はじめに
2月上旬に14日間のパタゴニアの絶景を巡るツアーに参加しました。この記事では旅程12日目のブエノスアイレス市内観光、ブエノスアイレスからリオデジャネイロとドバイを経由して成田へ帰国する様子をご紹介します。
ここで旅程12日目の観光の様子をご紹介する前に、すでに書いた記事にたびたび登場したパタゴニアで極めて有名な「ペリトモレノ」について簡単にまとめておきます。
フランシスコ・パスカシオ・モレノ
フランシスコ・パスカシオ・モレノ氏(1852年~1919年)はアルゼンチンの著名な探検家・科学者で、パタゴニアの大部分をアルゼンチンに併合し、その後の発展に最も影響を与えた人物のひとりとして知られています。
モレノ氏はブエノスアイレスで生まれ、伝統的な貴族の家庭に育ち、小さいころから遺物や化石に興味をもっていたそうです。
成長してからはパタゴニアで数多くの河川などを探検しました。1877年にはアルヘンティーノ湖を発見し命名しました。また、同年にはフィッツロイ山を発見し、1830年代のビーグル号の探検隊長の名にちなんでそのように名付けたそうです。
フランシスコ・パスカシオ・モレノはペリトモレノとも呼ばれていますが、「ペリト」は「専門家、熟練者」の意味です。
今回パタゴニアを観光中にあちらこちらで髭が目立つモレノ氏の彫像を見かけました。
下の写真は旅程10日目のロス・グラシアレス国立公園の氷河クルーズでシェルターに立ち寄った際に波止場の近くにあった彫像です。
下の写真は旅程12日目のブエノスアイレス市内観光の時に立ち寄った公園内にあった彫像です。
旅程12日目
前日の夜にカラファテからブエノスアイレスへ到着しました。
ブエノスアイレスでのホテルはインターコンチネンタルでした。
ブエノスアイレスはラ・プラタ川のほとりに位置するアルゼンチンの首都で人口約312万人の南米有数の大都市です。ヨーロッパ系移民をたくさん受け入れてきたので建築物など欧州の影響を強く受けていて「南米のパリ」とも称されています。歴史的・文化的見どころが豊富で、世界無形文化遺産のタンゴの発症地でもあります。
この日の夜にブエノスアイレスから日本へ向けて帰国しますのでそれまでブエノスアイレスの一日観光を楽しみました。
左下は一泊したインターコンチネンタルです。右下はホテルの立派なロビーの様子です。
下の写真はコロン劇場です。これはパリのオペラ座、ミラノのスカラ座とともに世界三大劇場のひとつです。1908年に開場した世界で二番目に大きなオペラハウスだそうです。壮麗な建築と完璧な音響、長年に渡る芸術の伝統により世界的にも高く評価されています。内部も豪華な造りになっているそうですが当日は内部の見学はありませんでした。
最高裁判所も荘厳な造りになっています(下の写真)。
少し見にくいですが幹が膨らんだ木は「酔っぱらいの木」と呼ばれていて町のあちらこちらで見かけました。幹の膨らみが酔っぱらいの腹に似ているのでこのように呼ばれているそうです。
バスの窓から見た街並みの動画を下に掲載します。この動画の中には有名なオベリスコが写っています。1936年に街のシンボルとして街の中心部に建てられたオベリスコはブエノスアイレスの象徴として存在する高さ67mの白い石柱記念碑です。
レコレータ墓地
左下の写真はレコレータ墓地の門です。この墓地は、ブエノスアイレス市内の高級街レコレータの真ん中にあり、歴代大統領や著名人が埋葬されている世界で最も美しい墓地の一つと言われています。お墓ではありますが、多くの観光客やアーティストが見学に来るそうです。
右下はなぜか近くの道路に置かれた絵が施されたマイクロバスです。墓地の見学に来る人たちに見せたいのでしょうか。
墓地の内部は下の写真のように綺麗に区画分けされて整備が行き届いています。
芸術的な彫刻をあちらこちらで見ることができます。財力にものを言わせてプロの彫刻家を雇いより素晴らしい彫刻を施すことを競い合っているかのようです。
左下はアルゼンチンのペロン元大統領夫人エビータのお墓です。国民的人気を博したのでこのお墓もとても人気があります。ほかのお墓に比べて少し地味な感じに見えます。右下は広い通りに置かれていた案内の看板です。
エル・アテネオ
下の3枚の写真は本屋のエル・アテネオです。2008年にイギリスのガーディアン紙で「世界で2番目に美しい本屋さん」として選ばれたことで世界中から多くの観光客を集めるようになったそうです。
エル・アテネオは1919年にテアトロ・グラン・スプレンディッドという名の劇場としてオープンし、その後劇場から映画館へと変わった後、2000年に建築家フェルナンド・マンゾーネによって本屋として改築され現在のエル・アテネオになったそうです。
下は三階から見た景色です。正面向こうには劇場だったころの舞台の名残が残っています。
この本屋さんの内部を撮影した動画を掲載します。
ちなみに、世界で最も美しい本屋さんに選ばれたのはオランダ南部にある歴史深い街マーストリヒトにある本屋さんで、700年以上前に建てられた教会の内装をそのまま生かして本屋さんにしているそうです。
昼食は左下のレストランに行ってパンと肉団子料理などをいただきました。
プエルト・マデーロ地区の川沿いの道を少し散策しました。
帆走フリゲート艦であるサルミエント大統領号は、海軍士官学校の演習船として活躍した後、現在はプエルト・マデロ地区の運河に博物館船として保存されています(下の写真)。
この散策時の風景を撮影した動画を下に掲載します。動画中には有名な乙女の橋(歩道のみ)の姿も出てきています。プエルト・マデーロ地区の中心にある白い乙女の橋はそのモダンで美しい建築様式で多くの観光客に人気があります。
ブエノスアイレス大聖堂
下の4枚の写真はブエノスアイレス大聖堂の正面付近とその内部です。18世紀に完成したカトリックの大聖堂で五月広場に面していて市内で最も重要な教会です。パリのブルボン宮殿とよく似た外観だそうです。
下の写真は会堂の風景ですがあまり派手な彫刻などの装飾もなくシンプルで厳かな雰囲気になっています。
アルゼンチン独立の英雄ホセ・デ・サン・マルティン将軍の棺がおかれた部屋です(下の写真)。衛兵の写真も自由に撮れました。
パリの街角を再現しているそうです(下の写真)。ブエノスアイレスの人々のパリへの憧れが強いことが伺われます。
下は市の中心部にある五月広場です。遠くに大統領府が見えています。五月広場はアルゼンチン独立運動や政治的活動の舞台となった歴史的な広場で、今でもこの場所で集会やデモが行われているそうです。
下はピンクの建物が特徴的な大統領府です。
下の写真はニコラスアベジャネーダ運搬橋です。川を通る船舶のために高い位置に橋を架けた構造になっています。このような運搬橋は現在では世界的に非常に珍しくなっています。
カミニート
最後に訪れたのはカミニートです。ブエノスアイレス市の南東のポカ地区にあり家々が赤緑黄青などとカラフルにペイントされ、とても陽気な雰囲気のエリアです。またタンゴの発祥地としても知られています。
昔港街として栄えたこの地区には、必ずしも裕福ではないイタリア系移民が住み着いていました。イタリア移民の伝統でそれぞれの家が異なる色で塗られてきました。これは移民達が業者の残り物の塗料で塗ったのも理由の一つだということです。
1950年頃には建築家やアーティスト達によって壁画や彫刻が作られ、街の再生が行われて現在の繁栄に至っています。人や文化が入り交じり、今ではブエノスアイレス市内観光の大人気の観光スポットになっています。
家の外についている階段を上ったところから通りを撮影した写真です。
とても目立つ外観のお土産物屋さんです。外を向いた数体ある人形が特徴的です。
裏路地ですが傘を広げてディスプレイしていました(左下)。お目当ての品を探すのが難しいほど雑多すぎる装飾品屋さんです(右下)。
カミニートを散策した時に撮影した動画を2本ご紹介します。当日も観光客で大変賑わっていました。多くのアートが展示即売されていました。
裏路地にもたくさんの雑貨やお土産物などのお店が立ち並び、ゆっくりと見て回るだけでも楽しめる街です。
最後に近くの公園で無料で見学させてもらったアルゼンチン・タンゴの踊りを2本ご紹介します。
ブエノスアイレスの市内観光では、それまでパタゴニアの独特の風景・環境に長くいたので突然に賑やかな喧騒の都会に戻ってきたという軽いショックを覚えました。ブエノスアイレスはヨーロッパ(特にパリ)的な雰囲気がただよう清潔で整った町だと感じました。歴史的な建築物、文化など見どころが多く観光していて楽しい場所だと認識しました。
夕方には帰国のためにブエノスアイレス空港へと行きました。
夜出発の飛行機で、まずリオデジャネイロを経由してドバイへ向けて行きました。ドバイで乗り換えてさらに成田空港まで帰りました。成田には旅程14日目の夕方にようやく到着しました。
おわりに
今回の14日間のパタゴニア観光旅行は、まずまずのお天気と明るくサービスの良い素晴らしい添乗員さんにも恵まれてとても充実した満足度の高い旅行になりました。
氷河や強風・雨により鋭く削られたたくさんの峰を持つ勇壮・雄大でかつ美しい岩山群、平地で見られる圧倒的な規模と迫力を誇るコバルトブルーが素晴らしい氷河や氷山の数々は期待していた以上の感動をもたらしてくれました。
特に氷河見学は、グレイ湖の氷河クルーズ、ペリトモレノ氷河の展望遊歩道からの見学、そしてアルヘンティーノ湖の2つの氷河を巡る氷河クルーズと3回も十分なチャンスがありました。
また今回実際に現地に赴いて初めて気づいたこととして、パタゴニアの水平線のどこまでも続く広大な草原の荒野(パンパ)、そこに住む珍しい野生の動物(グアナコ、コンドル、レア、スカンクなど)、パタゴニアの探検、発展に尽くしたペリトモレノ氏の存在、「風の大地」と呼ばれる所以の常時吹き荒れる強風、強風があるからこそ造られる美しく芸術的な大空のレンズ雲の競演などがあります。
ついでにもう一つ予想外だったことは、アルゼンチンでは一般的に犬を放し飼いにしていて、街の中を犬が数匹グループで常に我が物顔で走り回っているということです。自動車を追いかけたり人にまとわりついたりしていたので小さな子供は大丈夫なのかなと心配するほどでした。
パタゴニアの料理ですが、アルゼンチン料理というととにかく肉ばかりに偏ったイメージがありましたが、実際にはお野菜なども豊富で、またデザートも美味しくいただけたので安心しました。
パタゴニアへ行くには、飛行機に乗っている時間だけでも30数時間で、乗り継ぎなどの待ち時間を含めると40時間前後かかります。それなりに大変ですが、現地に行って他では見られないような素晴らしい絶景の数々、珍しい初めての色々な体験を満喫できるのでパタゴニアは強くお勧めできる旅行先の一つです。