デジタル絵画(パソコン絵画)ーペイントソフトなどの道具

ドット絵

デジタル絵画を始めるにあたってまずペイントソフトの選択は大切だと思います。

なぜなら、一度一つのソフトを使い慣れたら、途中からその他のソフトに移行するのはかなり面倒だと想像できます。機能や使い方を始めから学習し直し、また絵を描くときの感覚も大いに変わってしまうからです。

私はペイントソフトを選ぶ前に、とにかくデジタル絵画はどのようなものかを体で実感するために「ドット絵」を描いて見ることにしました。

ピクセル一つひとつに色付けしていくという、敢えて最も原始的な手がかかる方法でたっぷりと時間をかけて一枚だけ絵を描きました。実は一枚描くのもかなり大変でした。

池に浮かぶ睡蓮の絵です。

下の画像は上の絵の左側のピンクの睡蓮の花の部分を拡大したものです。

1ピクセルずつ色を付けていった様子がよく分かると思います。

この絵はホームページのタイトルの背景に使うつもりで横に細長く描きました。この忍耐が必要な作業のおかげでデジタル絵画の感覚がよくつかめました。

この作業をしているとフランスの画家ジョルジュ・スーラ(1859-1891 新印象派)の著名な作品「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、「グランド・ジャット島からのセーヌ川」のことを思い出しました。

スーラは印象派の「筆触分割」の技法をさらに押し進め、光学的理論を取り入れ、最も細かい点描というドット技法を考案し実践した画家です。

「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

この技法により、混ぜ合わせるとくすんだ暗い色になる絵の具の欠点を補い、色の彩度や明るさを何とか保とうとしました。

「グランド・ジャット島からのセーヌ川」

ペイントソフトの選択

ファインアートとしてのデジタル絵画を描くにはそれなりの機能を持ったペイントソフトが望まれます。Windowsのペイントやワード、フリーソフトも各種ありますがやはり慣れてきてから途中でソフトを変えるのは避けたいので最初から有料ソフトを探すことにしました。

漫画やイラストを念頭に置いたソフトが多い中で出来るだけファインアート向きの次の3つの有料ソフトを候補に挙げました。

  1. ペイントツールSAI(株式会社SYSTEMAX)
  2. 水彩(株式会社ジャングル)
  3. Painter(Corel Corporation, Canada )

1のSAIは初心者でもとても使いやすいという評判でした。2の水彩は水彩画用の豊富な機能を備えた人気ソフトのようです。

結局油絵のファインアートを目指していたので、世界的に定評のあるPainterを選択しました。これはソフトの価格が4~5万円で上の3つの中では最も高いですが、絵画を描く機能も大変充実しており、快適に長く使い続けられるだろうという判断です。

余談ですが、Painterは少しお安かったので海外アマゾンで英語版を購入しました。日本でもまったく問題なく使えています。

デジタル絵画の道具

ペイントソフトを含めて私が最初に揃えたデジタル絵画のツールは次の通りです。

1.ペイントソフト

Corel Painter 12デジタル絵画を描くためのペイントソフトとしてCorel Painter 12というペイントソフトを使っています。このソフトはCorel Corporation (カナダ)の製品です。東京にコーレル株式会社という日本支社があるようです。

初心者向けにCorel Painter EssentialsというPainterの廉価版ペイントソフトも販売しています。価格もPainterの1/10程度とお安くまた使い方も簡単になっているようです。

2.液晶ペンタブレット

Wacom Cintiq 22HDデジタル絵画を制作する場合は、普通のペンタブレットで描いてそれをPCのディスプレイで確認するか、または液晶ペンタブレットを使ってその上で直接絵を描き確認するかです。

従来のようにキャンバスに絵筆で絵を描く動作を仮想的に実現したいのであれば、やはり液晶ペンタブレットを選択すべきです。

液晶ペンタブレットは目で見ている場所に直感的に筆を動かせるので絵を描くことがとても容易になり、また何といっても楽しくなります。液晶ペンタブレットとして世界的に評価の高いWacom Cintiq 22HDを使っています。これはWacom Co., Ltd.(日本)の製品です。

3.プリンター

EPSON SC-PX5VII デジタル絵画はデジタルのままディスプレイに表示して楽しむほか、プリンターで印刷して絵画作品として仕上げることもあります。

日頃使っているプリンターはEPSON SC-PX5VIIです。これはSEIKO EPSON Corp.(日本)の製品です。

プロまたはセミプロの写真家などが写真作品を展覧会に出品するためにこのような高精度プリンターを使って印刷しているとのことです。

4.デジタルカメラ

SONY NEX-7 デジタル絵画を描く際に、お気に入りの風景写真を横においてそれを参考にしながら描くことがあります。

最近は世界自然遺産を中心に各地を訪問し世界の美しい風景を撮影しています。そのような場合はカメラはできるだけ小さく軽く、かつ高精度のものが便利です。

現在使っているカメラはSONY(日本)製のミラーレス一眼レフデジタルカメラNEX-7です。 重量は350g、大きさは119.9mm x 66.9mm x 42.6mm、精度は24.3Mピクセルです。

ズームレンズ
荷物を少しでも軽くしたい旅行では、ズームレンズがお勧めです。近距離から遠距離までこれ一つですませることができます。
愛用しているのはSONYデジタル一眼カメラ“α”[Eマウント]用レンズ SEL18200LEです。

5.デスクトップパソコン

Lenovo ThinkCentre M93 SFF ProCorel painterのようなペイントソフトやWacom液晶ペンタブレットを快適に使うには比較的性能が良いパソコンが必要です。

現在使っているパソコンはLenovo(中国)製のThinkCentre M93 SFF Proです。このパソコンはCPUがIntel Core i7-4770 (3.40GHz) でメモリは16GBです。

最後に

デジタル絵画は本格的に始めようとすると、高度なデジタル処理のためのそれなりのデジタル・ツールを揃える必要があります。

あまり大げさに考えずに、とにかくすぐにお手軽にデジタルのお絵かきを始めたいという方には、2018年の新型iPadとApplePencilも選択の一つになるかもしれません。

筆圧感知機能も備わっているようですし、4万円程度で購入できるようです。ちょっと外に持ち出して気に入った風景を写生することも簡単にできてそれなりに楽しめるでしょう。

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