団体ツアーあるある(6)ー 観光スポット、朝の集合、フリータイム

はじめに

国内・海外旅行が趣味で数十年ほど前から色々な団体ツアーや個人ツアーを楽しんでいます。団体ツアーに参加すると旅行そのものの体験と同時に団体ツアーならではの面白くて興味深いことがらに色々と遭遇することになります。

この記事ではこれらの興味深い実際の体験を「団体ツアーあるある」としてご紹介していきます。

7.何故か外される観光スポット

団体ツアーでは各旅行会社は限られた日程の中でどこをどのように観光するのかを入念に調査・検討し決定していると思いますが、時々観光ルートのごく近くにある魅力的な観光スポットへの訪問を除外することがあるようです。

当然立ち寄るだろうと思われるような素敵な場所に何故か行かないのかということですが、距離もごく近くまた時間も十分にとれそうなものなのに理由は不明です。当該旅行の参加者の満足度はこのわずかなことでとても上がると思われますので残念です。

過去に何度かこのようながっかりのサプライズを経験していますのでいくつかの具体的な事例をご紹介します。

事例1:国内ツアーで素通りされた観光スポット

夏に北海道の知床を中心に東側の秘境を巡る3泊4日のツアーに参加した時のことです。

その日は朝早めに知床ウトロ温泉のホテルをバスで出発し、知床半島のほぼ真ん中辺りを通っている横断道路を走り、西海岸から東海岸へ向けて半島を横断しました。

途中知床半島最高峰の1661メートルの羅臼岳付近を通りましたが、山脈群のとても雄大な風景が広がっていました。峠には広い駐車スペースがあり、多くの車が止まって観光客は周辺の美しい景色を堪能していました。

私たちのバスはとても残念なことにまったく止まることなくそのまま通過してしまいました。

雄大な美しい風景を見るのが好きな人も多いと思いますが、なぜ今回バスがわずか10分ほどですむ写真ストップでさえもしなかったのかがよく分かりません。多くの参加者はバスの窓から頑張って写真を撮っていましたが動いているバスの窓越しでは満足な写真が撮れるはずはありません。

多分この旅行会社のこの旅行パッケージを企画した人がそこまで考えが及ばなかったのだろうと思います。ここでこのような大自然の素晴らしい風景を眺望し写真に収めることができていれば、今回の旅行の良い思い出の一つともなり満足度がかなりアップしたのにと思うと残念です。

事例2:スロベニアのブレッド湖観光で立ち寄らなかった観光スポット

新緑が美しい6月に森、林、湖、川、滝などの絶景を求めて、オーストリア、スロベニア、クロアチアを巡る8日間の団体旅行へ行った時のことです。

その日はスロベニアのホテルを朝早くバスで出発しお昼にはブレッド湖へ到着しました。湖のほとりにあるレストランで魚料理の昼食をいただいた後、ブレッド湖に浮かぶブレッド島へ手漕ぎ船で行き教会などの観光を楽しみました。

その後バスはどこにもよらずにブレッド湖に近い宿泊予定のホテルへ行きました。ところがまだ夕方でも時間はかなり早めで、なぜこんなに早い時間にホテルへ入ったのか不思議な感じでした。

外はかなり明るくせっかくの海外旅行の時間がもったいなかったので、ホテルにチェックインした後すぐに団体ツアーとは関係なく一人で周辺の観光へと出かけました。

ブレッド湖が「アルプスの瞳」と呼ばれているので是非高い位置から眺望しその姿を確認したいと思い、湖畔の断崖の上に建つ有名な観光スポットであるブレッド城へタクシーで行きました。

ホテルからタクシーで片道約5分、代金は往復23ユーロでブレッド城の入場料が大人一人11ユーロでした。

ブレッド城の入り口付近にある駐車場には多くの観光バスやタクシー、自家用車が止まっていました。そこから正門へ続く石畳の坂道を少し歩いてブレッド城へ入場し中を観光しました。

城内は案の定かなりの数の観光客で賑わっていました。そして高台の城壁越しにお目当ての「アルプスの瞳」と形容される雄大な幻想的で美しい姿を堪能し、何枚も綺麗な写真を撮ることができました。

ブレッド城までは車で片道約5分で、城内をゆっくり観光しても20~30分ですので、仮に皆でバスで観光に行ったとしても合計約40分もあれば旅程に組み込める魅力ある観光スポットです。

せっかくはるばるとブレッド湖の観光に来てお天気も素晴らしく良かったのに、ブレッド湖を高台から見る「アルプスの瞳」の風景(絵葉書でよく見る風景)を堪能しないのはいかにももったいないと思いました。

旅行会社には今後是非ブレッド城の観光も旅程に加えてほしいものです。参加者の満足度は必ず上がると思います。

このように旅行会社が設定する観光ルートや観光スポットはまだまだ工夫の余地があると思います。個人旅行では自由に旅程を組めるので、もちろんこのようながっかりサプライズは起こりません。

8.朝の集合

団体ツアーに参加するといつも最も緊張するのは朝のホテルのロビーでの集合です。朝少しゆっくりしているとあっという間に集合時間になってしまうことが多いからです。

ホテルの美味しい朝食も時計を気にしながらのものとなります。他の参加者とおしゃべりで盛り上がってしまうときには特に要注意です。

ところでどのツアーに参加しても皆さんは集合時間にはちゃんとロビーへ降りてきます。時間厳守というよりは、早い人は20~30分前くらいに、遅い人でも10分前にはほとんど集合しています。

団体ツアーに何度も参加すればするほど早めに集合するような習慣がついてしまうようです。理由は常に添乗員さんに時間厳守を強く依頼され続けるからだと思われます。

私は昔から集合時間ほぼちょうどの2、3分前くらいにロビーに到着することが多いですが、最近では他のほとんどの人があまりにも早いので、私がロビーに着いた頃には誰も居なくて、皆さんはすでにバスに乗り込んでいるということも多々あります。

前の晩に添乗員さんから通知される次の日の朝の集合時間は旅程に合わせてちゃんと調整してあるので、ちょうどの時間に集合すればまったく問題はないはずです。それでもほとんどの参加者はかなり早めに来ています。

ある添乗員さんにうかがったのですが、日本人ツアーの場合には朝の集合に遅れる人はまずいませんが、イタリア人やフランス人など海外の人のツアーの場合には集合時間になってからようやくホテルの部屋を出る人が大多数だそうです。

そのため皆さんがロビーに到着するのは集合時間の5,6分後になるそうです。中には10分ほど遅れてきた上に添乗員さんに「今からコーヒーを買って来たいのですが、いいですか?」と尋ねるつわものもいるそうです。

個人主義が徹底しているヨーロッパの人はとにかく縛られるのが大嫌いで、きちんとした集団行動に慣れすぎている日本人とは感覚がかなり違うということでしょう。そのような意味では日本人はそもそも団体ツアー向きだとも言えるかもしれません。

9.フリータイム

団体ツアーの場合には、フリータイムが全くなくてすべての観光が付いているものや、少しだけフリータイムがあるもの、そしてすべての観光がフリー(空港送迎が付いている程度)のものがあります。

少しだけフリータイムがあるツアーはかなり多いように見受けられます。私自身もそのようなツアーが最も好きです。

例えば6泊7日のツアーの場合に主要な観光地で数時間程度のフリータイムが2~3回あるというようなものです。

フリータイムがあればその時間帯はまるで個人旅行へ来たかのように気軽に行動できますし、集団行動から解放されてしばし自由を満喫できます。

またフリータイムの時にどこを観光するのかを前もって色々と詳しく調査・検討する楽しみがあり、口コミを含めてたくさんの情報をチェックするのでその観光地についてとても詳しくなり大変勉強になります。

私の場合はタクシーを使って簡単に移動するのではなく、極力市内バスやフェリーなどに乗るようにしています。そのほうが現地の人の様子が良く分かり、思いがけない会話も生まれ、とても楽しく過ごせるからです。

このフリータイムの時は「7.何故か外される観光スポット」で書いたように、ツアーで抜け落ちた魅力あるその他の観光地を訪問できるといううれしいチャンスになります。

ところで旅行前から旅程表でフリータイムがあると分かっているのに特にどこへ行くか、何をするのかを決めていない参加者の人もそこそこおられます。多分多くの場合、添乗員さんが市内や商店街などの散策に連れて行ってくれることが多いのでそれに便乗しようと思っておられるのだと想像されます。

団体ツアーの場合は、必ずと言ってよいほど旅の後半にお土産などのお買い物の機会をちゃんと設けていますのでお買い物はその時でよいと考えています。

私は旅行前に常に近場の面白そうな観光地を調べてフリータイムに臨みますので、他の参加者の方とその話題でお話しする機会にその観光に興味があればご一緒するようにお誘いすることもあります。

なお、せっかく設定してあるフリータイムの時間があまり十分ではないことが多いのが悩みの種です。例えば2~3時間程度の中途半端なものだったりします。それですと観光の行動範囲がかなり狭まり、またちょっと遠くで是非行きたいところがある場合や欲張って2~3カ所を回りたい場合にはかなり急ぎ足の観光になってしまうこともあります。

夕飯の時間などが少々遅くなってもかまわないので、旅行会社にはフリータイムの時間をもう少し余裕をもってとっていただけるとありがたいです。

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