カンボジアの世界遺産を巡る旅(3)

はじめに

1月の中旬に4泊5日でカンボジアの世界遺産を巡る旅へ行ってきました。

この記事では旅程最終日4日目のベンメリア遺跡とサンボープレイクック遺跡での観光をご紹介します。

4日目~ベンメリア遺跡とサンボープレイクック遺跡の観光

朝ホテルで朝食後アンコール・ワットから東に約40Kmのところにある「東のアンコール・ワット」と呼ばれているベンメリア遺跡へ行きました。

ベンメリア遺跡

ベンメリア遺跡は、クメール王朝のアンコール遺跡群のうちの一つで、アンコール・ワット建造前の11世紀末から12世紀初頭にかけて造られたと伝えられています。

別名「東のアンコール・ワット」とも呼ばれています。また近年「天空の城ラピュタ」のモデルとなったのではないかと噂されていて日本人観光客にも大人気だということです。

   

ベンメリア遺跡の入口には蛇の神ナーガがお出迎えしていました。右上の写真のナーガはかなり綺麗に残っているものの一つだそうです。

   

左上の写真にある石の杭はそこで過去に地雷が見つかったという印だそうです。ガイドさんにこのあたりでは道ではない場所を無暗に歩き回らないように注意を受けました。

まだ地雷や不発弾が残っているかもしれませんし、また木の葉に隠れてサソリもいるとのことです。

昨年10月にパラオのペリリュー島の戦跡ツアーに参加した時にも地雷や不発弾が残っているかもしれない場所の直ぐそばを歩いた経験があります。

このような負の遺産には困ったものです。

   

このような上が森で下が遺跡という風景はどことなく「天空の城ラピュタ」にイメージが似ています。

   

ここの遺跡は石が崩れ落ちた箇所が多いという印象でした。アンコール遺跡群の数が多すぎて修復の手がなかなか回らないということでしょうか。

   

森の中に静かに佇む遺跡という感じでしたが、歩いて散策がしやすいように木製の遊歩道が整備されていました。

            

ここの遺跡でもやはり木々の根がかなり遺跡の隙間に入り込んでいました。一部ですが遊歩道が途切れて足元があまりよくない場所(遺跡の石の上)も歩きました(右上)。

   

左上の写真は崩れ落ちた石組の隙間から内部の廊下を覗いてみた風景です。

   

左上の写真の青い容器はゴミ箱ですが古タイヤを再利用して作られたものだそうです。手で押すとグニャと凹みました。

ベンメリア遺跡の見学の後観光バスに乗って近くのキャンプ場のような場所へ移動しました。屋根がついた開放感あふれる建物に入ってお昼のお弁当(和食)をいただきました。

サンボープレイクック遺跡

サンボープレイクック遺跡は130以上ものレンガ造りの遺跡から形成されている寺院群で、2017年7月にカンボジアで3つ目の世界遺産に登録されたということです。

ちなみに世界遺産第1号は「アンコール遺跡群」で第2号は「プレアヴィヒア遺跡」です。

このサンボープレイクック遺跡は、クメール王朝から遡ること数百年、古代国家「真臘(しんろう)」時代の遺跡で「森の寺院」とも称されています。

   

入口の門らしき建造物ですがすでにかなりの部分が浸食され崩壊していました。その姿が時間の流れを感じさせます。

 

森の中には左上の写真のような塔がたくさん建造されていて中ではそれぞれ神様が祭られていたようです。

   

右上の写真のように一部の塔では入り口を守るライオン像がしっかりと残っていました。

   

左上の写真は分かりにくいですが森の中にできた大きな窪みです。ベトナム戦争時代にアメリカ軍の爆撃機が落とした巨大爆弾の爆発の跡だそうです。

人々の記憶に残すためにあえてそのままにしているのでしょうか。

   

ほぼ全体をすっぽりと木の根に覆われてしまった遺跡です。この木の生命力のすごさが迫力をもって伝わってくる印象的な光景です。

サンボープレイクック遺跡の観光を終えた後、観光バスで約3時間30分かけてプノンペンまで戻りました。

プノンペンに到着したときにはもう辺りは暗くなっていました。郊外の遺跡ツアーが続いたので久しぶりの都会に戻ってきて新鮮な感覚でした。

高級ホテルのスカイレストランで夕食をいただきました。旅程最後の夕食ということで少しリッチな西洋料理のディナーコース料理でした。

   

眼下に川の綺麗な夜景が望める素敵なレストランでした。メインはお魚料理でした(右上)。

空港までの交通渋滞が心配で、夕食のデザートもそこそこに早めに席を立ってバスで空港へ向かいました。

帰国

プノンペン国際空港でチェックインをしてスーツケースを預けた後、プラザプレミアムラウンジへ行きました。この空港にはスターアライアンスなどのグループのラウンジはなく各社共用のこのラウンジがあるだけでした。

   

プラザプレミアムラウンジの入口(左上)とラウンジ内のソファの様子(右上)

   

左上はラウンジ内のカフェテリア・コーナーの様子です。当日はお客さんが少なかったのでゆっくりとくつろぐことができました。

また右上はプノンペンから成田へ向かうANAの飛行機での朝食です。夜遅くプノンペン空港を出発したので朝食が機内食のメインとなります。帰りは夜中なので飛行機の中ではほとんど寝て過ごしました。

ただ行きと同様に座席がフルフラットにはならない古いタイプでしたので少し寝心地が悪く熟睡はできませんでした。

約6時間ほどで成田国際空港へ到着し今回の観光ツアーは終了しました。

最後に

今回の4泊5日のカンボジア世界遺産を巡る旅は全日良いお天気に恵まれ、また特にトラブルもなく楽しく観光することができました。

訪れたアンコール・ワット、タ・プロム寺院、アンコール・トム、バンテアイ・スレイ、ベンメリア遺跡そしてサンボープレイクック遺跡はいずれも見事な石造りの遺跡群でした。

やはり現場で周りの空気、風や匂い、太陽の光、温度や湿度を感じながら遺跡を多角的にじっくりと鑑賞できたことは迫力のある貴重な体験になったと思います。

一方、この旅行記のはじめに述べたようにカンボジアは光だけでなく影の部分がどうしてもついて回ります。

この記事の中で影の部分についてもすでに色々と触れましたがそのほか観光中にもう少し気が付いたことがありますのでここで触れておきたいと思います。

   

観光バスで移動中に窓から見た人家の景色です。日本や欧米諸国などと比べて違っているところはほとんどの家で玄関先や前庭に花が全く植えられていないことです。また見た目も綺麗に整えられてはいません。

よく観察していると花は植えられていないのにほとんどの人家の庭(横や奥)にはちゃんとバナナの木が植えられていました。

「花より団子」ではありませんが、お花を育てるよりはバナナを育てて実を収穫するほうがより実用的でメリットが大きいということでしょうか。

左の写真はある道路の傍の林の木々の風景です。

葉が茶色になっていますがこれは枯れているのではなく、赤土が舞い上がって葉に付着してしまっている光景です。

見渡す限りかなり奥のほうまで茶色に変色しています。

歩いて観光している際にも道路の赤土の埃が自動車が通るたびに空中に舞い上がって周りの空気が濁っている箇所が多々ありました。このような粉塵を吸い込むとやはり健康的に良いとはいえないと思います。

今回のカンボジア旅行ではこのような状況も肌身で直接感じ取ることができましたがこれも海外旅行の一つのメリット(いわゆるお勉強)だということでしょうか。

ともあれ今回のカンボジア旅行では予想していた以上に色々と良い体験ができて大変満足しています。

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