北イタリア世界遺産ドロミテ観光(6)

はじめに
7月下旬に10日間の日程で北イタリアにある世界自然遺産ドロミテへ観光に行ってきました。この記事では旅程7日目のシルミオーネ、ガルダ湖などの観光、旅程8日目のエルブロンネ展望台、ブルー湖、チェルビニアなどの観光の様子をご紹介します。
旅程7日目

朝コルティナ・ダンペッツォのホテルをバスで出発してシルミオーネへ向かいました。

シルミオーネとガルダ湖

シルミオーネはイタリアで一番大きな湖であるガルダ湖の南岸にある街です。シルミオーネは古代ローマ時代の最古の温泉保養地であり、現在でも歴史的建造物が残りお洒落なスパ施設があるスパリゾートとして人気がある観光地です。

ガルダ湖は湖水地方と呼ばれる北イタリアのヴェローナの近郊にあり、湖の周囲には風光明媚な街がたくさんありますがその中のひとつがシルミオーネです。

下の写真はガルダ湖に浮かぶスカリジェロ城(カステッロ・スカリジェロ・ディ・シルミオーネ)です。イタリアの湖にあるお城の中で一番保存状態が良くかつ大きなお城で、ヴェローナを統治していたデッラ・スカーラ家によって13世紀に建てられたお城だそうです。

下の写真は左上の方に見えるガルダ湖に繋がる水路の風景です。湖を中心にしたリゾート地の雰囲気になっています。

下の写真はスカリジェロ城の門をくぐって街の中心に来た時の様子です。さすがに人気のリゾート地ということで観光客でごった返していました。

シルミオーネではまず昼食をいただきました。レストランは観光客で混雑するシルミオーネの中心街にある「ルッコラ」というミシュラン一つ星レストランです(下の写真)。

下の写真は2人前のオードブルですが色々なものがでてきました。

左下の写真はパンとバターです。右下の写真はシーフードのメインディッシュです。

 

左の写真はデザートの一部です。写真に撮り忘れましたがもう一品ありました。デザートの種類と分量が多かったので少しびっくりしました。このレストランの料理では上の写真で分かるように料理の器がとてもユニークでした。線路の切れ端のような鉄製のもの、石やレンガのようなものが器として使われていました。確かにサプライズも演出できるしSNS映えもするのかなと思いました。

ただし料理の味はそこそこでしたのでミシュランの星は器のユニークさ(奇抜さ)がその理由のひとつだったのかもしれません。個人的感想ですが、器は標準のものでよいので料理の中身で勝負してもらう方がより好ましいと思いました。

昼食の後は小型船で30分程度ガルダ湖の遊覧を楽しみました。ガルダ湖の中で温泉が湧き出ている場所があるということですぐ近くまで寄って行って泡が湖面に出てきているのを見学しました。

ガルダ湖の南岸から突き出た細長いシルミオーネ半島の先端には別荘地だったローマの遺跡が残っています(下の写真)。遠くから見てもかなり立派な施設だったことが分かります。

ガルダ湖の遊覧を楽しんだ後はバスで約300Km移動し今夜の宿泊地であるサン・ヴィンサンへ行きました。ホテルはパークホテルビリアでした。
旅程8日目(観光最終日)

朝サン・ヴィンサンのホテルをバスで出発してクールマイヨールへ行きました。

エルブロンネ展望台

クールマイヨールは観光客の人気を集める北イタリアの山岳リゾートの拠点です。ここから最新式360度回転ロープウェイ「スカイウェイ・モンテ・ビアンコ」にのって標高3466mのエルブロンネ展望台に上がりました。当日は麓の方はお天気が良かったのですが、山々の頂上付近には雲が立ち込めていました。

展望台からは晴れていれば360度の素晴らしい大パノラマを見ることができるはずですが、目の前にあるはずのモンテビアンコ(モンブラン)を含めほとんどすべての山々は雲に覆われていて特に頂上付近は見ることができませんでした。

またこの展望台からはさらにゴンドラでフランス側のエギーユ・デユ・ミディ展望台に行くことができますが天候がすぐれないために休止となっていました。

当日の様子が分かるようにとりあえず2枚だけ写真を撮りましたので下に掲載しておきます。

モンブランは、三十数年前に初めて観光でスイスを訪れたときにシャモニーからロープウェイで展望台へ行き、快晴の真っ青な空を背景に、目の前にその真っ白で優美な姿を見ました。今回は運がなかったのだと思いました。展望台のテラスで少し待ってみましたが天候の回復が見込めないと分かり早めにロープウェイの中間駅まで降りることにしました。

中間駅は標高2200mにあるパヴィヨンです。ここですと寒くはないですしまた高山病の心配もないので、カフェで昼食をとったり、高山植物園を散策したりしてゆっくりと過ごしました。

下の写真はその高山植物園の風景です。絶景に囲まれた山の峰のような予想外の場所に作られていて、思ったより面積も広くよく整備・管理されているようで、訪れた時も担当者の人が植物の手入れをしていました。

   

ここの高山植物園の様子を4K動画で撮影しましたので下に掲載します。絶景に囲まれた素晴らしい場所に作られていることが良くわかります。

中間駅で1時間ほど過ごした後またロープウェイで麓の駅まで戻りました。

最新式360度回転ロープウェイの様子を4K動画で撮りましたので下に掲載します。この動画を見ると下から登ってくるゴンドラの回転のための丸い特殊な形や、画像に支えの枠が写ったりまた風景が移り変わったりする様子が見て取れますので回転しているのが実感できると思います。

360度回転すれば周りの景色がワイドに楽しめますし、またゴンドラのどこに乗るかに関係なく皆公平に周りの景色を味わえますのでとても良い設備だと思います。

エルブロンネ展望台で観光を終えた後バスでチェルビニアへ向かいました。

ブルー湖とチェルビニア

チェルビニアはスイスとの国境付近にありイタリアで最もマッターホルンに近い街です。イタリア屈指の避暑地として人気があり、冬にはスキー場としても大変にぎわっています。

ブルー湖はチェルビニアの街の少し外れにありイタリア側から逆さマッターホルンが見られる場所としてとても有名です。

下にブルー湖の写真を掲載します。湖の色はブルーというよりエメラルドグリーンのようです。

お天気が良ければ下の写真でブルー湖の向こう側にマッターホルンがきれいに見えて、またブルー湖の湖面にその姿を映す絶景になるはずでした。

ブルー湖の周りには多くの観光客が集まっていましたが30分ほど待ってみても残念ながらマッターホルンが姿を現すことはありませんでした。またいつの日かこの地域を訪れる機会があれば是非ブルー湖から雄大なマッターホルンを眺望したいと思います。

下に当日のブルー湖の様子を撮影した4K動画を掲載しておきます。

ブルー湖の観光の後はバスでチェルビニアの街に行き1時間ほどの散策を楽しみました(下の写真)。チェルビニアの街並みも、今回の旅行で色々と立ち寄った街と同様に山々に囲まれた小さなリゾートタウンという雰囲気でした。

下の写真はチェルビニアの街から見たマッターホルンですが雲の切れ目に一瞬ですが何とか頂上付近が見えました。

下の写真はチェルビニアの駐車場の様子を撮影したものですが、周りの風景がなかなか雄大で素敵だなと思って思わずシャッターを切りました。

チェルビニアとブルー湖の観光を終えてバスでサン・ヴァンサンのホテルへ戻りました。

翌日早朝にバスでホテルを出発してミラノへ行きフィンエアーでフィンランドのヘルシンキに行き、そこで航空機を乗り換えて羽田まで帰ってきました。

これで今回の10日間の日程で楽しんだ北イタリア世界遺産ドロミテ観光ツアーはすべて終了です。

おわりに

今回の10日間の北イタリア世界遺産ドロミテ観光ツアーでは、実質の観光は7日間程度でしたが最後の1日を除いてすべて好天で期待どおりの美しい風景を堪能することができました。今回のように「絶景に出会う旅」であればとにかくお天気に恵まれることが絶対条件であると思います。

以前中国の武陵源(張家界)に最初に観光ツアーで行った時には連日かなり濃い霧に覆われていてほとんどお目当ての風景は見ることができませんでした。そのため年を改めて再度同じツアーで再訪し、今度は霧のない好天の中で絶景を楽しむことができました。このようにお天気に恵まれないと再訪を計画することになります。

今回は観光最終日のエルブロンネ展望台とブルー湖からのマッターホルンが悪天候で旅行の目的を達成できませんでしたが、この旅行記の最初に書いたように旅程7日目と8日目(観光最終日)は「おまけ」のように思っていましたのでこれらの観光地にあえて再訪することは考えていません。今回の旅行はあくまでもドロミテを訪れるのが目的でした。

今回のツアーは団体ツアーでしたが、グループで一緒に歩き回ると写真を撮るタイミングが合わないので、散策やハイキングの時はできるだけ単独で歩くことを心掛けました。また早めにホテルへ着いたときなどの空き時間があれば個人で別途観光へ出かけることもありました。今回では旅程4日目のロンコロ城観光や6日目のトファーナ山のロープウェイなどがそうです。

今回の旅行では初めて動画をたくさん撮りました。この旅行記にも十数本を掲載しましたが、やはり写真と違ってリアル感、没入感、躍動感がかなり違うように感じています。その現場にいるかのような感覚になると思います。ある程度時間がたって旅行記を読み直すときに動画があればより強く当時の思い出がよみがえるものと思っています。

CPUパワーとストレージが膨大に必要になるので、これらの動画は保管と再生をYouTubeに任せています。YouTubeのこのようなサービスが今後末永く続くように願っています。ちなみに旅行記の記事や写真は自分のレンタル・サーバーに保管して外から閲覧できるようにしています。

今回の旅行で少しだけ残念だったのは料理の味がそこそこだったということです。イタリアには過去数回は訪れていますがいつもイタリア料理(特に地中海料理)はとてもおいしくいただいていました。今回はどうも北イタリアのアルプス地方を中心に訪れたのでドイツやオーストリアに近い料理・味付けになっていることがその一因かもしれません。

とにかく3年半ぶりのコロナ禍明けの最初の海外旅行としてはとても充実していて満足できる内容だったと思っています。

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