団体ツアーあるある(4)ー 観光バス

はじめに

国内・海外旅行が趣味で数十年ほど前から色々な団体ツアーや個人ツアーを楽しんでいます。団体ツアーに参加すると旅行そのものの体験と同時に団体ツアーならではの面白くて興味深いことがらに色々と遭遇することになります。

この記事ではこれらの興味深い実際の体験を「団体ツアーあるある」としてご紹介していきます。

5.観光バス

団体ツアーで乗る観光バスはとても重要です。現地の観光スポットを巡るのに何日間も同じバスを使うことが普通だからです。

あまりうれしくないのが、参加者が多くて大型バスでも席がほぼ満席で期間中とても窮屈な思いをする場合や、参加人数が少なくても古いマイクロバスに乗せられてエアコンも効きが悪くまた乗りごごちも悪いなどの場合です。

格安ではないそれなりの価格の団体ツアーでは、綺麗な最新式の豪華な観光バスが手配されることがあります。エアコンの効きもよく、椅子のクッションもちょうど良く乗りごごちも良いバスになります。参加者が十数名ですと大型バスでは席に十分余裕があり、一人2席以上ゆったりと使えることになります。

ゆったりと快適に乗れるバスではやはり旅程での疲れが少なくなります。昨年行ったアメリカ西海岸のイエローストーンとグランドサークルの旅では5日間でのバスの総走行距離が2,931Kmというとんでもなく長距離のバス旅でしたが参加者が十数名に対して豪華な新式の大型バスでしたのでほとんど疲れを感じませんでした。

バスの席

少し前までは観光バスの席は基本自由席で、バスに早く乗った人から好きな席に座るという慣習がありました。しかし近年になって席取りのトラブルが増えてきたようで、添乗員さんのほうで席ができるだけ皆に公平になるように日替わりで前方の席、中ほどの席、後方の席が入れ替わるように席を指定する方式が定着しています。

参加者が大人数でバスの席がほぼ埋まるような状況では確かに添乗員さんが席を指定しないとトラブルが発生してしまうと思います。

一時期、朝ホテルから出発するときに早めにロビーに降りてきて、自分の持ち物を席に置いて席取りをしたうえでロビーに集合するというような人が続出しました。前のほうの席が乗りごごちが良いとあってどうしても取り合いになってしまうようです。

一方、大型バスに十数名などという贅沢な場合には空席が多く融通が利くので、今でも添乗員さんによっては自由席としている場合があります。

その場合は参加者の皆さんは前、中、後と日替わりで自主的に席を変えていっています。私も席を杓子定規で指定されるのではなくこのような自由な雰囲気でバスに乗るほうが好きです。ご高齢の人で足が少し不自由な人がいれば皆の勧めで常に前のほうに座るということもあります。

また、このような状況の場合、バスの最後尾付近の席はとても不人気で毎日いつもたっぷりと空いていることが多く、連日最後尾付近に一人で座ってのんびりと過ごすのもなかなか楽しいものです。

観光バスのトラブル

観光バスが起こすトラブルは意外に多いようです。私も今まで多くのトラブルに遭遇してきました。印象的だった事例をいくつかご紹介します。

ある日アメリカを旅行中に4~5車線の広い道路の真ん中付近で観光バスのエンジンが突然ストップしたことがあります。ドライバーが外に出て調べましたが修理は不可能ということで、代替バスを待つことになりました。

交通量がとても多い広い道路に立ち往生していたので追突などが起きないかとても心配しました。結局30分ほど待たされて代替バスが到着し無事再出発となりました。余り起きてほしくない場所での突然のストップは困ったものです。

真夏に中国を観光中に休憩で立ち寄った、土が丸出しの駐車場から出発しようとしたときに観光マイクロバスのエンジンがかからなくなってしまいました。乗客は皆バスから降りて皆でそのバスを押すことになりました。

マイクロバスでしたので皆が一気に押すとすぐにエンジンがかかりました。その日は運よく同じようなエンストには見舞われませんでした。そのマイクロバスはかなり古いものでエアコンもほとんど効かずにガタガタと走っていましたのでその後すぐに引退したものと思われます。

やはり格安ツアーの場合にはこのようなことも覚悟しておく必要があります。

かなり前ですがアメリカを旅行中に最終日の観光を終えて大型観光バスで空港へ急いでいたときのことです。バスが突然スピードを落として道路わきに停車してしまいました。

スピード違反で交通警察にストップさせられてしまいました。ドライバーが空港に急いでいることを伝えて相談していましたが、その後ドライバーがバスに戻ってきてガイドさんとも相談していました。

するとガイドさんが車内の乗客にカウボーイハットを回し始めました。皆から一人1ドル程度の募金を募って罰金を即座に支払いたいとのことでした。1ドル程度なので皆快く協力してすぐにお金が集まり即刻バスは解放され、空港には時間内に無事に到着することができました。

アメリカドラマを見ているようでなかなか面白い経験ができました。

最後の体験はバスで小さな人助けをしたお話です。

以前オランダの細い田舎道を観光バスで移動していた時のことです。突然にバスが野原の真ん中で停車しました。実は同じ観光バス会社の別のツアーでバスの故障が発生して観光客が足止めを食っているとのことでした。

当時動ける代替バスがなくたまたま最も近場に私たちの観光バスがいたということです。ガイドさんが早速乗客全員に相談したところ皆が快く承諾したのでので、私たちのバスが急遽「救出」に向かうことになりました。

私たちのバスはしばらく細い田舎の一本道を走っていたのでUターンする場所がなく、何とドライバーさんは細い道を数百メートルほどもバックのまま戻ることになりました。その長いバックの運転が無事終わると皆が拍手をしました。

故障した観光バスの所へ行き、その乗客を空いた席に乗せてあげて、ホテルまで送ってあげました。「救出」された人たちが下車するときには、「救出」された人たちも私たちも皆で拍手して感謝と激励の気持ちを表しました。

これが理由で私たちの観光ツアーの時間が少し遅れましたが、何といっても思いがけず「人助け」ができて皆さんとても満足した様子でした。

ところで上でアメリカ観光中に観光バスがスピード違反で止められたという話をしました。

ベトナムでは退職直前の警官が退職時のお金を少しでも増やすために頑張って交通取り締まりをするそうです。またカンボジアでは警官が定期的に皆で催す飲み会の費用を捻出するために急に取り締まりをするとのことです。これらの話はそれぞれ現地のベトナム人のガイドさんおよびカンボジア人のガイドさんに伺った話ですので信憑性は高いと思われます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする