はじめに
3月上旬に8日間のタスマニアの大自然に触れるツアーに参加しました。この記事では旅程5日目のカモノハシとの遭遇、旅程6日目のダウ湖一周ハイキング、旅程7日目のロスの街での散策などの観光の様子をご紹介します。
旅程5日目(続き)
キングビリーウォーキングコースでの散策を終えてもまだ外は明るかったので、ホテルの庭にある池の周りを散歩して何枚か写真を撮りました。
下は池を前景にしてホテルを写した写真です。実はこの池は頻繁にカモノハシが現れることで知られています。ホテルへ来てからは期待しながら幾度となくこの池を覗きにきました。他の宿泊客も頻繁に見に来ていました。
何度か通ううちについに幸運にも池に浮いている野生のカモノハシに遭遇しました。下の写真では右側がカモノハシの頭と口ばしで、左側が尻尾です。この時池の周辺に来ていたたくさんの観光客が距離が最も近い岸辺に一斉に集まり皆息を殺して静かに眺めたり、カメラやスマホで撮影したりしていました。
この世の珍獣であるカモノハシは、まず形態が奇妙です。カモのくちばし、カワウソの体、水かきの付いた手足、ビーバーの尻尾を合わせもっています。
また哺乳類なのに卵を産むという特異な繁殖形態を採ることで知られています。さらに、オスは約6000種いる哺乳類の内、数種しか確認されていない毒を持っていて摂取すると強烈な痛みが出て解毒剤もないといわれています。
この貴重なチャンスを生かして頑張って動画を撮りましたので下に掲載します。動画を見ると姿や行動が良く分かります。
行動を見ていると同じ動作パターンを何度も繰り返していることがよく分かります。最初に水面に浮かんで手足でぱたぱたと動き、その後急に水中へダイブしています。
カモノハシは、トビケラやトンボなどの幼虫、カニなどの甲殻類、小魚などを食べるので、どうやら最初のパタパタでエサを驚かせておびき出して、狙いを付けたらダイブして捕まえるという動作を繰り返しているかのようです。
世界でもオーストラリア本土の東側とタスマニア島にしか生息していない貴重な野生のカモノハシをまさに目の前でじっくりと見ることができてとても感激しました。
夕食はホテルのレストランでイタリアンのピザをいただきました。
明日の天気予報ではクレイドルマウンテンは雨となっていましたので、メインイベントであるダヴ湖一周ハイキングの時のお天気がとても心配でした。
旅程6日目
朝早くホテルをバスで出発してクレイドルマウンを望むダヴ湖へ向かいました。
ダヴ湖一周ハイキング
ダヴ湖の傍には観光センターの建物がありました(下の写真)。
左下は建物の内部の様子で、右下は樹齢1,700年のキングビリーパインの木の年輪が展示されている様子です。
左下はクレイドルマウンテンの山頂付近をかたどったオブジェで、右下はクレイドルマウンテン国立公園の案内図です。
この日は昨日の天気予報どおり朝から小雨が降っていてあいにくのお天気でした。晴れていれば湖とクレイドルマウンテンなどの周囲の絶景が楽しめるはずでしたが、残念ながら雨で周りはもやがかかっていたので近くの風景さえもかすんでしまっていました。
ハイキングはダヴ湖の周囲5~6Kmを約2時間かけて周ります。まずこの観光センターで防水の上着を着たりして雨に備えました。
最初に観光センターからダヴ湖の岸辺まで行きました。その時の様子を動画に撮りましたので下に掲載します。
下の写真はダヴ湖ですがやはりかなり靄がかかっていました。向こう岸に白っぽい岩グレイシャーロックが見えています。あの岩の上がちょっと危険ですが人気の撮影ポイントになっているそうです。
ここからダヴ湖一周のルートに入りハイキングへ出かけました。
右下はシルバーバンクシアです。
何本かの木の根付近が絡み合っていて、盆栽のような趣がありました(下の写真)。
タスマニア固有の植物で生きている化石ともいわれているパンダニが生えています(下の写真)。
もしもお天気が晴れていれば下の写真の背景には美しいクレイドルマウンテンが聳えている姿を見ることができたはずでした。休憩したこの場所には木のベンチがあり、ダヴ湖一周ハイキングのちょうど中間地点だということでした。
左下はコパーリーフスノーベリーです。
ハイキングの途中ではかなり強く雨がふってきました。雨の森の中を歩く様子を動画で撮りましたので下に掲載します。森の中は木道が整備されていたので雨の中でも安全に歩くことができました。
白いグレイシャーロックを真正面に望みます。
下の動画はハイキングの終盤で観光客が集まる撮影スポットまで歩いていく様子です。
下の写真はダヴ湖ハイキングを紹介する雑誌などメディアの写真によく出てくる撮影スポットです。晴れていれば右側にあるボート小屋の背景に雄大なクレイドルマウンテンが見えているはずでした。
下の写真はハイキングの終盤に遊歩道から見た風景です。
ダヴ湖のハイキングを終えるにあたって最後にダヴ湖の岸辺に行って周りの風景を撮影しました。
当日は予定より早く出発地点へ戻って来ました。主な理由は各撮影スポットでの写真撮影の時間が雨のために必要なかったからです。
ハイキングの開始から終了まで止むことなく雨が降っていました。また途中では雷を伴うかなり激しい雨にも見舞われて、風景もよく分からず、雨に濡れながらの写真撮影も少ししかできませんでした。残念ながら期待していたクレイドルマウンテンを背景にした絶景の写真は1枚も撮れませんでした。しかし、近くの木々や花などの珍しい植物を見たり、タスマニアの森の中の静寂で神秘的な雰囲気を感じながら散策できたことは、それはそれで一つの良い体験になったと思っています。
たくさん行った海外旅行でメインの観光スポットの観光中にこのような長時間(終日)雨に降られることが今までに一度だけありました。それは年末年始に台湾(特に、野柳、九份、十分の観光中)へ家族で旅行したときです。
ほとんどの場合好天に恵まれることが多いです。理由は「晴れ女・男」というわけではなく、団体ツアーでも個人旅行でも好天が続くベストシーズンを狙って行っているからだと思っています。
ハイキングを終えてホテルへ戻りました。フリータイムの午後になっても雨が絶え間なく降り続いていたので、ホテル周辺の軽い散策やホテル内でゆったりと過ごすことにしました。ウッディな素敵なロビーでは暖かい暖炉がとても快適でした。
ホテルの庭で小道のすぐそばに来ていた2匹のワラビーを見かけました。ホテルに滞在中複数匹のワラビーが庭に頻繁に現れていました。もちろん野生のワラビーで人との間には柵も何もありませんので、このような状況はまさに非日常の体験でした。
この時の短い動画を下に掲載します。
ホテルの部屋に備え付けの傘をさしながら、ホテル周辺を散策しました。左下はホテル敷地内にあった薪割り場です。ホテルでは暖炉を使っているので薪がたくさん必要だと思います。右下はピンクのとても可愛い実をつけているピンクマウンテンベリーです。
ホテルの近くには地面に苔がいっぱい生えている幻想的な場所がありました。
旅程7日目
前日の一日続いた雨模様とは反対に次の日は好天に恵まれました。
現地ガイドさんによるとクレイドルマウンテンでは最初から1日の予備日を加えて2日間の観光を予定する方が良いということです。2日間のうち多くの場合1日は晴れることが多いそうです。余裕がとれない団体ツアーでは無理でしょうが、個人旅行ではそのように計画することをお勧めするそうです。
さて旅程7日目は朝バスでクレイドルマウンテンを離れ、ロスの街を訪ねた後、ウールマーズエステートへ観光へ行きその後夕方に飛行機でメルボルンへ移動しました。
朝ホテルで朝食前に庭の池に立ち寄ってみました。朝日に照らされた木々が美しく輝いていました(下の写真)。
また苔のような草がびっしりと生えている庭の一角も爽やかな朝日を浴びていました。
ロスへ向かう途中で現地ガイドさんのお勧めの乳製品製造&販売店へ立ち寄りました。
左下はチーズの倉庫で、右下は店内の様子です。ここの牛乳はタスマニアで最も美味しいという人もいるそうです。
ロスの街を目指して進むバスの車窓から風景の動画を2本撮りました。
最初は草原の中にユーカリの木や林が点在する郊外の定型的な風景です。
次は、フレシネ国立公園やクレイドルマウンテン国立公園以外ではあまり車窓から見かけませんでしたが綺麗な山が遠くに見えていたので思わず撮影した動画です。
ロスの街の散策
次に立ち寄ったのがタスマニアで人気の観光地で人口約400人の小さな街ロスです。
ロスは、州都ホバートと第2の都市ロンセストンを繋ぐミッドランド・ハイウェイの中間にあり、昔流刑の囚人たちによって作られた街だそうです。石畳の小道、石造りの橋、19世紀のビクトリア・ジョージア様式の建物などの歴史的な建築物が多く見られます。
この街でまず昼食をとることになりましたが、レストランではなく、ロスで有名なパン屋さんでテイクアウトして外でいただくことになりました。
下がロスの街で美味しいと有名なパン屋さん「Ros Village Bakery」です。
実はこのパン屋さんはジブリ映画の「魔女の宅急便」に登場するキキが働いていたパン屋さんのモデルとなった場所だと言われています。店内にはこの映画にまつわるグッズがたくさん展示されていて、毎年数多くのジブリファンがここを訪れているとのことです。
左下は映画でキキと共に登場するショーケースで、右下はパンを焼く窯です。窯は年代物のようです。
下は厨房の様子です。入り口に立って写真を撮ろうとしていたら中にいたお店の人に親切にも中に招き入れてもらえました。
左下の写真はテイクアウトしたパンなどを皆でいただいた裏庭にあるテーブルです。この裏庭は映画のキキが住み込んでいた屋根裏部屋のすぐ傍になります。右下はオーストラリアでは国民食であるミートパイと並ぶ人気のスキャロップパイとカフェラテです。絶好の気持ちの良いお天気の元でとても美味しくいただきました。
下は色々な手作りの飾りが売られているお土産物屋さんの様子です。
下はロスの街で有名な石橋「ロス・ブリッジ」です。オーストラリアでは3番目に古い石橋で、流刑の囚人によって建造されたものだそうです。とても重量感があり丈夫そうな橋です。
橋の周辺の水辺の風景も素敵でしたので2枚撮影しました。
この石橋と周りの風景を下の動画に収めました。動画の中で川の向こう岸に止まっている白いバスが見えますがこれは私たちが乗ってきた観光バスです。
ロスの街は小さな街ですが、好天の中しばしの散策を楽しみました。イギリス風の街並みということでは、以前カナダのイギリス植民地時代の面影が強く残るナイアガラ・オン・ザ・レイクの街を散策した時の雰囲気と似ていると感じました。
この旅行記は「大自然の宝庫タスマニア旅行(4)」へ続きます。