テレビドラマあれこれ

はじめに

テレビドラマを日常楽しみに見ている方も多いことと思います。

テレビが始めて日本の家庭に普及し始めた頃は、テレビはとても高価な家電で、買うことが出来たのはかなりのお金持ちの家庭や学校などの施設でした。

当時は多くの子供たちは近所のお金持ちのお宅にテレビを見せてもらいに集まったということです。夜6時頃になるとそのご家庭のテレビが設置されている居間は近所の子供たちでごった返していたそうです。

当時はテレビのチャンネル数がとても少なかったので、ドラマもNHKや民放が放送するごく一部のものしか見られませんでした。

当時子供たちに絶大に人気があった番組は、「名犬ラッシー」、「月光仮面」、「少年ジェット」、「鉄人28号」、「怪傑ハリマオ」、「赤胴鈴之助」などのようでした。

「名犬ラッシー」は元々はアメリカのTVホームドラマで当時日本でも大ヒットしました。当時の日本の子供たちはこのドラマを通してアメリカの家庭の詳しい様子を生まれて初めて知ることになったようです。

たとえば、アメリカの家庭の台所にあるウェスティングハウス社製の大型冷蔵庫には大型のボトルにたっぷりと入った牛乳がいつも用意されていて、家族は好きなときに好きなだけ気軽に牛乳を飲んでいたというような事です。

当時日本では牛乳は一般的には小瓶で各家庭に配達されていましたので、アメリカの物資の豊富さに驚かされたこともあったようです。

「月光仮面」のドラマの内容は、毎回善と悪がはっきりと分かれていて、善のヒーローである覆面をした謎の月光仮面に子供たちは強烈な憧れを持ったものです。

「怪傑ハリマオ」はその他の日本のドラマと違って、東南アジアを舞台にしたとても珍しいドラマでした。当時の子供たちは外国というとアメリカ合衆国やヨーロッパ諸国程度しか関心がありませんでしたが、このドラマの影響でフィリピンのルソン島、アンナン(ベトナム)、カンボジア、中国、モンゴルなどを知ることになりました。

またこのドラマのおかげで「南十字星」というとても美しい星座が存在していて、東南アジアにいけばそれが夜空に見えるという事実を知ったということです。

当時このドラマを見た現在シニアの方々の中にはニュージーランドなどの南半球に旅行し、夜空を見上げる機会があるときにはまず一番最初にこの南十字星を探す人がいるとのことです。

テレビの普及期には、テレビ番組のすべてが珍しく新しい娯楽としてとても楽しめたようです。なかでもテレビドラマは映画とは違った毎週連続のワクワク感が多くの人を虜にしたようです。

この頃から日本の人々に毎週テレビドラマを楽しみに見るというような習慣が出来てきたのだと思われます。

近年のテレビドラマ

以前まだテレビの視聴率も人気も高かった頃は、数々の大ヒットドラマが生まれたようです。「太陽にほえろ」、「3年B組金八先生 」、「家なき子」、「HERO」、「渡る世間は鬼ばかり」や、時代劇の「水戸黄門」、「大岡越前」、「江戸を斬る」などが印象に残っています。

最近になって、地上波放送、衛星放送、ケーブル放送、Fulu、Netflix、GYAOなどのインターネット動画配信サービスなど日本や海外の膨大なテレビドラマを手軽に視聴できる環境が整ってきました。

そのために従来のテレビの視聴率自体が下がってきていて、日本のテレビドラマも高い視聴率が取れなくなっているようです。

私自身も少し前、といってもかなり前になりますが、NHK大河ドラマ、火曜サスペンス劇場、東芝日曜劇場など時間があるときは好んで見ていましたが、最近は日本のテレビドラマはまったくと言ってよいほど見なくなりました。

実は最近は米国のものを中心に海外テレビドラマを見ています。以前はまったく関心がなかったのですが、一つの米国テレビドラマをたまたま試しに見たことがきっかけで、海外テレビドラマの素晴らしい魅力を知ってしまったからです。

次にそのあたりの事情を書いてみたいと思います。

海外テレビドラマ

海外テレビドラマといえば何と言ってもまず米国のテレビドラマが挙げられますが、米国以外でもイギリス、ドイツ、フランス、デンマーク、韓国、中国、ロシアなどもなかなか楽しめるテレビドラマを提供しています。

人気のジャンルは、刑事・探偵、スパイ・特殊部隊、SF、超常現象・特殊能力、ヒーロー、ゾンビ、ウイルス拡散、裁判、歴史、伝記、政治、戦争、青春・恋愛、コミックなどがあります。

アメリカのテレビドラマは何と言っても製作費用を惜しみなくつぎ込んだ大作・傑作が数多く存在します。原作・脚本・ストーリー、俳優のキャスティング、演技もすばらしく、また番組内にサプライズも豊富に用意されていて、さすがにエンターテインメントに長けた国だと実感させられます。

最近の日本のテレビドラマは予算を出来るだけ抑え、またストーリーや演技の優秀さで勝負というより、とにかくある程度視聴率が取れる人気タレントを起用したドラマが目立っているようです。

アメリカなどのテレビドラマと比較するとどうしても魅力が劣ってしまい、どうせ見るならやはり海外テレビドラマということになってしまいます。

私の最近の海外テレビドラマの視聴方法ですが、ケーブルテレビで配信のドラマ、インターネット配信のドラマそしてレンタルDVDのドラマというように3通りの手段をうまく組み合わせて楽しんでいます。これはそれぞれが配信するドラマの種類・数が少し違っているからです。

最近面白いと思った海外テレビドラマ

以前、私が偶然初めてアメリカのテレビドラマを見て夢中になってしまった作品は「LOST」です。それまでは海外テレビドラマにはまったく興味はありませんでした。

当時ケーブルテレビのドラマチャンネルをたまたまザッピングしていた時、この「LOST」の第1話の放送が始まったばかりの場面に遭遇してしまいました。

日本のドラマしか知らなかった私は、そのドラマの面白さに衝撃を受けました。それ以降毎週の放送がとても楽しみになり、外出していても放送時間に間に合うように急いで帰宅するような状況でした。

「LOST」は表面的には遭難した旅客機の生き残りの乗客たちのサバイバルを描いたものですが、実は深いところでキリスト教の教えと関係していたであろうというような内容の深いドラマです。

「ネタばれ」にしたくはないのでこれ以上はご紹介しませんが、アメリカでもその他の国でもかなりの大ヒットになったドラマです。老若男女を問わずきっと楽しめると思います。

「LOST」がきっかけになった海外テレビドラマの視聴ですが、私のお気に入りの設定は、音声はその国の言葉のままで、字幕を日本語にするというものです。日本語吹き替えの海外ドラマはやはりどうしても元の俳優の演技がずれてしまい、迫力に欠けるので避けるようにしています。

それでは「LOST」以外で最近面白かった主なドラマを挙げます。

●「24 Twenty Four」:キーファー・サザーランド主演の対テロリスト機関の活躍の物語で日本でも大ヒットしました。リアルタイムに進行する緊張感溢れる内容がとても印象的です。

●「冬のソナタ」:かなり前に日本の女性層中心に大ヒットした韓国の恋愛TVドラマ。この影響で日本でも韓流ドラマブームが始まったようです。ストーリー展開は非常にゆっくりですが主題歌を含めていくつかの挿入歌がとても素敵です。

●「炎の英雄シャープ」:ナポレオン戦争時代のイギリス陸軍ライフル部隊将校の活躍を描いたイギリスのTVドラマ。テーマソングのOver the hill and far away(丘を越え彼方へ)は耳に心地よく残るとても素敵な歌です。

このドラマの主人公を演じているショーン・ビーンは、あの大ヒットファンタジー映画「ロード・オブ・ザ・リング」で人間の国ゴンドールの大将ボロミアを演じています。

●「ARROW/アロー」:弓矢の名手が主人公の世直し現代ドラマ。悪者との格闘の技が見物です。

●「HELIX -黒い遺伝子」:北極の研究施設を舞台にした感染系サイエンススリラー。真田広之さんが重要な役柄で登場します。真田広之さんは「LOST」にも一部登場しています。

●「レイ・ドノヴァン」:ハリウッド・セレブが抱える問題を解決する凄腕フィクサーの物語。

●「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」:シャーロックホームズのニューヨーク版のような探偵物語。ホームズの徹底した理詰めの謎解きが面白い作品。

●「VEGAS ベガス 」:1960年代のラスベガスを舞台に、カウボーイ風の保安官とカジノのマフィアの攻防を描いた物語。

●「グレイスランド 西海岸潜入捜査ファイル」:アメリカ西海岸を舞台に潜入捜査官の活躍を描いたドラマ。

●「トランスポーター ザ・シリーズ」:映画『トランスポーター』のTVシリーズ。訳ありの物を引き受けるめっぽう腕が立つ運び屋の物語。

●「パーソン・オブ・インタレスト」:人工知能が犯罪を予知しその情報をもとに犯罪を未然に防ごうとする人たちの物語。ここで人工知能開発者の役を演じているマイケル・エマーソンは、「LOST」でも圧倒的な存在感を示している役者です。

●「ゲーム・オブ・スローンズ」:7つの王国からなる大陸を舞台に、主権をめぐる王家同士の戦いを描いた壮大なスペクタクル。主題曲もすばらしいとの評判があります。

●「THE KILLING/キリング」デンマークTV史上最高視聴率を記録したサスペンスドラマ。コペンハーゲンを舞台に女性刑事の活躍を描いています。デンマークでもこのような面白いドラマが作られていることを知って驚かされます。

●「ブリッジ」:人気ドラマ『THE KILLING/キリング』のスタッフが手掛けたスウェーデンのTVドラマ。やはり女性刑事の活躍が見物です。

●「Life 真実へのパズル」:刑事として復帰した主人公が陰謀を解き明かしていく物語。

●「IRIS-アイリス」:韓国と北朝鮮の特殊工作員の戦いを描いた物語。

●「アンダー・ザ・ドーム 」:アメリカの田舎町がある日突然巨大なドームによって閉じ込められてしまう物語。珍しいシチュエーションで非常に興味をそそられます。

このシリーズのある場面でバックにアメリカ女性歌手による往年のヒット曲「The End of the World」が流されますが番組の内容と合っていてとても心に響きます。

●「ウォーキング・デッド」大ヒットのゾンビドラマ。ゾンビとの戦いというよりもサバイバルのグループ間の戦いがより熾烈です。

●「ハワイ5-0」:ハワイの美しい風景を舞台にした刑事物語。とにかくリゾートの雰囲気満載のロケ地の景色が素晴らしいです。

●「フリンジ」:「LOST」のJ.J.エイブラムス製作総指揮によるSFサスペンス。

●「ダークエンジェル」:シアトルの町を舞台にしたスーパー少女が主人公のSFドラマ。

●「ブレイキング・バッド」:末期癌の化学教師が家族にお金を残すために麻薬製造に手をつける衝撃の物語。まったく素人の主人公が次第に変貌していく姿が見事です。

●「フラッシュフォワード」:未来を一瞬垣間見ることができる“フラッシュフォワード”の謎を追及するFBI捜査官のSFドラマ。かなりヒットしたとても面白いドラマでしたが残念ながらシーズン1で何故か急遽打ち切りになったことでさらに話題になった作品です。

●「ロビンフッド Legend 」:お馴染みの弓矢のヒーロー、ロビンフッドの活躍を描いたイギリスのTVドラマ。

●「The 100/ハンドレッド」:核戦争から100年後の地球に帰還した少年少女100人のサバイバルを描くSFアクション。最初は子供向けの作品かと思っていましたが違っていました。かなりのスケールで描かれている壮大なドラマです。

●「ホームランド」:テロ防止のための政府機関の所員の活躍を描いたサスペンス。演技派の女優が主人公です。ここでは「Life 真実へのパズル」で主役を演じたダミアン・ルイスが一部出演しています。

●「CSI:マイアミ 」:アメリカのマイアミを舞台にした科学捜査課のメンバーの活躍を描いた刑事物語。ロケ地カルフォルニアの明るい太陽の光をたっぷりと取り入れた美しいシーンが印象的です。チームのリーダーであるホレイショ警部補の演技がとても魅力的で多くの女性ファンがついたそうです。

●「TERRA NOVA/テラノバ」:恐竜時代にタイムトラベルし、テラノバに入植した人々の生活と冒険を映画並みの巨費を投じ壮大なスケールで描いたアクションアドベンチャー。

かなりヒットしたにもかかわらずその巨額な制作費が理由だということで残念ながらシーズン1で急遽打ち切りとなった話題の作品。

●「ザ・ラストシップ」:世界のウイルス蔓延を防ぐために戦う米国海軍駆逐艦乗組員の物語。このドラマにも海賊の首領として一部真田広之さんが登場します。

●「ブラックリスト」:FBIに協力する超A級犯罪者を描いた心理サスペンスアクション。

海外テレビドラマは普通は複数のシーズンから構成されていて、シーズンごとに一つのまとまったストーリーが展開されます。各シーズンは10~20話で構成されています。

視聴率が取れないものや制作費がかかり過ぎるドラマなどはシーズン1だけで製作が打ち切りになることがよくあります。上で挙げた「TERRA NOVA/テラノバ」と「フラッシュフォワード」がこの典型的な例です。

非常に面白かったドラマがシーズン1で打ち切られると視聴者はとても落胆し、ネット上では色々な憶測が飛び交うことになります。

一方大ヒットしたものはシーズンが順調に次々と進みます。「LOST」はシーズン6まで製作されました。また「24 Twenty Four」はシーズン7までとさらに関連シーズンが3つ追加で製作されています。

最後に

面白い海外テレビドラマは上で紹介したもの以外にもたくさんありますしまた毎年次々と新たに作られています。中にはとてもつまらない駄作ドラマもありますが、第1話を見ればすぐに判断はつきます。

ドラマは視聴者を確実に掴むために、普通第1話に特に力を入れているようなので、それが面白くなければ後はもう見込みはないと思います。実際に面白いドラマは第2話がとても気になります。

海外テレビドラマの評判をネットなどで見ていると、まさに”はまって”しまった人がたくさんいるようです。一度見始めると何時間でも次々と一気に見たいという強い衝動にかられるようです。

これは健康上もよくないし仕事にも差支えがあるので、例えば見ても1日に1話か2話までと自分できちんと制限した方が良いのではないかと思います。

まだ海外テレビドラマをご覧になっていない方には一度ご覧になって見ることをお勧めします。日本のドラマにはない新たな魅力を発見するかもしれません。

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