーケシュフース城は、映画「アナと雪の女王」のアレンデール城のモデルとなったためにとても人気があるそうです。
ピーペル湾の丘にあるこの城は、国王ホーコン5世によりスウェーデンからの防御目的の要塞として14世紀に建てられました。その後クリスチャン4世により、近代的なルネッサンス様式の宮殿に改修されました。
第二次世界大戦時は、ノルウェーを占領したドイツ軍が戦争捕虜の牢獄や処刑場として利用し、さらに戦後はドイツに協力した戦犯者たちの刑の執行が行われていたということです。
そのような暗い過去のあるこの城ですが、現在はノルウェーの軍事施設として利用され、東側にはノルウェー国防省があります。
下の写真のようにどちらかというととても地味な外観のお城です。とても重厚でがっしりとした造りになっています。

下はお城の城壁の上から眺めた港です。

左下はお城の城壁の内部で、右下はドイツ軍が使っていた時代の写真です。お城の中庭などにはいつでも入れるようですが、有料で見学できる建物の内部は訪れた時には閉まっていました。


夕食はホテルのレストランでいただきました。スモークサーモンといくらの前菜、魚料理、アイスクリームなどのデザートです。

これで今回のツアーの観光がすべて終了しました。
旅程9日目
旅程9日目は朝早くオスロ空港からスカンジナビア航空の便で飛び立ち、コペンハーゲン経由で次の日の朝に羽田に帰ってきました。下の写真は飛行機を乗り継いだコペンハーゲンク空港で見かけたバイキングの剣の陳列です。

おわりに
今回は紅葉が美しい季節にスウェーデンのラップランドとノルウェーのロフォーテン諸島を巡る旅へ行ってきました。旅行のハイライトであるロフォーテン諸島の観光では、概ね好天に恵まれ、また気温も東京の冬ほどは寒くなく、快適に観光を続けることができました。
とても親切で人懐っこい現地ガイドさん達にも恵まれて現地で実際に生活する人たちの色々な面白い話も聞くことができました。たとえばロフォーテン諸島の田舎にに住んでいるガイドさんからは、家の周りにはよくシーイーグルが飛んでくるので、ペットを家の外に出すと危険だということなど日本では考えられない話を聞いたりしました。
ロフォーテン諸島は「海のアルプス」と形容されて世界で最も美しい場所だと言われていますが、まだ世界の観光客、特に日本の観光客にはほとんど知られていない場所です。
ただし最近ニュースで見たのですが、この9月に中国のSNSでまさにこのロフォーテン諸島に中国人の観光客がとてもたくさん押し寄せてきて混雑しているという話題でバズっていたとのことです。今回の観光先では色々な場所で確かにたくさんの中国人の観光客に出会いました。今後世界中から観光客がもっと訪れるようになると思います。
ロフォーテン諸島の観光では、切り立った山々の雄大なフィヨルド、海の青、空の青、そして黄葉・紅葉の色が織りなす美しさは期待以上のものがありました。大自然の風景が好きな人には是非お勧めしたい旅行先の一つです。